TOSSランド

コンテンツ登録数
(2019/05/26 現在)

21635
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 2663876 更新:2012年12月16日

【研究授業のやり方】 人間の美しい心に触れる(Make a wish)


   第4学年1組 総合的な学習指導案

                                              長崎市立小江原小学校
                                              平成12年6月14日(水)2校時
                                              指導者:伴 一孝

1.題材名   「Make A Wish(亜生ちゃんとガラパゴス)」

2.授業の意図

 「総合的な学習」の源流は,英国にある。英国がサッチャー政権時代に行った教育改革の一つである「クロス・カリキュラム」がそれである。十数年前に,サッチャーが行ったこの改革は,実は結果として現在の英国の子どもたちに,大きな問題を遺してしまっている。「クロス」つまり「教科内容を交差させる」という方向に授業者のエネルギーが傾き過ぎて,「教科内容(内容知)」よりも「学習方法(方法知)」が重視されたのである。つまり「何を学習したのか」よりも「どのように学習したのか」が問題とされたのである。このことは,聞こえは良いのだが,言葉を逆にしてみると,重要な問題が見えてくる。英国では「どのように学習したのかが問題であって,何を学習したのかは問題ではない」という事態が生じたのである。この考え方でカリキュラムを編成していくと,子どもが何か活動していればよい,何か調べていればよいという「学習形態」のみが評価され,子どもにどんな力がついたのか,子どもが何を学んだのかは,自然と評価されなくなる。これでは当然,子どもに力はつかない。したがって,現在の英国で,この「クロス・カリキュラム」で育った“学力のついていない子どもたち”は「サッチャーの子どもたち」と呼ばれ,教育関係者の頭を悩ませている。現在のブレア政権下では,子どもたちに教育内容がどれだけ身についたのかを評価・評定するための「ナショナル・カリキュラム」及びそれに付随する「一斉テスト」が全国統一基準で実施され,「クロス・カリキュラム」が犯した“重大な過ち”の修正が急務となっている。我が国の「総合的な学習」も,英国の「クロス・カリキュラム」と同じ轍を踏むことが無いよう,「各学校」の責務である教育課程の編成において,この点に十分な目配りをしていかなければならない。「子どもの主体的な学習」「子どもの課題意識」等という一般的で“きれいな言葉”で授業をイメージするのではなく,「子どもが何を学ぶのか」を明確な論理に基づいて配列し,実際に「子どもが何を学んだのか」を具体的子どもの事実で評価・評定していかねばならない。
 「総合的な学習」における「内容知」は,指導要領に示されているとおり「国際理解・環境・情報・福祉健康」の四つのカテゴリーに含まれるものに他ならない。伴自身は,昨年までの研究授業において,既に「国際理解」及び「環境(エネルギー)」カテゴリーの扱いについては提案済みである。そこで,今回の授業では「福祉」を取り上げてみたい。「総合的な学習」において「福祉」が取り上げられているのは,社会的な要請から見て必然のことである。これは教育課程審議会の答申において他の三つのカテゴリー同様明記されている。決して単なる“例示”として挙げられていることではない。現在の我が国は,世界でも類を見ないほどのスピードで「少子高齢化」が進行しており。社会の構造が,かつて人類が経験したことのない様相に変化しつつある。これは,国際関係の安定(戦争がない)・高度経済成長(みんなが豊かである)・科学技術の進歩(栄養と医療による延命)等,個々に見れば全て“良いこと”のもたらした結果である。しかしながら,こういった未曾有の事態に対応する術を,私たちは学んできていない。「町づくり」一つとっても,決して老人や障害をもつ人たちに優しい配慮ができているとは言えない。これは,我が国の社会におけるあらゆる業種において,そうなのである。現在,目の前の子どもたちが,大人になってどのような仕事に就くにしても,こういった社会構造の変化への対応を避けて通ることはできない。社会全体でお年寄りや障害をもつ方々を支えてゆかなければならない。そしてそういった意識は,大人になってから「自然と高まる」ものではなく,幼い頃からの「学び」によって刷り込まれるものである。かつて,日本の社会(家庭)は,「躾」によってそのような刷り込み行う機能を有していた。しかし,現状は見るも哀れな様相である。社会的な要請は高まっているが,逆に家庭や地域社会の教育力は低下の一途を辿っている。残された唯一の望みが「学校教育」に他ならない。したがって,本来は「福祉科」あるいは「ライフ・スキル科」といった教科が新設されてしかるべきところを,今回の指導要領改訂では,暫定的措置として「総合的な学習」の中に“福祉”を位置づけているだけなのである。決して,「やってもやらなくてもよい」等と言っていられるようなレベルの問題ではない。“福祉”の教育は,私たちが「やってゆかねばならない」国家的な課題なのである。
 本学級の子どもたちに,「ボランティア」について尋ねてみた。「ボランティア」という言葉を知っている子は22名中11名,説明できると言う子が6名。「ボランティア」をやったことがあると言う子は7名,そのうち友だちや身内に対すものを除く,地域社会における「ボランティア」をやったことがある子は3名(近所のお年寄りの荷物を持ってあげた。親類が入院している病院を見舞った際に困っている人の手伝いをした)である。しかしながら,こういった話を終えた後,これから「ボランティア」をやってみたいと思う子は19名となった。つまり,子どもたちは「ボランティア」について極めて無知であるが,知識を得ればそれなりに“やってみたい”という意識をもつということである。
 そこで今回の授業では,「ボランティア」に込められた人々の美しい心を,あるエピソードを通じて紹介してみたい。難病に冒された子どもたちの夢をかなえようと支援を続ける「Make a wish Japan」という団体と,難病で亡くなったある少女に関するエピソードである。少女の夢が,多くの人の支援によってかなえられたという心温まるエピソードは,子どもたちの「ボランティア」に対する関心を高めてゆくに違いない。

