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TOSSランドNo: 2600084 更新:2012年12月31日

理念づくり 計画化の原則


1.あるべき姿と現状のギャップを埋める

 学校づくりで一番大切なのは、理念づくりである。どんな学校にするのかの共通理解を図ることである。
 理念づくりには、計画化、マネージメント化、危機管理化の原則があるが、本論では計画化について述べる。
 小山正彦・石渡明著『船井流経営計画の立て方』(実業之日本社)の中に「あるべき姿と現状のギャップを埋めるストーリー」という項目がある。
 「あるべき姿を高いレベルで掲げ、現状のギャップを埋めていくストーリーとシナリオづくりを経営計画の核として重視するやり方」があるという。
 次の段階で計画化していくと述べられている。

「第一段階 あるべき姿をビジョンとして明確にする。次に、現状を的確に認識しビジョンとのギップを把握する。
 第二段階 ギャップを埋めてあるべき姿へ近づくためのストーリーとシナリオづくりを策定する。
 第三段階 その結果としての数値計画づくりを行う」

 このまま学校づくりに適用することは出来ないが、参考にはなる。今までの学校づくりで欠けているのはビジョンづくりである。
 どんな学校をいつまでに、どのように作るかのビジョンが立てられていなかった。これからの学校はそれではいけない。特色ある学校づくりを考えていかなければならない。
 学校づくりの計画化を次のように考えた。

 第1ステップ あるべき姿をビジョンとして明確にする。
 第2ステップ 現状を的確に認識する。
 第3ステップ あるべき姿と現状のギップを把握する。
 第4ステップ あるべき姿へ近づくストーリーをつくる。
 第5ステップ あるべき姿へ近づくシナリオをつくる。
 第6ステップ 数値計画をつくる。

 第1ステップとしては、あるべき姿をビジョンとして示す。どんな学校にするのかのビジョンを明確にすることが第1ステップである。
 第2ステップとしては、現状を的確に認識することである。子供、学校、地域の実態を分析し、どんな問題があるのかを明確にする。
 第3ステップとしては、あるべき姿と現状のギャップを把握することである。あるべき姿に対して、現在の状況はどのようになっているのかを把握する。
 第4ステップではあるべき姿へ近づくストーリーを作成する。ビジョン達成のストーリーは大きな方向付けや方針に当たる戦略を示す。
 第5ステップは、あるべき姿へ近づくシナリオをつくる。シナリオは具体的実行計画、つまり戦術である。
 第6ステップは数値計画をつくることである。実際の計画を数値で示していく。

2.経営の流れと経営計画

 『船井流経営計画の立て方』では次のことが示されている。

 Vビジョン 将来めざすべき姿 あるべき姿 ← (5~10年後を想定)
 S戦略   ビジョンを実現するために取るべき方 ← 方向づけ・方針(1~5年後を想定)
 P計画(戦術) 戦略の具体的実行シナリオ ← (1年ごと、3年間くらい)
 D実行   シナリオの実践
 Cチェック&コントロール
 実効結果をチェックし計画・戦略の見直しを図り、対応策を検討する。

 ここで問題が起こる。学校のビジョンは5~10年後を想定して立てられないことである。
 教職員の人事の異動があり、長期のビジョンは立てにくい。せいぜい5年位である。
 次に戦略であるが、これは3年程度ある。3年計画でビジョンをどのように達成していくかの道筋を立てる。つまりストーリーを立てる。
 戦術は1年間の計画である。1年間をどのようにしていくかを細分化して計画する。具体的なシナリオを作成する。
 そして実行していく。実行に際しては目標を数値化する。必ず数値に置き換え、どの程度達成したのかをチェックするようにする。
 うまくいけばよいが、目標の達成が出来ない場合には修正していかなければならない。
 学校づくりの計画をこのようにしていく。この計画は校長が中心になって立てていく。しかし、校長一人ではなく全教職員が関わっていけるようにする。
 そのためには、学校づくりのための委員会を設置していく。学校経営委員会でもいいし、学校運営委員会でもよい。教職員の意見が反映されるようにしていく。
 学校経営は校長が中心になって行う。学校づくりは全教職員がそれぞれの立場で行っていく。

3.計画化の実際

(1) 一番化づくり

 長期のビジョンをつくる。長期のビジョンは一番化づくりである。一番化とは学校の特色づくりである。学校の特色を出し、学校の目玉を打ち出す。
 例えば総合的な学習を通して一番化を図るとする。一番化を図るためには、子供、学校、地域の特色を生かすことが大切である。
 G小学校は帰国子女の在籍が多かった。学校全体で34名の帰国子女が在籍していた。取り出し指導のための専任教師が配属され、教室も作られることになった。
 そこで、学校の特色として国際理解教育を核にした学校づくりを行うことになった。

(2) 実態を把握する

 一番化を目指すためには、実態を把握しなければならない。子供、学校、地域の実態を把握するのである。
 G小学校には34名の帰国子女が在籍していた。15学級であったので、1学級平均2名である。この子供たちは日本語を十分に話したり書いたりすることが出来なかった。
 日本での生活習慣も身に付いていない。学級の子供たちと協調して生活できない子供もいた。
 日本語が分からない、文化や生活の仕方が違う等のハンディを背負って日本に来ている子供たちである。
 全校児童が約500人であったので、約1割弱の帰国子女数である。学校としても彼らをどのように受け入れ、指導していくかが大きな課題であった。
 そこで、国際理解教育を核にした学校づくりを行っていくことになった。

(3) ギャップを把握する

 国際理解教育は人間理解、文化理解、世界の現実理解を基本的な内容とし、それにコミュニケーション力の育成を行うものである。

 ①あらゆる分野において国際化が進展している。
 ②交通・通信技術の発達によって、住んでいる世界が狭くなってきている。
 ③世界の国々は互いに依存関係にあり、外国で起こったことが自国の生活に直接間接に影響を与える。
 ④人類共通の課題が多くなり、一国では解決できない。

 このような社会の変化で、地球の一員としての資格を持つ人材の育成を必要としている。
 G小学校では、右記のような国際社会に生き、人類福祉、国際社会に貢献できるための素地を身に付けた子供像を設定した。
 それに対して、G小学校では帰国子女も一般の子供達も十分な人間理解、文化理解、世界の現実理解がなされていなかった。しかも、帰国子女学級の子供たちは、コミュニケーション能力も十分でなかった。
 そのようなビジョンと実態のギャップを把握した上で学校づくり行っていくことにした。

(4) 一番化戦略

 一番化戦略とは、あるべき姿へ近づくストーリーを作成することである。ビジョン達成のストーリーは、大きな方向付けや方針を示すことである。
 小山正彦・石渡明著『船井流経営計画の立て方』によれば、「力相応に一番になれる①場所(商圏)②モノ(商品)③ヒト(顧客)を探す」ことであると述べている。
 学校でづくりで言えば、①場所(地域)②モノ(学校)③ヒト(子供)に当たる。
 つまり地域の中で、一番になれるモノ(特色ある活動)を探し、子供に教育することである。
 G小学校の場合のあるべき姿とは、「国際社会に生き、人類福祉、国際社会に貢献できるための素地を身に付けた子供像」である。
 そのあるべき姿に近づくストーリーを作成しなければならない。それが一番化戦略である。
 G小学校では、次のような方針を立てた。

 1.日本語を指導し、生活適用するための特別な学級を設置する。
 2.国際理解集会を毎月開き、全校児童が国際理解に触れる行事を実施する。

 特別な学級を設置するには学校独自では出来ない。教育委員会からの設置要請があり、協力がなされて実現した。
 国際理解集会は特別活動の中の一環として位置づけ、実施されていくことになった。

(5) 一番化戦術

 一番化戦術とは、あるべき姿へ近づくシナリオをつくることである。シナリオは具体的実行計画である。
 G小学校での一番化戦術は二つである。
 一つは、日本語を指導し、生活適用するための特別な学級をどのように運営していくかである。
 もう一つは、国際理解集会をどのような内容で、どのように実施していくかである。
 日本語を指導し、生活適用を図るための特別な学級では、2名の専任教師が指導にあたることになった。
 普通学級に入っている帰国子女の時間割を決めて通級させ、取りだし指導を行うことにした。
 国際理解集会は学校の集会活動の中に位置づけ、第3週の土曜日、集会活動の時間に実施することになった。
 各学年から1名の担当者を決め、年間計画が立てられた。その計画に従って、実施されることになった。

(6) 数値化

 目標を数値化して、達成状況を把握していった。
 日本語を指導し、生活適用を図るための特別な学級では、約1年半で生活に必要な日本語をマスターし、生活に適応できるように計画した。
 国際理解集会は、月1回とし年間10回実施することにした。事前に必ず計画を提案し、共通理解を図った。


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