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TOSSランドNo: 1114199 更新:2013年01月01日

「春のうた」 草野心平 授業記録2000年度実践 


 小学/ 国語/ 分析批評/ 4年/ 詩/ 「春のうた」」
                    授業実践 2000,5月  山下理恵
  4年 光村上 国語 「春のうた」草野心平     分析批評  
    1 実践の概要   第一時  範読・音読・視写指導
              第二時  話者と作者の違い
              第三・四時  話者の位置
    2先行実践について
    3考察

教材詩 

1実践の概要

第一時 範読・音読・視写指導

指示1:

指示1 教科書26ページをあけなさい。

指示2:

指示2 先生が読みますから、聞きなさい。

指示3:

指示3 では、題からみんなで読みます。さんはい。

指示4:

立ちなさい。一回読んだら、すわって2回目を読んでいなさい。

指示5:

この詩をノートに視写します。先生も黒板に書きますので、先生といっしょ
    にノートを進めていきます。

指示6:

ノートの続きで見開き2ページを出しなさい。(席の近くの子のノートで見
     開きの意味を教える)

  ①今日の日付とこの詩の題を書きます。(以下説明と板書を同時に)
   ②作者名をノートの下の方にかきます。
   ③一行あけて、小さい字のところをかきます。この2つの文は、前がきといいます。
   ④前書きが終わったら、「書けました」といいなさい。
 
   ⑤つぎに本文にはいります。前書きから1行あけて「ほっ まぶしいな。」とかき
    ます。
   ⑥また1行あけて次の「ほっ うれしいな。」をかきます。できたら「書けました」
    といいなさい。、
 
   ⑦教科書を見なさい。「ほっ うれしいな。」と「みずは つるつる。」の間があい
    ていますね。このように、詩の本文を2つ以上に分けているのは、連といいます。
    この「春のうた」の連は、、、、そうです4連ありますね。では、連の切れ目は、
    ノートを2行あけてかきます。
 
   ⑧「みずは つるつる。」からは、自分で、教科書をみながら、ていねいにはや
    く写しなさい。先生(の板書)と同じぐらいに書けるようになるといいですね。
   書けてしまったら、この詩を覚えていなさい。

指示7:

隣とノートを交換しなさい。赤鉛筆を持って、視写の確認をします。

   確認のポイント ・本文の1行あきと連の2行あき
           ・漢字表記・ひらがな表記
           ・句読点
           ・「ほっ」のあとの1字あき
           ・「さいている。」が「さいてる」になっていないか。
           ・「うごいてくる。」が「うごいている。」になっていないか。
 
   全部きちんと視写できた人は、すごいね。その子のノートの最後の「ケルルン 
 クック」のあとに○をかいてあげてください。
   まちがえたところがあったひとは、自分で赤で直しましょう。
   まちがいがなかった人、(挙手)えらかったですね。その子たちと間違いを直せた 
  子は、この詩を覚えていましょう。

指示8:

では、この詩の行に番号をつけます。自分のノートに黒板と同じように書き入
   れます。本文の1行目から順にかきます。(板書しながら)何番まであります
    か。そうですね。11番までです。できたら「書けました」といいなさい。

指示9:

次に、連の番号も書き入れます。(板書しながら)黒板と同じように、第一
    連、第二連と書き込みます。連は4つですね。

指示10:

この詩を覚えます。全員起立。

  ・黒板をところどころ消しながら「 みんなで読みます。さんはい。」を繰り返す。
 
   最後は、何も書かれていない、黒板をみんなで読む。
学級全員の力で暗唱していえるようになったことをしっかりほめる。

指示11:

今日の暗唱の練習でまだ不安な子は、おうちで練習しておきましょう。

第二時 話者と作者

発問1:

「いぬのふぐり」とは何ですか。

・オオイヌノフグリという小さな青色の春の花であることを確認する。実際に教室
    に持ち込んでおくとベストだが、私は、理科の観察のときに教えていたので、そ
    れを思いださせた。

発問2:

1行目と2行目をいっているのは、何ですか。

 ・かえる
   「話者」という語を教えていないので、「かえる」という意見で全員が賛成。
理由①前書きにかえるのことが書いてあるから
  ②かえるが地上にでてきて、そのはじめての日のうたと書いてあるから
  ③かえるしか出てこないから
    ④かえるしかわからないことが書いてあるから
    ⑤「ケルルン クック」 がかえるの声だから

発問3:

理由の①~⑤に対して反対意見があったらいいなさい。

  A②の前書きに出てくる「かえる」が、自分で自分のことを「かえる」というの 
    は、変だ。
    B④のかえるにしかわからないというけど、「春がきてうれしい」と思うことは、
     かえるだけが思うわけじゃあない。
・Aに対しては、前書きが、本文ではなく、説明になっているということを教えた。
・Bに対しては、「春の喜び」は、もちろん他の生き物も感じるけど、この詩でいえ
 ば「かえる」の気持ちであり、「いぬのふぐり」や「おおきなくも」の気持ちでは ないことを確認した。

説明1:

