木村孝康 (TOSS向山型指導法研究会ひょうご)
県下加東市の小学校教師をしていた谷先生が、今年の4月から玉川大学教職員大学院准教授になった。
大学院で教えている「10の技術・10の技能」の項目だけを聞いた。
私なりに中身を書いてみる。「技能」が「技術」より高度であることは、誰でも分かる。
10の技術その8 子どもに書かせる!
前号も今号もそれぞれ本1冊が書ける中身がある。本通信では触りだけです。
子どもに考え・気付きを書かせることは、子どもの思考をその時点で固定することになる。
気付かせること思考させること自体が簡単ではない。
子どもに書かせるには、大きく言って2つの取り組みが必要と考える。
1つは、たくさん書ける取り組みである。もう1つは、書く型を学ぶことである。
たくさん書かせるには、まず指示が大切である。
指示1:
分かったこと、気付いたこと、思ったことを書きなさい。
「気付き」「分かった」だけでは書ける子は少ない。
しかし、「思ったこと」が入ると違う。
例えば、写真内容でなく「写真がカラーです。」でもOKになる。
これなら、気軽に書けることになる。
もちろんこれだけの指導では足りません。
例えば「3年生なら3こ、4年生なら5こ、5年生なら10こ」といった目標数値の例示も必要です。
また、「1つのことで日本最高はクラスで500こ出たそうです。」(筑波大学付属小有田学級)というような、煽りも必要です。
写真の指導については「雪小モデルの写真読み取り意見分類表」に詳しい。
もう1つの書く型については「アウトライン指導」と呼ばれている。
まず、例文を読んだり、写したりします(「知る」過程)。
次に、一部が隠れた文で型を学び、使います。
隠れた部分は徐々に大きくなっていきます。
最後は、何もなくても、文型を使って書きます(「使う」過程)。最後は、応用して使います。
子ども達は、1)型を知り 2)型を使う 3)型を応用する 過程で学んでいく。
これは、中教審答申にも例示されている、標準的な指導過程である。
文型を何も知らない子ども達に文を書かせても、ちゃんと書ける訳がありません。
「何でもよいから書きなさい。」は素人でも言える指導です。
指導放棄に近い教授行為に、子ども達は苦しんでいる。
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