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TOSSランドNo: 6708253 更新:2012年11月29日

努力の天才「イチロー」に学ぶ


1 大リーグで喝采を浴びるイチロー

2009年9月13日、レンジャーズ戦でヒットを放ち、大リーグ記録を更新する9年連続200安打を達成した。
誰のことでしょう?
分かりますね。
今や日本の総理大臣を知らなくてもイチロー選手を知らない日本人はいないと言われます。
日本では7年連続の首位打者で、MVPを3回受賞。
大リーグのマリナーズに移籍し、新人王を受賞した1年目からオールスターに出場、最多安打記録も持っています。
2007年の大リーグのオールスター戦では史上初のランニングホームランは史上初を含む三打数三安打二打点でMVPに輝きました。
アメリカで喝采を浴びるイチロー選手の姿を見て、たくさんの日本人が誇りに思いました。

2 夢を実現する「逆算」の計画

イチロー選手が小学校の卒業文集に書いた作文を知っている人も多いでしょう。
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ボクの夢は、一流のプロ野球選手になる事です。
そのためには中学・高校で全国大会へ出て、活躍しなければなりません。
活躍をするには、練習が必要です。ボクは三歳の時から練習をはじめています。
3年生の時から今までは、365日中、360日は激しい練習をやっています。
だから、1週間中、友達と遊べる時間は、5~6時間の間です。
そんなに練習しているんだから、必ずプロ野球選手になれると思います。
===========================

▼わたしの夢は(A)です。
▼(A)のためには( B)しなければなりません。
▼(B)をするには、(C)が必要です。

カッコのABCに自分の夢とやるべき行動を書き込むことができますか? 
イチロー選手がすごいのは、自分の夢の実現のために、今何をしなければならないかを自覚し、小学校の時からしっかりと実行してきた点です。

プロ野球をめざしたイチロー選手は、七年間バッテイングセンターに通い続けました。
休んだのは、お店の休業日である正月の2日間だけだったそうです。
「そんなに練習しているんだから、必ずプロ野球選手になれると思います」という言葉は自信にあふれています。

イチロー選手は高校を選ぶ時も、プロ野球をめざす自分に一番必要なものは何かを考えました。
その結果選んだのは、12人のプロ野球選手を送った実績と、いつでも練習できる雨天練習場をもった愛工大名電高校でした。

日本のプロ野球で活躍するようになってからも筋力トレーニングを欠かさなかったイチロー選手の日常は、
▼ホテルを選ぶ時は、トレーニングの施設があることを条件にする。
▼夜の七時からホテルでトレーニングすると決めたら、逆算してその日の行動を計画する。
といった具合でした。

一日の予定も、将来の計画も同じです。
イチロー選手は、このように「逆算」して自分の行動をコントロールし、夢を実現させてきたのです。

3 イチロー選手は「天才」ではない

イチロー選手は、みなさんが生まれる前からプロ野球界で大活躍をしています。
「イチローは天才だから。特別な才能があったから。」と決めてしまう人も多いようですが、そんなことはありません。
イチローの高校生活(寮生活)の様子が次のように記されています。
=====================
練習が終わって風呂に入って夕食が終わる。
そこから十一時の消灯時間までが唯一の自由時間だったが、この時間にほとんどの一年生と二年生は先輩のユニフォームや下着を洗濯することになる。
だけど、イチローは違った。その時間にもテニスコートで素振りをしたり、陸上トラックに出てランニングをして自分を鍛えた。
けっきょく、みんなが寝ている間に洗濯をするために、午前三時起きを自分で決める。
三時から五時まで洗濯をして、五時から朝食の準備をするために米をとぎ、みそ汁をつくった。
丸二年間、この日課を続けることになる。 
====================
 児玉光雄「イチローに学ぶ『天才』と言われる人間の共通点」(河出書房)62頁
 
・・・当時、寮には幽霊が出ると噂されましたが、それは夜中にこっそり練習するイチロー選手の姿でした。
「自分ではそれがふつうだったんです。練習できないよりは精神的にずっと楽でしたから」
という言葉からは練習が体に染みついていた様子が分かります。

イチロー選手の才能をうらやましがる人が多いです。
しかし、イチローがずば抜けた才能の持ち主なら、こんなに努力しなくても一流選手になれたはずです。

発明王エジソンも「天才は1パーセントの才能と、99パーセントの汗によって生まれる」という言葉を残しています。

イチロー選手が天才なのだとしたら、それは人並みはずれた「努力の天才」ということになるでしょう。

4 イチロー選手は特別ではない

イチロー選手は高校時代、確かに甲子園には行きました。
でも大活躍したわけではありません。
高2の夏は4打数1安打、高3の春は5打数無安打、いずれも1回戦敗退です。
高3の夏は県の決勝戦で7対0。イチロー自身も無安打で甲子園出場の最後のチャンスを逃しています。

高校卒業後はドラフト4位でオリックスに入団しますが、ドラフト4位とは、その年の30番目から40番目の選手ということです。
イチロー自身も同期のドラフト1位選手の体格を見て「これがプロとしてやっていく体か」とショックを受けたそうです。
イチロー選手が実際に1軍レギュラーで活躍するのは3年目。
もともとプロ野球で活躍するには3年は必要だと考えていたので、1軍レギュラー定着は、むしろ1年早いくらいでした。
それでも1年目から活躍するほどの目立った選手ではなかったのです。
プロ野球に入る時もアメリカに行く時も「おまえにはできない。やめたほうがいい」と言われました。
そんなイチロー選手がメジャーリーグを代表する選手になれたのは、しっかりとした目標を持ち、そのために今やるべきことをやり通してきたからです。

まさに「1パーセントの才能と、99パーセントの汗」によってイチロー選手は生まれたのです。

イチロー選手の活躍を誇りに思うだけは失礼です。
イチロー選手を特別扱いしていては何も学べません。
イチロー選手のように将来の夢を決め、逆算して今すべきことを決め、やり通してみませんか?
ぜひ、次のメッセージを自分の将来に役立て、イチロー選手に続く活躍をめざしてください。

▼夢をつかむというのは一気にはできません。小さな事を積み重ねることで、いつの日か信じられないような力を出せるようになっていきます。
▼ぼくもみんなと同じような年の時には、汗水たらして泥にまみれて、みんなと同じように野球をしていたことを覚えておいてもらいたい。

  「イチロー選手262のメッセージ」より

参考文献 
児玉光雄「イチロー思考」(東邦出版)「目標を達成するためのイチロー頭脳」
永谷脩「はばたけイチロー」(朝日ソノラマ)「野茂とイチロー『夢実現』の方程式」(三笠書房)


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