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TOSSランドNo: 4114587 更新:2012年12月30日

「言葉の広場」を知的に楽しく授業する ~大森修氏による代案模擬授業案~


 平成18年度版 東京書籍4年(下)p62に,次の課題がある。

 125・126ページの「言葉の世界」を見て,反対の意味を持つ言葉を集め,
 集めた言葉を使って,文を作りましょう。(p62)

 125・126ページとは,巻末の見開きページのことである。
 反対の意味を持つ言葉が,たくさん並んでいる。
「言葉の広場」p62では,それらの反対の意味を持つ言葉を使った作文を通して,
 語彙を豊かにすることをねらいとしている。

1 視覚・聴覚入力を意識した例示で全員が作文する。

 教科書p62は,子どもたちに見せない。
 教科書には,いきなり完成型の例文が示されている。
 これを読むと余計な情報が入り,混乱を招く可能性があるためである。
 125・126ページの「言葉の世界」を開かせる。

指示1:

「『言葉の世界』せいかく・たいど」の横。
「ほがらか」を指さしてごらんなさい。

指示2:

 先生に続けて読みなさい。

「ほがらか」(ほがらか),「あたたかい」(あたたかい)…「ていねい」(ていねい)
 ※「先生に続けて読みなさい。」という指示は,
  2学期後半であれば使わなくても良いような学級にしておきたい。
  隠れ指示として機能させる。

 教科書の構成は,次のようになっている。
   ①ほがらか,あたたかい,やさしい,親切
   ②正直,すなお
   ③まじめ,熱心
   ④きちょうめん,しんちょう,ていねい
 ①~④の間が,それぞれ一行ずつ空いている。
 なぜ分かれているのかは,子どもたちに問う。

発問1:

 教科書を見ると,言葉の間に不自然な空きがありますね。
 言葉が4つ,2つ,2つ,3つの固まりになっています。
 どうして,このような空きがあると考えられますか。

 類似する言葉同士が集まって,グループになっていることに気づかせる。 

 さて,本題に入る。

指示3:

「ほがらか」を指さしなさい。(隣と確認させる)

説明1:

「ほがらか」という言葉を使って,「先生を紹介する文」を書きます。
 書き出しは,「中川先生は,~」とします。

発問2:

 例えば,どのような文ができますか。(口答で言わせる)

 発問2の口答で言わせるのがポイントである。
 いきなり書くでは,抵抗のある子もいる。
 どのようにすればよいかの例示となる。
  例)中川先生は,ほがらかだ。
    中川先生は,いつもほがらかだ。
    中川先生は,たまにほがらかだ。
    中川先生は,ほがらかではない。

指示4:

「あたたかい」を使って同じように文を作ります。

発問3:

 どのような文ができますか。(口頭で言わせる)

   例)中川先生は,とてもあたたかい。
     中川先生は,女の子にはあたたかい。

説明2:

 残った言葉を使って,同じように文を作ります。
 ノートに3つ書いたらもってきます。

指示5:

 箇条書きで書いて,持っていらっしゃい。

 ノートの書き方を指定する。(黒板等で)
 かんたんな作業なので,3つ書かせる。
 その間に,黒板に番号を打ち,そこに子どもが板書できるようにする。

 1 中川先生は,とてもほがらかだ。
 2 中川先生は,いつもやさしい。
 3 中川先生は,たまにまじめになる。
 4 中川先生は,参観日になるとていねいに机を片付ける。
 ・
 ・
 ・

指示6:

 書いた人は,読みます。
 みんなは,それに続けて読みましょう。

 黒板に書かれたものを全員で読む。
 教師は,都合の良い文章にはAAをあげたり大袈裟に褒めたりする。
 場を盛り上げ,楽しく読みたい。

 次は,反対の意味を持つ下の段の言葉を使って,同じように進める。

指示7:

 「冷たい」を指さしなさい。続けて読みます。

「冷たい」(冷たい)「勝手」(勝手)・・・「いいかげん」(いいかげん)

指示8:

 「冷たい」を使って,先生を紹介する文を書きます。

発問4:

 どのような文ができますか。(口頭で言わせる。)

発問5:

 「勝手」を使うと,どのような文ができますか。(口頭で言わせる。)

 子どもたちもやるべきことは分かっているので,テンポ良く進める。
 発問5は,発問4の様子を見て省略しても良い。

指示9:

 残った文を使って,同じように文を作ります。
 ノートに3つ書けたら持ってきます。ノートは3行開けて書き始めなさい。

 黒板は次のようになる。(     )は,まだ書かない。

  1 中川先生は,とてもほがらかだ。
  2 中川先生は,いつもやさしい。
  3 中川先生は,たまにまじめになる。
  4 中川先生は,参観日になるとていねいに机を片付ける。
  5 ・・・

  (      )
  
  1 中川先生は,とても冷たい
  2 中川先生は,いつもわがままだ。
  3 中川先生は,ずるいときがある。
  4 中川先生は机がきたなくだらしがない。
  5 ・・・

指示10:

今書いたものを○○さんから読みます。みんなも続けて読みましょう。

 ひどいことを書いている子どもには,
「特C」「立ってなさい」等と笑顔で評価し,楽しい雰囲気を作る。

2 接続詞を使って文をつなげる

 次は,1文目と2文目を組み合わせて読む。

指示11:

 次は,右の文と左の文をつなげて読んでみます。(黒板で示しながら)

 例えば,「中川先生は,とてもほがらかだ。中川先生は,男子に冷たい。」というようになる。
 何通りかの組み合わせがあり,楽しく読みたい。
 まじめでは駄目だ。教師の演出が必要である。
 何通りか組み合わせていくと,文のつながりがおかしいことに気づくはずである。
 気づかなければ,「文のつながりが変だよね。」と投げかけ,次の発問をする。

発問6:

 右の文と左の文のつながりを自然にするには,どんな言葉を使えば良いですか。

 「でも」「しかし」「ところが」など,何通りかの言葉が出てくる。
 それらの言葉を入れてもう一度読見直す。
 先生をネタにした文なので,何度読んでも盛り上がる。

 これら活動のポイントは,とにかく,「明るく・楽しく・テンポ良く」である。

 最後は次のようにする。

指示12:

 1段目と2段目の言葉をそれぞれ2つずつ入れて,
 先生の紹介文を作りなさい。

 例)中川先生は,女子にはほがらかでやさしい。
   でも,男子には冷たくてわがままである。

 文章の中で反対の意味を持つ言葉を使うことで,
 いつの間にか語彙が豊かになっているという状態になる。
 大森氏は次のように言う。

 文の中で使うから頭に入る。言葉を習得するには,文が思考の単位である。(文責:中川)

3 授業を盛り上げる微細技術

(1) 接続詞のバリエーションを増やす

 「みんなにとっておきの言葉を教えてあげます。
 全国の4年生の中で,みんなしか知らない言葉です。」等と言い、
「それにもかかわらず」「それにしては」等の接続詞を教える。
 子どもたちは,自分たちしか知らない言葉だと思うと,
 意欲的にその言葉を使い始める。その結果,表現力に幅が生まれる。

(2) 使った言葉は消していく

 言葉は教科書にあるものに限定する。
 それを意識するために,使った言葉は斜線で消していく。
 言葉の残りが少なくなると,
 整合性が問われるので頭がフル回転するだろう。

 この授業は,TOSS島根「くにびき講座」の中川の模擬授業に対する,
 大森修先生の介入をもとに作成した。   
 文責はすべて中川にある。


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