TOSSランド

コンテンツ登録数
(2019/09/17 現在)

21653
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 1143090 更新:2012年12月15日

立ち上がる民衆 ~水平社運動~


立ち上がる民衆~水平社運動~

茂木町立須藤小学校 松崎 力

「立ち上がる民衆」の題材の中で,水平社運動について学習する同和教育である。 

発問1:

 江戸時代の身分制度の復習をします。
 武士の「士」,農民の「農」,職人の「工」,商人の「商」を並べます。
 次の並べ方で正しいですか。

次の並べ方を次々と示し,正しいものを確認させる。

(1)工         (2)農     (3)士
    商          工        農
  農   士        商        工
                士        商

(1)は,全くのでたらめである。子どもたちも不思議な顔できょとんとしている。
 (2)は,並びは正しそうなのだが,よく見ると違っている。多くの子が気づいて「違う」と言い出す。
 次に(3)を示すと,ほとんど子が「これが正しい」と言い出す。特に社会を得意とする子に多い。
 実は違うのである。
 ささやかな逆転現象である。
 「あれ,そうだったかな?」と言いながら,次の並び方を示す。

(4)
     士

   農 工 商 

説明1:

「士」と「農,工,商」これが正しい江戸時代の身分制度でしたね。

「あ、そうか。」などと納得した声があがる。

説明2:

でも,本当はこれだけではないね。この下に「村人や町民とは別に身分上厳しく差別されてきた人々」(以下「厳しく差別されてきた人々」)がいたね。

発問2:

 「厳しく差別されてきた人々」は,次のような差別を受けました。
 あなたは,許せますか。
 一つ一つ読みますので,許せるという人 はノートに○を,許せないという人は×を書きなさい。

(1)着物は,血の色と言われた茶色の渋染めか,死んだ人の色と言われた紺色だけを着なさい。
(2)離れたところへ行くときは,裸足で行きなさい。
(3)でも,雨が降ったら下駄をはいてもよい。でも,人に会ったら裸足になってあいさつをしなさい。
(4)雨の日でも,傘をさしてはいけません。

この発問は,低い声でゆっくり話すと雰囲気が出る。
 「まだかけない人は?」と聞くことで,必ず全員が書くようにする。
 これは,野口芳宏氏の主張する,書くことによって「他人の考えに左右されない,自分の判断の持てる子」を育てるためである。(「授業で鍛える」P104 明治図書)
 机間巡視をして,全部に×をつけている子をチェックしておき,その子へ感想を求める。

発問3:

こんな差別を受けたら,あなたは耐えられますか。

必ずノートに書かせる。
 子どもたちは「耐えられない」「許せない」「こんな差別は嫌だ」という感想を述べた。

説明3:

このような状況にあった人たちが,1871年「解放令」によってついに「四民平等」となりました。

解放令を明るい声で読む。

解放令
 さらに低い身分が廃止されたので,これからは,身分・職業とも平民と同じようにすること

説明4:

これで誰もが平等になりました。
 よかったね。
 解放令が出されたときに「厳しく差別されてきた人々」の様子を表した文があります。

下記の文を配布し,教師が範読する。

喜びで迎えられた「解放令」
 ある村の庄屋,坂本清五郎さんのところへ,「村役場へ来い」という手紙が来ました。
 急いで,当時村役場になっていたお城へ向かうと,いつもは絶対に通らせてくれない大門を通ってもよいことになっていました。
 「みょうなこともあるもんだ。」と首を傾げながら,その門をくぐりました。
 そして,土間にひいたむしろの上にひざまずいて頭を下げていると,
 「これからは,身分も職業も,平民と同じである。」という解放令を読み上げる役人の声が聞こえてきました。
 清五郎さんは,思わずそこにはいつくばい,「ありがとうございます。ありがとうございます。」と涙声で叫びました。
 清五郎さんは帰り道を急ぎましたが,夢の中を走っているような感じがしました。
 家に帰り着くと清五郎さんは村の人を集めて,「解放令」のことを伝えました。
 みんな,「わあ」っと声を上げて泣き,抱き合って喜びました。        
  (「県直接的指導資料集」 栃木県 一部改作)

発問4:

この話を聞いて,どんな感じが伝わってきますか。

これも,必ずノートに書かせる。
 机間巡視をして,意図的に喜びを表す言葉を書いている子を指名する。
 「よかった。」「嬉しそう。」という喜びの言葉が多くでてきた。

発問5:

この解放令が出て「厳しく差別されてきた人々」の生活はどうなったと予想しますか。
 とてもよくなったという人は○,今までとあまり変わらなかったという人は△,今までよりもひどくなったという人は×を書きなさい。

必ず全員が書いたことを確認する。
 △が一番多く,ついで○,×はわずかであった。
 多くの子は,前よりも悪くなるとは予想していなかった。

説明5:

 本当のところは,こうだったのです。
 ある時,お米の値段が急激に上がったときの様子を読みます。

米の値段が上がったときの,町の様子の報告書
 ・・・近頃,米の値段が上がり,町の人の中には,お金がなくて,米が買えず,困っていますね。
 でも,飢え死にしそうな人は見あたらないので,よかったですね。
 まあ「厳しく差別されてきた人々」の中には,飢え死にしそうな人もいますが,少しの人数だから,気にすることはありません。・・・
 (「県直接的指導資料集」 栃木県 )

説明6:

どうですか。ひどいですね。
 今までは,人のしない大変な仕事をしていたので,税金を払わなくてもよかったのです。
 それが,みんなと同じになったので,税金も払うようになったのです。
 差別は今までと同じで,くらしはきつくなったのです。
 ですから,正解は×です。

子どもたちから「ひどい。」というつぶやきがあった。それをとらえて,

発問6:

今まで「厳しく差別されてきた人たち」は,いったいどんな思いだったことだろう。
 彼ら,彼女たちの気持ちを書きなさい。

これも必ずノートに書かせる。
 「まだ書けない人?」と追い込んで,全員に書かせる。
 子どもたちは,「がっかりした。」「怒っただろう。」ということを書いた。
 なるべく多くの子に発言させたいが,時間に余裕がない場合は,いくつかの意見を出させた後,同じ意見に手を挙げさせる。

説明7:

その通りだね。
 みんなが言う通り怒りを持った人たちがいました。
 もう人に頼らず,自分たちで差別をなくそうと立ち上がったのです。
 その運動が,水平社運動です。 

指示1:

水平社運動について調べます。
 教科書と資料集のどこに書いてありますか。探しなさい。

様々な資料の中のどこに,調べたいことはあるのかを,自分の力で見つけだすことこそが,資料活用の能力である。
 簡単に「何ページを開いて」などと指示を出さないで,いつでも「どこに書いてあるか」と問い,自分の力で見つけだす能力を高めたい。

指示2:

「演説をする山田少年」の資料を読みなさい。
 そして,この大会で何が決まったのか,わかる部分に線を引きなさい。

Image5

発問7:

この時の旗があります。
 これを見て,気がつくことを書きなさい。

とげがある。
 赤と黒でできていて,シンプルな色。

参考
 この旗は,黒いビニールと赤い色が用紙でつくってある。
 とげはいばらを表している。
 とげの生えた二つの輪を,重ね合わせるだけで作成できる。

発問8:

このとげは,何を表しているでしょう。

今までのいろいろな差別。
 つらかったこと。

発問9:

赤い色は,何を表しているでしょう。

血の色だと思う。

発問10:

水平社運動の「水平」とは,どんな意味を持っていますか。

みんなが平等の意味だと思う。
 差別のない社会をつくろうという意味だと思う。

発問11:

今日の学習を通して,感じたことをノートにまとめなさい。

 ・自分の力で差別のない社会をつくろうと立ち上がったのは,すごいことだ。
 ・人のことを差別するのはよくない。僕は差別をしないようにしたい。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド