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TOSSランドNo: 6649333 更新:2012年12月16日

向山先生教師10年目5年生担任時の日記(1/22)を検討する。


TOSS長崎  福田一毅

第一回向山洋一DEEP研究会の課題は次のとおりである。

(学級通信スナイパーNo.39)
 国語 A りんごはあって、みかんはない
    B りんごはあっても、みかんはない
 ABのちがいの授業。「も」について調べてみる。ノート4ページになる。広辞苑がやはりいい。

 この部分を深く研究するのが今回の趣旨であるから、できるだけ深読みをしてみたい。
 わずか四行の部分である。
 分解すると次のことはすぐにわかる。

① AB二つの文の違いを授業された。
② 授業にかけるために「も」という助詞について   調べられた。
③ 広辞苑を使われた。
④ 「も」だけで、ノートに4ページ分の教材研究   になった。
 

 表面上はこれだけである。
 深読みする。
 「広辞苑がやはりいい。」という文がある。
 ここで使われている「いい」は、何かと比べてのことであろう。きっと何冊もの辞書をあたられて、その上での「いい」なのである。
 これが何冊であったのかはわからない。
 向山先生のことであるから、10や20の辞書はあたられているのであろう。 
 そこで私も、広辞苑第四版(岩波書店)で「も」を調べてみた。
 「も」一文字であるが、大きく分けて3つ、小さく分けて13の意味があるようだ。

「も」(広辞苑第4版より)
1 終助詞
    用言の終止形あるいは係りに対する結びの形、およびク語法について、不確実
  ではあるが何かを固定し包括する感情を表す。
2 係助詞
 ① どれか一つに限定せず同種の物事を列挙するのに用いる。
 ② ある事態がそれに及ぶことを示す。もまた。
 ③ 願望表現と呼応して用いて、感情の高まりの中心を示す。
 ④ 譲歩しながら肯定する意から「・・・さえ」「・・・でも」のような意をあら
  わす。
 ⑤ 譲歩または許容する意、あるいは条件をあらわす。
 ⑥ 係助詞「こそ」あるいは「ぞ」が接続して「もこそ」「もぞ」のかたちで危惧の感情を表すことがある。
 ⑦ 用言の連用形、副詞などについて詠嘆を表す。
 ⑧ 用言の連用形、副詞などに付き打消表現と呼応して、意味を強めるのに用いる。
 ⑨ 意味を強めたり和らげたりする。
 ⑩ 不定称の語について、その全部を総括した意味を表す。
3 接続助詞
 ① 動詞または動詞的活用の助動詞の連体形に接続して譲歩の気持ちから進んで逆接を表す。
 ② 現代の文語的用法として「とも」「ども」に通用して用いる。

 おそらく向山先生もこのことをノートに写されたであろう。
 さらに用法の具体例をかかれたはずである。広辞苑に載っていたのはほとんどが古典からの用法であり、小学生がわかる範囲の具体例ではない。具体例を、作っていけば、ノート4ページほどになるはずである。
 小学生向けの用法を作ってみる。
 1 できない
 2 ① りんごもみかんもある。
   ② りんごもあります。
   ③ りんごも食べられない。
   ④ りんごも食べられない。
   ⑤ お願いしても食べられない。
   ⑥ ?
   ⑦ ?
   ⑧ ちっともうまくない
   ⑨ たべもするまい。
   ⑩ 何も言わないりんご
 3 ① ?
   ② 例会には出なくても、飲み会には出席せよ
 
 ?の部分は、私の語学力ではわからない。
 口語に直してみると、子どもたちはおろか、大人でも違いがわからなくなってしまう。 本当に上記の例が妥当であるかは、みなさんで検討していただきたい。
 ここでBの「も」について考えてみる。
 「りんごはあっても」というのであるから、条件を表している。
 しかし、これは接続助詞である。
 「国語教育研究大辞典」(国語教育研究所編・明治図書)には次のように書かれている。

助詞
  (略)
  内容
   ・・・・・・
   接続助詞はそれがついた文相当の語句の、文全体の残りの部分に対する関係(理由・仮定条件)を示す働きがある。

 ここまではわかったが、上記3の①②どちらのことなのかわからない。
 とにかく接続助詞にまちがいはない。
 
 原文に戻る。
 二つの文の状況を考える。

A りんごはあって、みかんはない。

 話者は、りんごにもみかんにもさほど興味がないか、どちらも必要だったのである。
 りんごもみかんも同レベルなのである。
 りんごがある。みかんがない。という状況を一つの文につないで表現したにすぎない。
 ではBはどうだろうか。

B りんごはあっても、みかんはない。

 話者は、みかんがほしかったのである。もしくは食べないにしろ、何らかの形でみかんが必要だったのである。
 りんごではだめなのである。
 だから、みかんが後に書いてあり、それと比べての条件が先に書いているのである。
 みかんのことが強調された表現になっているのがBの文なのである。
 二つを比べてみると、「も」という言葉一つで、文のニュアンス、話者の考えていることが大きく違ってくると言うことがわかる。
 
 さて、この教材の授業が行われたのは確かである。
 「スナイパー」に書いてあるだから。
 どのような授業だったのだろうか。
 何のためにこの時期にしくんだ授業なのだろうか。
 自分の授業を考えてみる。
 向山先生はどうしただろうかということも考えないといけないのであろうが、最初は自分で仕組んでみる。
 高学年であれば次の3つであろう。

発問1 AB二つの文はどう違いますか。
発問2 「も」はどういう意味ですか。
説明  「も」の意味について
発問3 同じ意味合いの「も」を使って、例文を作りなさい。

 低学年だったらどうするか。
 上記の発問2は難しすぎる。

発問1 ABの文はどう違いますか。
発問2 「も」を使って文を作りましょう。

 この2つになるだろうか。
 頭の中でシュミレーションする限りでは、発問2ではいろいろな意味合いの「も」が出てきそうな気がする。
 これではどうだろうか。

発問1 ABの文はどう違いますか。
発問2 「も」を使って文を作りましょう。
発問3 Bと同じ使い方の「も」はどれですか。
説明  「も」のいみについて

 たぶんこうするのではないだろうか。
 
 では、向山先生はどのような発問をされたのであろうか。
 推測する。
 きっと1つだけである。

指示 「も」について調べてきたことを発表してください。
発問 この「も」は、どの意味ですか。
 ・・・・・・・・・・・・・
     これで自由に発表させる。
     その後、向山先生が簡単に説明される。
     最後に例文を書く。

 どうだろうか。


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