3.指導計画<全1時間>

    第1時(本時)「ボランティア活動」に関心をもつ。

4.本時の目標

○ 難病におかされた子どもたちの力になろうとする人たちの「美しい心」について知り,「ボランティア活動」に関心をもつことができる。
○ 「ボランティア活動(Make a wish)」について本などで調べてみようとする。

5.本時の展開

学習活動1.ガラパゴスと亜生ちゃんについて知る

指導上の留意点1.
○ ガラパゴスの写真を提示し,どこか分かるかと問いかける。子どもは恐らく分からないであろう。日本の裏側にある島であることを,簡単に説明する。
○ 亜生ちゃんがゾウガメと写っている写真を提示し,亜生ちゃんの夢が「ゾウガメと会うこと」だったことを教える。
○ その夢をかなえるには,亜生ちゃんには足りないものがあったことを話す。
○ 亜生ちゃんに足りないものは何だったかを予想させ,ノートに書かせる。
○ 列指名で発表させた後,亜生ちゃんにたりないものは「時間」であったことを教える。
○ 「時間」が足りない理由は何だったと思うかを,ノートに書いて発表させる。
○ 健康な人には,夢や願いをかなえる時間があるが,亜生ちゃんにはそれがなかったこと,重い血液の病気であったことを伝える。

学習活動2.Make a wishの活動について知る。

指導上の留意点2.
○ 「夢をもつこと」「願いごとをする」ことを,英語で「Make a wish」と言うことを教える。
○ 亜生ちゃんのように夢や願い事をかなえる時間が足りない子どもたちにお手伝いをする活動がアメリカで始まったことを教える。
○ 時間があれば,「Make a wish」の活動をいくつか紹介する。

学習活動3.亜生ちゃんの夢が,「Make a wish」の活動によってかなったエピソードを知る。

指導上の留意点3.
○ 亜生ちゃんの夢を,「Make a wish Japan」の人たちが支え,かなえたこと,そして,そのことによって亜生ちゃんが生きる希望をもち,16歳まで生きたことを,絵本を元に語り聞かせる。

学習活動4.感想を書いて発表する。

指導上の留意点4.
○ 「大きくなったら,こんな子どもたちを救う活動に自分も少しだけ力を貸してみたいと思う人?」と問いかけ,ノートに感想を書かせる。 
○ 感想を発表させて終わる。
○ 絵本や「Make a wish」のホームページを紹介し,調べ学習等の意欲づけをして終わる。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド