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TOSSランドNo: 1213076 更新:2012年12月17日

跳び箱指導 向山A式・B式が通用しない!!そんなときどうする?


体育/小学校中・高学年/跳び箱/開脚とび/向山式跳び箱指導

                   TOSSアンバランス福島   下重和也

跳び箱指導 向山A式・B式が通用しない!!そんなときどうする? 

「全員跳ばせます。」そう言い切れないあなたに。
「全員跳ばせます。」そういったのはいいけど
 跳ばなかったらどうしようと不安なあなたに。
「全員跳ばせます。」そういったのはいいけど、
 今日跳ばせられなくて次の体育の時間までになんとかしたいあなたに。

開脚とびの指導に向山氏が提唱した向山A式、B式がある。
この二つの方法で95パーセントは跳ばせられる。
しかし、向山氏は次のように言う。(「教師修行十年」 明治図書出版より)

「全員とばせられる」というのは、誰でもできることなのである。
しかしそれを人前で言えるまでには、
やはり、A・Bの方法でもできない子どもをどうしたかという
一つ一つの仕事の積み重ねが必要なのである。

 このホームページは向山A式・B式でとべない子をどう指導したらよいかを
向山氏の「跳び箱は誰でも跳ばせられる」(明治図書出版)から拾い上げ、
考えていくページである。
向山氏の言葉は特に断りがない場合は前掲書からの引用である。
途中でp○○とあるのはそのページから持ってきているということである。

1  跳び箱が跳べる条件

 ① 両手で体重を支えること
 ② 体重移動を体感させること
 ③ 助走してきて両手(両足の間違いか?下重)をそろえること
 ④ 一歩助走から跳びあがること
 ⑤未知の動きに対するこわさをとりのぞくこと  (すべてp205より)

 これらがクリアできていれば跳べるはずである。
 ちなみにほとんどの健常児は②の「体重移動を体感させること」で跳び箱がとべる。

2 用具の準備

跳び箱  高学年用・中学年用・低学年用・幼稚園用の4種類  

多くの学校には幼稚園用がない。なければ購入してもらいように
働きかけることも教師としての仕事のうちである。
健常児には必要ないかもしれないが跳び箱が飛べない障害児には
必要なものである。
向山氏は次のようにいう。

学校になかったら購入してもらう手続きを要望するとともに
それがあるところに出向いて教える。(p66)

一種類の跳び箱しかないとしたら学校全体の教育力を
疑われてもしかたがない。
しかし、二種類ぐらいしかないところが多いのではないかと思われる。
(p67)

3 児童の体力について

次のことができますか。チェックしてください。

  ① 行進曲に合わせて行進ができないほどにリズムが狂っていませんか。(p15)
   また、かかとでリズムが取れていますか。(p205)
  ② なわとびができますか。(p16)
  ③ 平均台をきちんと歩くことができますか。(p16)
  ④ うさぎとびができますか。(p16)
  ⑤ スキップができますか。(p173) 
  ⑥ けんけんができますか。(p182)
  ⑦ ケンパーができますか。(p182)
  ⑧ 助走してきて両足で止まれますか。(p183)
  ⑨ 両足とびができますか。(p188)
  ⑩ 「気をつけ」のときの両足がきちんとそろっていますか。(p189)
    また、お尻が出ていませんか。(p204)
  ⑪ 手押し車ができますか。(p65、p15)
  ⑫ 鉄棒にぶら下がることができますか。(p16)
  ⑬ 跳び箱の上に立って、飛び降りることができますか。(p204)
  ⑭ またぎこしができますか。(p180)
 
①~⑨までができない児童がいた場合は半年はかかることを覚悟しましょう。  
 
①~⑨までのことができない児童は「運動と運動の連結ができないのが原因である。
つまり協応動作ができないのである。」(p120) 
これらのことができない児童は「多くは障害児である。」(p120)

また、これらのことができない児童は「跳び箱の前で止まってしまう子」である。
「まず半年はかかると考えている。」(p120)

 ⑩、⑪、⑫は違う。筋力が発達するのを待つのである。
これはどのくらいかかるか分からない。
半年よりも速いかもしれない、遅いかもしれない。
 
⑬、⑭ついては「未知の動きに対するこわさ」である。
2時間ほどの指導で怖さを取り除くことは、ある程度できる。
 

4 指導法

引用は断りがない限りすべて向山洋一著「跳び箱は誰でも跳ばせられる」
(明治図書出版)からである。

跳び箱がとべるための条件

 ① 両手で体重を支えること
 ② 体重移動を体感させること
 ③ 助走してきて両手〈両足の間違いか?下重)をそろえること
 ④ 一歩助走から跳びあがること
 ⑤ 未知の動きに対するこわさをとりのぞくこと  (すべてp205より)

②の体重移動が体感できない児童への指導

あくまでも向山A式、B式が基本である。それへ至るステップ、
あるいは別の面からのアプローチである。
だから、ここに紹介する方法を試しつつ、
A式、B式に戻りながら指導していくことが大切である。

  跳び箱指導の場で
 

 A 向山A式を行う。
 B 段を一段低くしてまたぎこしを教える。補助は(B)の方法である。(P127) 
 C 一歩助走・跳び越しを教える。(P127)
 D 向山B式を行う。 (P127)

これで、ほとんどの児童が跳べるはずである。
それでも跳べない子がいた場合は次のような指導がある。

E 跳び箱を横にして馬とびと同じように跳ばせ、
踏み切りと馬の間をだんだん離していく。(P67)

Image82

F この図のように跳び箱の前に跳び箱の鞍部をおき、向山A式を行う。

そのときの注意点は次のことである。
「やや足をはじめから開き気味にさせ、手を前方につかせ、
肩と尻を補助して」(P203)やらせる。
この補助のための鞍部であるが高さを調節してやることも考えられる。

Image2

G この図のように跳び箱の上に立たせ、
 そこから手をつかせて体重移動を体感させて降りさせる。(P203)

Image3

H Gと似ているが膝を伸ばしたままと言う点が違う。(P178)

I うさぎとび 「かえるとびの練習で手に重心をかけることを覚えた」(P184)

①、③、④、⑤のことができない児童への指導

 多くは障害児であろう。半年はかかる指導であることを覚悟する必要がある。
  基本は向山A式、B式であることを再確認する。

 指導の原則

1 「いつも」意識して、①~⑤のための運動を課す。
2 家庭にも協力をお願いする。

思い付きではできるようにはならない。「いつも」やらせるのである。
本当に跳ばせる気があるのなら、簡単なことである。

さらに、家庭への協力するのである。
健常児では、幼年期に習得すべきものが習得できていないのである。
当然ながら適切な学習の時期を逸しているので時間と手間がかかる。
障害児の場合は健常児と違い、ステップを細かくあがっていくのである。
これもまた、時間と手間がかかる。

①のことができない児童に対する指導

筋力が発達するのを待つしかない。しかし、筋力が発達していないため、
自分の体を支えることができない児童はあまりお目にかかることはないのだが。
向山氏も1名しかそうした児童を指導していない。
支える筋力があるが、支えた経験がないためできない児童は⑤で述べる。
 

 日常指導及び準備運動の場で
 A 腕立てふせの姿勢をとること
 B ハイハイあそびをする。
  「寝る前にはいはいをした遊びのようなものをさせるように考えてみてください。」(p205)
   と向山氏は保護者にお願いしている。
 C 鉄棒にぶら下がる。
 D のぼり棒であそばせる。
 E うさぎとびの練習をさせる。
 F 手押し車の練習
 

跳び箱指導の場で  
 A またぎ越しの指導を行う。
 B Aができたら、一歩助走からの開脚とびを行う。
  (詳しくは前述の②のことができない児童を参照に) 
 C いよいよ向山A式・B式を行う。

③、④のことができない児童に対する指導

これらのことができない児童は協応動作ができない児童である。
つまり「運動と運動の連結」ができないのである。この指導の半年はかかる。

向山氏は言う。

運動と運動の連結を教える基本はリズム感のある動きであろうと思った。(p182)
なお、一つひとつを確立させる指導のみでは不十分と思う。
つまり協応動作そのものをどうとらえ、どう指導するかと言う点がないからである。(P121)

そういう児童に児童に対して向山氏は次のような日常指導をしている。

一緒に歩いたり、跳んだり、もぐったりして教えていった。(p188)

行進もできず、なわとびもできず、うさぎとびもできず、
スキップもできず、両足でぴょんぴょんとぶことさえできなかった子なのである。
明らかに運動の連結ができていないのだ。
私はこの子に、いつもこうした運動を与え、家でもやるよう話してあった。(p188)
自分の体に抱きつかせて、一緒に水にもぐったのだし、
リズムの取れない歌に何度も付き合ったのだ。(p189)

両足でとびはねるのができない。しゃがませて、
後ろに手を組ませて歩かせたができない。バランスを失う。
母親へ手紙、両足とびを毎日させてもらう。(p189)

日常指導及び準備運動の場で
 
一緒に跳んだり、歩いたりしてやることが絶対必要である。
以下のことは教師がリズムを取ってやってやるべきことである
 A 行進
 B なわとび(歌を歌ったり、号令をかけながらやるとよい)
 C スキップ
 D 両足とび
   (バリエーションをつける。例えば、ジャンプして3でしゃがむ、
   ジャンプして後ろに回るなど)
 E けんけん
 F けんけんぱー
 G バンブーダンス
 H 足じゃんけん
 I  トランポリン

けんけんができない子への指導

 向山氏は次のように指導している。

私は吉男君の片足を持ってあげさせてみた。そうするとできるのである。
次に自分の足を自分で持たせてやらせてみた。
これもできるのである。
「けんけん」ひとつ教えるためにこのような小さなステップが必要なのである。
私は教えながら自分で驚いていた。(p182)

跳び箱指導の場で

両足をそろえて止まれない児童に

 A 手をつないで走っていって「ぱっ」と言って両足でとまってやる。(p183)
 B 助走のリズムを「1・2・3」と言ってつけてやる。(P36)
 C A、Bができたら「踏み切り板を何回も何回もいっしょにやる」(P120)
 D 自分で馬になり、跳ばせてやる。(「教師修行十年」より)
 E 跳び箱の上にまたがって子どもを自分の胸にとび込ませる。(「教師修行十年」より)

 ⑤のことができない児童に対する指導

日常の指導及び準備運動での指導
 A 跳び箱に慣れさせる。(登らせたり、飛び下りたりいろいろな方法で慣れさせる。)
 
 ※ 飛び下りることができない児童には
 腕を持って飛び下りさせたり、手を握って、飛び下りさせたり、
 小指だけもって飛び下りさせたりして恐怖心をなくしていく。(P204)

跳び箱指導の場面で

 跳び箱の上に座らせる。手の平を跳び箱につけさせる。足の外側でよい。
「先生の手の上に立ってごらん。」(P180)と指示する。
教師の手は児童のぶらぶらしている足の下にそえる。
そうすると児童の体重は教師の手のひらに半分、
自分の両手に半分かかることになる。


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