◆古墳時代や古墳づくりのイラストの読み取りを行った。
◇この読み取りによって、子どもたちの内部情報の蓄積を図り、古墳の特徴をノートに書かしたり、 発表させたりすることによって、古墳のイメージを持たせた。
※本実践は、正進社資料集2011年度版を使用している。
他の資料集でも実践できるように、イラストのテーマやキーワードの内容も記述してある。
指示1:
『古墳をつくる(想像図)』のイラスト(正進社資料集2011年度版P20・23)を見て、分かったこと・気付いたこと・思ったことをノートに箇条書きしなさい。
(5分間で最多はYくんの41個)
説明1:
この絵は、古墳を作っている場面です。古墳というのは、豪族の墓です。
指示2:
この古墳にはいろいろな形のモノがあります。1つでも書けたら見せに来なさい。何を見てもいいですよ。(板書させた)
【子どもの意見】
・前方後円墳 ・方墳 ・双方墳 ・前方後方墳 ・円墳
指示3:
もっとも大きな古墳を見つけ、その名前と大きさを書いて、先生に見せに来なさい。
マルを貰った人は、それ以外の情報も見つけて見せに来なさい。(板書させた)
【子どもの意見】
・大仙古墳
・たて486メートル
・よこ305メートル
・工事期間15年8ヶ月
・動員人数680万7000人
・総費用796億円
・盛り土の量148万立方メートル
・はにわの数15000本
・はにわをつくる費用60億5000万円
発問1:
なんのために、このような大きなお墓を作ったのですか。ノートに書きなさい。
【子どもの意見】
・力の大きさを示すため。
・偉大さを伝えるため。
発問2:
なぜ、力の大きさや偉大さを示す必要があったのでしょうか?ノートに書きなさい。
【子どもの意見】
・人間は誰でも自慢したいから。
・自己満足のため。
・他の国が攻め込まないように。
・部下の感謝の気持ち
・部下の数の多さをあらわしたかったから
・他の豪族を支配したことを示すため。
説明2:
【説明】人間は社会的動物と言って、集団で生活をします。
そして、役割分担をして生活してきたのですね。
その中で、指導者、豪族、王というふうに、多くのリーダーも生まれてきたのですね。
そのリーダーは、自分のくにの人間を守らなければならない。また、他の人たちから、守ってくれるだろうという信頼があるから、 リーダーにも選ばれたはずですね。
◆古墳づくりの絵や埋蔵品の写真の読み取りを行った。
◇古墳づくりの仕事や古墳の分布の様子から、その時代の特徴に関する自分の考えをノートに書いたり、発表したりさせた。
発問3:
古墳というのは、何でしたか。
(豪族の墓)
説明3:
【説明】古墳には大変大きなものもありました。
指示4:
この古墳を作るための仕事にはどのようなものがあると思いますか。ノートに書いて持ってきなさい。教科書や資料集を使ってもいいです。
《正進社資料集には、11つの仕事が書かれていた。》
①はにわを焼く ②修羅(そり)で大きな石を運ぶ ③はにわを運ぶ ④玉石をしきつめる ⑤かんとく ⑥事務 ⑦技術者 ⑧道具作り ⑨かご・もっこづくり ⑩石棺作り ⑪木材の準備
【板書した子どもの意見】
・ 石を運ぶ ・ 石を積む ・ 土を耕す ・ 土や石を設計図通りに積んでいく ・ 作るのに必要な道具作り ・ 技術者
・ 王様の墓に一緒に埋めるものをつくる技術者 ・ 監督 ・ 埴輪を作る ・ 埴輪を運ぶ ・ 埴輪を並べる
・ 木材を準備 ・ 遺体を運んだり、頂上に埋める ・ かごやもっこ作り ・ 遺品を納める ・ 事務
・ 最初に、百分の一の模型を作る ・ 石棺づくり ・ 石室づくり ・渡来人が古墳作りの技術を伝え、指導していた。
説明4:
Aくんの『渡来人が古墳作りの技術を伝え、指導していた。』というのは、とても高級な意見です。
とても重要なことなので、資料集のP22にも『キーワード』として出ていますので、みんなで読みましょう。さんはい。
『中国や朝鮮半島から日本に移り住んだ人で、土木工事や養蚕、はた織り、造船などの技術を伝えた。』
この渡来人は、弥生時代にも大変重要な役割をしていましたね。
(米作り)
その通りです。米作りの技術を伝えたのも、この渡来人だったのです。
発問4:
古墳の上にはどんなものを置いたでしょうか。
また、石室には何を置いたでしょうか。
ノートに、3つ書けたら持ってきなさい。
【板書した子どもの意見】
・ よろい ・ 耳飾り ・ 馬具 ・ ひすい製のまが玉 ・ 死んでしまった人が使っていた刀やよろい ・ 土器
・ きさき等の思い出の品 ・ 金銅製のかぶと ・ 円筒埴輪 ・ 家埴輪 ・ 女性埴輪 ・ 武人埴輪
・ 馬埴輪 ・ 鏡 ・ 冠
発問5:
古墳の上や石室に置いた物から、どんなことが分かりますか。ノートに書きなさい。
(当時の暮らしの様子や人々の服装が分かりますね。例えば、住んでいた家の様子や使用していた動物や男女の服装、豪族の服装などですね。)
このように多くの人の協力を力を得て作られた古墳がどこに多くあるのかを見てみましょう。
そして、どのように広がったのかも考えて下さい。
分かった人はノートに書いて、見せに来なさい。
【板書した子どもの意見】
・ 4世紀が一番多い。6世紀までに広がっていった。
・ 所どころ、古墳が固まっている。
・ 前方後円墳は、東北には少ない。
・ 奈良県に大和朝廷があり、そこを中心に広がっている。
指示5:
資料集P22の『キーワード』に、大和朝廷について書かれています。読みましょう、さんはい。
『4世紀ごろ、大和地方(奈良県)の豪族が連合して、強大な国を成立させた。この政権を大和政権といい、その政府を大和朝廷という。』
説明5:
このように古墳のできた様子から、大和地方(奈良県)で成立した大和朝廷が全国に広がったことが分かりますね。
そして6世紀までに、大和朝廷が東北南部から九州地方までの豪族や王をしたがえ、日本を統一していったのです。
発問6:
弥生時代と古墳時代を勉強してきました。人間関係はどのように変化していますか。
【子どもの意見】
・平等の関係から、指導者、豪族、王、大王とどんどんと支配するようになった。
・今の時代と一緒で、身分の差がある。
指示6:
【指示】 資料集P22の穴埋めの文章のまとめをしましょう。自分で答え合わせまで終えた人から、休み時間とします。
(※正進社資料集を使用されていない場合は、授業の感想を5行以上でまとめさせる。)
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