TOSSランド

コンテンツ登録数
(2019/06/25 現在)

21642
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 1241048 更新:2012年12月30日

酒井式・こぶとりじいさんの追試


 秋祭り。太鼓や笛の音がお宮から聞こえてくる。「わっしょい,わっしょい」と御輿を担ぐ声も聞こえてくる。お囃子にあわせて踊る。その様子は地域によって様々であろう。
 しかし,この様子を描くとなるとなかなか難しい。例えば,踊っている場面を描くとする。子どもたちにそのまま描かせたとしたら,棒立ちの動きのない絵になってしまうだろう。
 酒井式のシナリオの中に「こぶとりじいさん」がある。
 おじいさんが鬼たちの前で楽しく踊っている様子を描くのである。これが参考になる。
 まず最初にこぶとりじいさんの話をする。誰もが知っているお話である。
 おじいさんが鬼たちの前で踊る場面がある。そこで実際に踊ってみせる。手のひらをいろいろな方向に向ける。それだけでも踊っている雰囲気が出る。
 そして,この場面を絵に描くことを子どもたちに話す。
 画用紙を配り,コンテを一本渡す。コンテの色はこげ茶色かモスグリーンなら間違いない。画用紙は縦でも横でも構わない。

指示1:

 まず最初に鼻から描きます。
 鼻というのは3つの部分からできています。
 1つは,ここ。鼻柱。(と言って,実際に鼻柱を触る。)
 もう一つは,ここ。なんて言うか知っていますか。(小鼻を触る。)
 そう,小鼻です。
 もう一つの部分はどこだと思いますか。
 正解は,ここ。(鼻の穴に指をつこむと子どもたちが笑い出す。)
 鼻の穴です。
 最初に鼻の穴から描きます。

 黒板に教師が描いてみせる(図1参照)。 「かたつむりの線,よーい,スタート」で描き始める。この時,「よーい」は大きな声で,「スタート」は小さな声で言う。逆にすると,かたつむりの線にはなりにくい。
 鼻の穴を描いたら,次は小鼻,鼻柱と描いていく。
 ポイントは,鼻を少し曲げて描くことである。右でも左でもいい。少し傾けるのである。そうすることで絵が生き生きとしてくる。

(図1)

Kobutori01

指示2:

 次は口です。
 口にも3つの部分があるんです。(唇の内側の線を描く。)
 一つは上唇。(上唇の線を描き足す。)
 もう一つは下唇。(下唇も描く。)
 歯を描いてもいいですよ。笑っているように見えます。

 早くできたこには唇のしわをかかせてもいい。ただし,コンテでうすーく描くのである。

(図2)

Kobutori02

 ここまで描いただけで,もう絵には個性が出てきている。
「Aさん,うまいなぁ」
「Bくんのは楽しそうだね」
 誉め言葉をシャワーのように浴びせていく。
 次は目である。
 口をかいたときと同じように,上の目の線,下の目の線を描く。
 そして,目の玉を書き加えればOKである。ただし,

 目玉は右か左のどちらかに寄せて描く。

 もちろん,教師が黒板に描いてみせる。
 たれ目にしたり,二重にしたりしてもよい。あらかじめ教師が言ってもよ いかもしれない。
 目がかけたら次は眉。
 やはり実際に眉を触らせることが大切である。
 眉の上を外側から内側へ向けて触ってみる。ざらざらしているのが分かる。逆に,内側から外側へ指を動かすと,すーっと流れていくのが分かる。
 つまり,毛の向きは内側から外側へと向かっているのである。
 ポイントは2つ(図3)。

 1.「内から外,内から外」と言いながら描いていくこと。
 2.ピッ,ピッという感じで眉毛を一本ずつ描いていくことである。

Kobutori03

 あごの線を描く。
 これも当たり前の位置に描くよりも少しずらした方が面白い。
 そして,ほっぺた。
 ここでも眉を描いたときと同じように実際にさわってみる。
 あごからスタートしてほっぺた,頬骨,こめかみと順に触っていく。触った感触を子どもたちに聞いていく。
「ほっぺたはどんな感じ。」
「柔らかい。」
「そう,柔らかいね。柔らかい。ぽちゃぽちゃしてるね」
「ここは。」(頬骨を触る)
「硬い。ごつごつしている。」
 こうやって子どもたちと確認しながら触っていく。
 これがほっぺたを描くときのポイントになる。

指示3:

 ほっぺたを描きます。あごの続きから,
 ごっつごっつごっつごっつ,ぽっちゃぽっちゃぽっちゃぽっちゃ,ごっ
 つごっつごっつごっつ,とんとんとんとん。
 (実際に黒板に描いてみせる。)

「かたつむりの線。よーい,スタート。ごっつごっつ・・・」と子どもたちと一緒に言いながら描いていく。触った感触を言葉にすることでイメージしやすくなるのである。
 これで顔がほぼ完成。
 髪を描くのは難しいが,こぶとりじいさんの場合,頭巾をかぶるので描かなくてもいい。
 まず,頭巾と額の境目の線を描き,続いて頭巾の線を描く。教師が実際に描いてみせればそれほど難しくない。
 いよいよ「こぶ」を描く。
 右側の頬でも左側の頬でもいい。顔の位置が極端に紙の端っこにきているようなら,「右側に描いた方がいいよ」などアドバイスする。「こぶとりじいさん」なので,こぶが見えないようでは困る。
 大きさも子どもたちに任せる。ここでも子どもたちの個性が出て面白い。
 こぶを描いたら,こぶと頬の境目の線を消す。コンテなので指でこすれば消える(図4)。

Kobutori04

 ここまで来たら絵の具を用意する。下書きの途中で彩色するのである。こうすることでイメージがふくらんでいく。
 途中の子がいても構わない。できたところまでで塗っていくのである。描き方はもうわかっているのだから後からでも描くことができる。
 最初に塗るのは肌である。色の作り方・塗り方をきちんと教える。
 用意する色は黄土色,茶,黄,青,赤である。
 パレットの大きな部分に,黄土色を入れ,水を足していく。この黄土色が基本の色となるのでたっぷりと用意する。
 どのぐらいの濃さにするのか。

 マヨネーズよりも薄く,ジュースよりも濃いくらい。

 しかし,言葉だけでは伝わりにくいものである。机間巡視をして
「もう少し水を足して。」
「もっと絵の具があった方がいい。」
と教えていくのが一番である。できることなら教師が実際にライブで学ばれることをおすすめする。
 できた黄土色を筆にとって,となりのパレットに500円玉ぐらいの大きさに広げる。
 それを4つ作る。それぞれに,茶,黄,青,赤を混ぜる(図5)。

Kobutori05

 青を混ぜるときには気をつけなければいけない。青はほんのちょっぴりでいい。スパイスなのである。ちょっぴりだからこそ絵が生きてくる。
 塗るときのポイントは次の通り。

説明1:

 1.色を「引っ張る」のではなく「置く」ように塗る。
 2.いろんな方向に塗る。
 3.一度塗ったところは二度と塗らない。

 これも教師がやってみせるのが一番である。そして机間巡視をしながら教えていく。口だけですべては伝わらない。
 早く終わった子には,頭巾を塗らせてもよい。
 ある程度の時間がたったら,途中でも次に進む。理由はすでに述べたとおりである。ここではやり方が分かればいいのである。それに時間をおいて塗ることで色の変化が出てくる。これもまた楽しい。(図6,7,8)

Kobutori06
Kobutori07
Kobutori08

 今度は手を描く。
 子どもたちに任せると,パーやグーしか描かない。踊っている雰囲気を出すためには,この手が重要なのである。
 まず手を二つ描く。最初はパーでいい。しかし,気をつけなければいけないことがある。それは,

 1.手首はかかない。
 2.二つの手を並べて描かない。

ことである。
 普通に考えたらありえないけどというところで構わない。手が上だけでなく下を向いていたり,横を向いていたりするとなおいい。
 工夫しながら描いている子をしっかり誉めていく。

 3.手は鉛筆で薄く書く。

 なぜか。消すことができるからである。酒井式は消さないことが基本である。しかし,手は難しいのである。特に指に動きを出そうとするとなおさらである。

指示4:

 曲げたい指を決めてごらん。
 決めたらこんな風に線を描きます。
 そして,曲げたい指を描きます。
 描けたらいらないところは消してごらん。(図9)

Kobutori09

 こうすると子どもたちは驚く。誰でも動きのある手がかけるのである。やり方がわかれば子どもたちは自分たちでいろいろな指の動きを作る。
 右利きの子は左の手を見ながら描く。両方とも左の手を描いてしまうことがあるので,それは机間巡視の中で見つけ,教えてやらなければいけない。
 描けたら鉛筆の線の上からコンテでなぞる。
 同じようにして足も描く。これも,当たり前の場所,当たり前の向きではない方がいい。ただし,顔が画用紙の大部分を占めている子もいる。そういう子には無理して描かせなくてもよい。

 次は胴体を描く。胴体の書き方は至って簡単だ。長丸を描くだけである。これも斜めに描いたりした方が面 白い。ここでのポイントは一つ。

説明2:

 首をかかない。

 これである。首をかかずに顔に胴体をくっつけてしまうのだ。この後,胴体と手・足を結ぶのだが,首がない方がつなげやすい。
 肩だと思う部分を探し,そこから腕を描く。まっすぐ線を引くよりも,腕を曲げたり,交差させたりした法がもちろんよい。足も同様につなぐ。
 服も描く。これも簡単にできる。まず,襟を描き,次に帯を描く。そして,着物の模様も自由につけていく。(図10)

Kobutori10

 ここまで来ると,ほぼ完成である。後は個人で未完成の部分を仕上げていく。
 もう終わってしまっている子もいるだろう。そんな子には,鬼を描かせればいい。書き方は,「こぶとりじいさん」と一緒である。あとは細かい指示はしない。角や牙,虎のパンツなど,子どもたちは工夫しながら描いていく。(図11・12)

Kobutori11
Kobutori12

0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド