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TOSSランドNo: 4149173 更新:2012年12月16日

討論させながら「討論」「討議」の意味の違いをはっきりさせる


toss長崎   福田一毅

1 第4回の課題

 第4回の研究課題は、スナイパーNO.218からである。
 ちなみにこの通信の日付は、1978年5月10日である。
 向山学級4代目、6年生になって1ヶ月が過ぎた頃である。
 この年の冬には「やまなし」が授業にかけられる。
 そして、あの評論文を書くのである。

【課題】 学級通信「スナイパー」No.218に、次の文章がある。

本日の国語の黒板  討論       会
          討議       会議
      ちがいは何か? [議]が問題だろう <以下略:伴>

 これはどのような授業だったのか。具体的に推定して論じよ。

2 「以下略」って?・・・板書を復元する

 <以下略:伴>が気になった。まず,「スナイパー」no.218の原文にあたる。
 なんと、以下略の部分が大きい。「実物資料集第14巻」では、4段にして書いてある。
 ところが、これは板書である。本来ならば横並びのはずであるが、どう読んでいけばよいのか。
 私なりに板書を復元する。
・・・・・・・・
 何のこっちゃ。
 再構成ができない。
 本当に全部板書なのか。
 これだけ全部書いたら、結構な量である。
 向山氏の講座にいって、よく聞くのは、「板書はほとんどしない」ということである。
 ?????? 
 第3回向山塾の際に、「板書の再構成をしている」という話をちらっとサークルの諸先生方にした。
 「なかなかやりにくいんですよ。」
善能寺氏曰く
 「全部板書じゃないでしょう。通信用につけ加えた部分があるんじゃないですか。不自然だもん」
 そうだったのか。
 家に帰って、もう一度考えてみた。
 以下に示す。(略)
 

3 おきまりのコース・・・広辞苑でチェック

 次に広辞苑で「討議」「討論」「会議」「会」の4つの言葉をひいてみる。

 討議:ある事について意見をたたかわせること。
 討論:事理をたずねきわめて論ずること。互いに議論をたたかわすこと。

 これだけみると、明確な違いがわからない。
 私が認識しているのは、「討論」といった場合、意見を言い合うことであり、結論をみんなで考えるという過程をとらないが、「討議」の場合は、最終的に結論が必要となるということである。
 従って、国語の授業など自分の結論がでればそれでよいものは「討論」、代表委員会などでの話し合いは「討議」ということになる。

 会:①あうこと。集まること。
    「再会・会食」
   ②人々が集まってする行事。集まり。つどい。
    「会議・集会」
   ③人々が集まって作る団体組織。グループ。
    「俳句の-」「会長・同窓会」
   ④思い合わすこと。あてはめること。
    「会心・照会」
   ⑤であいのとき。めぐりあわせ。折。
    「風雲の-」「機会」
   ⑥勘定すること。
    「会計」
会議:①会合して評議すること。何かを決めるために集まって話し合うこと。その会合。
    以下略

 こうやってみてくると、意味の違いがはっきりでている。
 「会」は、単に集まったり会ったりすること、または、集まること自体であり、それに比べて、「会議」は、「決めるために」とか「評議する」などの目的が明確にあるということになる。
 サークルの飲み会は「会」、D研は「会議」ということになろうか。
 
 さらに「議」だけ引いてみる。「議が問題だろう」と書いているからである。

議:①相談すること。「-を経る」「議事・議論・会議」
  ②意見「異議・建議」
  ③意見を言うこと。「討議・抗議」
  ④(略ー福田)

となっていた。

4 授業のねらいは?

 授業をシュミレートする前に考えておかなければならないことがある。
 授業のねらいである。
 何のためにやった授業なのか。
 「スナイパー」自体は、「向山洋一は差別をしているか」シリーズが続いており、授業の情報はない。
 ただ、推測されることは、こういった言葉の授業が向山学級ではかなり行われているのではないかということである。
 第1回D研の課題「も」もそうであったし、「やまなし」の授業では「の」の検討がおこなわれている。
 では、先に示された「討論」「討議」「会議」「会」の4つのうち、どれがメインなのか。
 4つとも並列ということはないと考える。
 どれかがメインであり、あとは比較の対象のはずなのだ。
 向山実践でのキーワードになるのは、「討論」である。
 そこで、ここでは、「討論」がメインになる言葉だと考えることにする。
 板書から見れば、「会議」がメインということになりそうであるが、次時に続いたということと向山実践の鍵となる言葉から考えた結果である。

5 授業をシュミレートする

 以上のことをもとに、授業を考えてみる。
 二時間の授業だと考えているが、板書は一時間しかないので、二時間目は概略だけ推測する。

<第一時>

発問1:

「討論」という言葉があります。
「討議」という言葉があります。
この二つはどう違うのですか。

 考えにくい発問である。
 だが、4代目「やまなし」における「の」の検討の発問は、

発問2:

「の」はどういう意味ですか

 であった。
 はじめはここから入ってもよいのではないかと考える。
 きっと、子どもたちは戸惑うはずである。
 ただし簡単なこともある。
 これは、出るだろう。
 (子ども)「論と議が違います。」
 それ以上は出ない。

発問3:

じゃあもう少し簡単な言葉から始めましょう。
「会」という言葉がありますね。「会議」という言葉もあります。
違いは何ですか。

 (子ども)「『議』がついているか、いないか。」
 時間はおかない。
 すぐに、次の指示にうつる。

指示1:

「議」がつく言葉をノートに書いていきなさい。時間は1分です。

 そして発表させる。
 ここで出たのが、板書シュミレーションの五つの言葉である。

指示2:

「会」がつく言葉をノートに書いていきなさい。時間は1分です。

 同じ時間でも、こちらのほうが書きやすい。
 会という言葉のほうが生活において多く使われるし、一回目より、二回目のほうが作業になれているということもあるからである。
 発表させて出てきた言葉が、板書シュミレーションの八個の言葉である。

発問4:

いろいろ出ましたが、これらの八つの言葉に共通していることは何ですか。

 (美香)集まること
 (作家)何かすること
 子どもたちは国語辞典などを自由に引く。
 (子ども)作家さんと美香さんを合わせて「何かをするために集まること」と思います。
 (子ども)辞書には、「何かをするために、人々が寄り集まること」と書いてあります。

指示3:

いいところに気づいたね。でも、「会」だけでももっと意味があります。
家で、調べていらっしゃい。

<第二時>

指示4:

調べたことを発表しなさい。

 広辞苑などで調べてきていることを発表する。
 が、当然、学級通信で書いているのだから、「議」の意味、「議」がつく言葉で共通していることなどについても考えてきているはずである。
 前時では、議がつく言葉で共通していることについては尋ねていないはずだ。
 なぜなら、議の部分では、「共通していることは?」というように、「?」がついているからである。「会」の方にはついていない。
 
 共通していることは、「話し合う」ということになるのか。
 きっとここで、指名無し討論が行われたのであろう。
 自然とそうなっていくのではないか。
 向山先生が出るのは、

「議」についてはどうですか。

 などの交通整理だけであろう。
 ただし、形態は討論であっても、最終的には結論づけられると思う。
 意味がはっきりしているからである。
 そして最後にしめる。

説明1:

今日やってきたようなことを「討議」といいます。最終的に決着がつくのです。
授業で行うのは、そうではないことが多いですね。それが「討論」です。
今日やったことと違うのは、最後に結論づけるかつけないかでです。

 ここまで書いてきて、この授業の意図がはっきりした。

実際に討論させながら、「討論」と「討議」の意味の違いをはっきりさせた

のである。自然な流れで、実感させながら、理解させたのである。


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