 ここの本文をいっている「かえる」のことを「話者」といいます。話者と作
    者はちがいます。「草野心平が実はかえるだった」のではなく、かえるのつもり
    になって書いた詩なのです。日本の有名なお話に「我が輩は猫である。名前は
   まだない。と始まるのがあります。作者の夏目漱石という人が、猫を話者にして
   そのお話を書いたのです。

説明2:

「わたしは、いまAくん(教室の児童名)のノートのうえで、あたまをごしご
   けずられています。「あっ、痛い。」わたしの体が少しA君の爪でむしりとられ
   てしまいました。」と、教室で手遊びをしている子の消しゴムを話者にした文
   を即興で作り、「わたしってだれ?」と聞くと、「消しゴム」と子どもたちは答 
  えるので、文の作者と「話者」が別物であることを理解することができる。

説明3:

前書きは、「話者」のことばではなく、作者からの場面の説明であるので「か
   えるは冬の間は~」という表現になっているんだね。だからさっき出た反論で
   Aの意見は、とても鋭いところを見つけていると思うよ。

発問4:

 一連目の話者の位置を図で表しなさい。

指示12:

ノートに書けたひとは、先生にもっていらっしゃい。
    早い順に、黒板に書きなさい。(黒板を分けておいて、場所の指示)

指示13:

黒板に書いた子は、説明しなさい。

指示14:

自分の考えが黒板以外にある子は、立って発表しなさい。

 ・意見をまとめると、以下のように3つに分かれた。
(ア)前足と頭が、地面から出たところ  12人/28人中 
(イ)体全部が出ている   15人
(ウ)どっちでもいい     1人
 

第3,4時 話者の位置  (第3時は、実質45分はない、15~20分ぐらい)

説明4:

 (ア)対(イ)での話し合い。「(ウ)の子が自分たちの方の仲間になるように、しっかり意見
 をいって、納得させなさい。」とけしかけ、(う)の子を真ん中にし、教室の南側と北側に机を移動させ、対決場面とした。

指示15:

それぞれの考えを出し合います。ノートに自分の考えを書きなさい。

(ア)の意見 
 ・前書きに、「かえるが出てきてはじめての日のうた」とあるから
 ・出てきたその瞬間に「まぶしいな」と思ったから
(イ)の意見
 ・土から全部出ないと、うれしくない。
 ・土から出たとき、太陽の反対側をむいていたら、まぶしくない。

指示16:

反対意見をノートに書きなさい。(5分待って)意見のある人は、どうぞ。
     (指名なし)

【話し合い】便宜上(ア)派の意見を★とし、(イ)派の意見を☆として表示する。 
 
・(ア)に反論で、かえるは、土から出てきて、太陽であったまって、温かくならない
  と動き回れないから、太陽の方を向けない。☆
 ①★前足だけでも、頭も出てるから、そのあとは、動ける。
 ②☆太陽の方向が、ちがっていたらどうするのか。
 ③★前足より、目が上についているから、目玉を回せば、まぶしいことがわかる。
 ④☆全身がでていないと、うれしい感じが少ない。
 ⑤★外にでてきただけでうれしいはずだ。
 ⑥☆前足だけだと、またすぐに巣穴にもどりそう(落っこちそう)
 ⑦★もぐっていた穴は、横穴だからだいじょうぶ。それに落っこちたりしない。
 ⑧☆あとの連に、「おおきなくも」とあるから、それが見えるためには、ちゃんと体がでていないとだめ。
  ⑨☆あとの連に「水たまり」がでてくるけど、前足だけでは、遠いと見えない。
ここでチャイム。⑧番の意見に賛成ならばノートに○を反対ならば×を書かせ、授業を終えた。
 

第4時 第3時のつづきの話者の位置

 
⑩★目が出ていれば、頭の後ろのほうにあったとしても、「動いてくる雲」はそのうち見える。
 ⑪★みずたまりは、田圃か何か、近くにあったからだと思う。
 ⑫★問題は、一連目の話者の位置だから、ちがう連のことは、証拠にならない。
 
ここで、連ごとに話者の位置が変わる考えもあり得ると思い、次のようにきいた。

発問5:

連が変わると、話者の位置が変わると思う人はいませんか。

発問6:

  反応は、0人であった。
 最後まで前足だけ状態だと考えている子が前時よりひとり減って11人 ★
 本文のはじめから、最後まで、全身外に出ていると考えている子17人 ☆
 どっちつかずの子は、外の考え☆になった。

指示17:

相手側が、「まいった、あなたのおっしゃるとおりです。」といって自分の
     考えを捨ててしまうような反論をいいなさい。
 

①☆「水がつるつる」というのが、水をさわらないとわからない。水は、穴のすぐ近くではなく
 少しは離れているから、全身出ているはずだ。
②☆全身で太陽の熱を浴びて、いい気持ちになっているときのことだと思う。
③★水は、田んぼのそばならすぐにさわれる。
④☆「くもがうごいてくる」のを見ているのは、ひろびろしているところで、水がすぐ
  ちかくにあったら、巣穴がじめじめするから、だめだと思う。
⑤☆「水はつるつる」の「つるつる」の感じが、さわらないと、全部の感じがわからな
  いと思う。
⑥☆ふつう前足が出ているだけでは、水がどこにあるかわからないし、さわることなん
  て絶対にできない。
⑦☆「地上にでてきます」と書いてあるだけで、すぐ近くに田んぼや、水たまりがちょ
  うどよくあるとはいえない。
⑧☆「かぜがそよそよ」とあるけど、その風の感じは、体全体が出てた方が、よくわか
  るはずだ。
⑨★全身のほうがよくわかるかも知れないけど、上半身だけでもちゃんと感じることは
  できるから、だめとはいえない。
⑩★「つるつる」を辞書でしらべると、「なめらかなようす」とあつて、それは、外か 
 らでもわかることだ。見たときに、「光っていて、つるつるしている状態」ならば、 
 直接さわらなくても、見えるはずである。
⑪☆直接さわっていると思う。春になったことだし。

⑫☆「つるつる」の意味は、「なめらかで、すべりやすい」という意味だから、そのよ
  うに見えた。
⑬☆「くもがうごいてくる」の「くる」はこちらに向かってくる意ということだから、
 かえるが動きまわったりしていると雲が近づいていることがわからないから、
かえる  は、じっとしていると思う。(全身が出ていて)
⑭★雲がからだの斜め後ろから近づいていても、前足だけでいても、自分のほうに近づ 
 いていることはわかると思うから、前足だけではだめの理由にならない。
⑮☆「ああいいにおいだ」のにおいは、全身があなから出ているほうが、よくわかると
  思う。
⑰★前足だけでも、はなは、あなの外だから、十分わかると思う。

指示18:

ここまでで、意見の変わった人を聞きます。挙手しなさい。

 ・(ア)と(イ)の人数は、変化していなくて、決定的な意見は出ずじまいであった。
 ・わたし自身、全身で春の光をあびているかえるの位置を想定していたものの、前足の
  状態では、絶対に無理な文が指摘できなかった。
 

2 先行実践

① 「分析批評で国語科授業が変わった」石岡房子著 明治図書1986年初版
② 教育トークライン№122 P14~16 1997年11月号 岸本 伸明氏
 
 両方とも「話者の位置」を発問している。が、結論が微妙に異なっている。
 ①は、「前足と顔だけ」の考えと「全身でている」の両派を認め、「これらの語を
検討しながら、自分の考えを言っている。これでいいのである。」(前掲書P17)
 ②は、「「地面の中から顔を出している。」に(答えが)落ち着いた。」(前掲書P16)
とある。理由は、「「うれしいと書いてあるのは、かえるが冬眠から目がさめたからだ。
まぶしいのも、久しぶりに、太陽を見たからだ。」という意見が出され、大勢は、一気
に逆転した。」(前掲書P16)
 

3考察

①先行実践との関係
  ・「自分の考えが、言葉を根拠として言えさえすればよい」のなら、どちらの意見も 
 「よく考えたね。すばらしい。」となるわけであるが、私自身は、「全身出ている」 
 ほうに賛成である。「水、風、におい、犬のふぐりの花、大きな雲」それぞれを全身
  であじわっている春のイメージを強く感じるからである。半身を穴に残した状態は、 
 春のイメージの体感が弱いと思う。「まぶしさ」と「うれしさ」に焦点をあてた発問  
「第一連の話者の位置?」では、穴から半身出た瞬間を想定し、残りの連では、全身 
 出ている。と考えて出したのが、私の発問4である。その後子どもたちの、話し合い 
 を聞いているうちに、「まぶしさ」には、3種類考えられることに気づいた。第一に
  「顔を出した瞬間の暗から明に移る瞬間のまぶしさ」であり、第二に「うっかり太陽 
 をまともに見てしまったまぶしさ」であり、最後に「春のきらきらした日射しにあふ 
 れた世界のまぶしさ」である。第一のまぶしさをとると、第一連は少なくとも前足を 
 出して外をのぞいた瞬間でなければならない。しかし、第二第三のまぶしさを考えた
  とき、その必要性はなくなる。
 ・もうひとつ、話者の位置に関しての情報があった。それは、国語の市販テストの挿
  し絵である。その挿し絵では、草原?にすわり全身で雲を見つめているかえるがいた。
  こどもたちに、「全身でないとだめ」とはいっていないが、あの挿し絵のテストをし
  たら、もうどっちが正しいか、の言い合いはしなくなった。
 

②討論になるか
  ・「先生、あの言い合いやろうよ。」「ねぇ次の時間も続きやろう。」とこどもたちが言
  ってきた。
  ・「話者の位置を問う」発問は、子どもの意見が分かれ、言葉を論拠にした話し合い
  に有効である。

③その他
  ・つるつるを辞書でひき、必ずしもさわらなくても「つるつる」といえることに気づ
  いたのがよかった。「まぶしい」の語も「来る」も自分で調べていた子が多かった。 
 「相手方が、まいったと言う証拠」を見つけるために、一生懸命辞書をひいていた。


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