指示1:
追い読みをします。先生のあとについて読みなさい。
指示2:
交替読みをします。「わたしたちは」から、さんはい。
交替読みの時は、生徒を先に読ませると指示の言葉が減る。
教師が先の場合は「先生が先、みんなが後」という指示が必要だが、生徒が先に読めば、次に教師が読むだけでやり方が分かる。
短い文章なので、くり返し何度も読ませる。
指示3:
形式段落に番号をつけます。
「わたしたちは」・・・1段落。
「では」・・・2段落。
あと、ずーっとつけていきなさい。
発問1:
全部で何段落ですか?(9段落)
指示4:
意味の分からない言葉をノートに書いていきなさい。
全部書いたら、国語辞典で意味を調べます。
調べた意味をノートに書くかどうかは自分で判断しなさい。
指示5:
1段落~3段落を音読します。
立って1回、座って1回、読みなさい。
発問2:
今、読んだ中で、問いの文を探して線を引きなさい。
「では、ダイコンはどの器官を食べているのでしょうか。」
発問3:
それに対する答えが書かれている文を探して線を引きなさい。
「つまり、ダイコンの場合、上の部分と下の部分とで違う器官を食べているのです。」
発問4:
上の部分は何という器官を食べているのですか。(胚軸)
発問5:
下の部分は何という器官を食べているのですか。(主根)
説明1:
つまり、このようにまとめることができます。
〈問い〉
ダイコンはどの器官を食べているのか。
│
↓
〈答え〉
上の部分は胚軸、下の部分は主根を食べている。
2つめの問いの文は4段落に書かれている。
(4段落)
器官が違うことで、じつは味も違ってきます。なぜ違ってくるのでしょう。
しかし、4段落はこのままでは扱いにくい。
本来なら、「器官が違うことで、じつは味も違ってきます。」の後に、「どのように違うのか」という内容が書かれるべきなのだが、そうなっていないからである。
「どのように違うのか」という内容は5段落と6段落に書かれている。
したがって、問いの文を扱う前に、4段落を分かりやすい形にリライトする必要がある。
発問6:
この文章には、もう一つ、問いの文があります。何段落にありますか。(4段落)
指示6:
問いの文を読みます。
「なぜ違ってくるのでしょう。」
発問7:
何が違ってくるのですか。(味)
発問8:
味がどのように違うのですか。(胚軸は水分が多くて甘い。主根は辛い。)
指示7:
そのことが書かれている部分に線を引きなさい。(5段落と6段落にそれぞれ書かれている)
指示8:
本当ならば、「器官が違うことで、じつは味も違ってきます。」の後に、「どのように味が違うのか」ということが書かれていなければいけませんが、この文章はそうなっていません。
そこで、教科書に次のように書き加えます。
(4段落)
器官が違うことで、じつは味も違ってきます。胚軸は水分が多くて甘く、主根は辛いのです。なぜ違ってくるのでしょう。
挿入した文を教科書に書き込ませる。
指示9:
問いの文に線を引きなさい。
「なぜ違ってくるのでしょう。」
発問9:
それに対する答えは2つ書かれています。
1つめの答えに線を引きなさい。
「胚軸は~役割をしているからです。」
発問10:
もう1つの答えに線を引いたら見せに来なさい。
「そこで、虫の害から身を守るため、辛味成分を蓄えているのです。」が正解。
間違っていたら「残念!」「惜しい!」などと言いながら×をつける。
何度か挑戦するうちに、生徒は自力で正解にたどり着く。
説明2:
問いと答えの対応を、前回と同じようにまとめます。
指示10:
ノートに問いの文を書きなさい。4段落をまとめて1文で書きます。
〈問い〉
なぜ器官が違うと味が違ってくるのか。
発問11:
それに対する答えを書きなさい。黒板を参考に書きます。
〈問い〉
なぜ器官が違うと味が違ってくるのか。
│
↓
〈答え〉
・胚軸の味 = ( ) ←―― ( )役割をしているから。
・主根の味 = ( ) ←―― ( )から。
書けたら発表させる。
〈問い〉
なぜ器官が違うと味が違ってくるのか。
│
↓
〈答え〉
・胚軸の味 = ( 水分が多くて甘い ) ←―― ( 水分や糖分を送る )役割をしているから。
・主根の味 = ( 辛い ) ←―― ( 辛味成分を蓄えている )から。
ここからは時間に余裕があれば教えておきたい内容。
論理的思考に不可欠な「具体←→抽象」の概念を教える。
指示11:
1段落を読みます。立って1回、座って1回。
発問12:
この段落で言っていることを一言で言うと、どうなりますか。次のようにノートに書きなさい。
わたしたちは( )の( )を食べている。
「野菜」と「器官」である。
発問13:
野菜の具体例は何ですか。(キャベツやレタス、トマトやナス)
発問14:
器官の具体例は何ですか。(葉、実)
発問15:
それらが具体例だというのは、どの言葉から分かりますか。(例えば)
わたしたちは( 野菜 )の( 器官 )を食べている。
↓ 「例えば」 ↓
〈具体例〉 キャベツ 葉
レタス
トマト 実
ナス
説明3:
「キャベツやレタス」は、「野菜」に対する〈具体例〉です。
逆に、「野菜」は、「キャベツやレタス」に対して〈まとめる言葉〉です。〈まとめる言葉〉を〈抽象語〉とも言います。
発問16:
〈抽象語〉から〈具体例〉を出す時は、「例えば」を使います。
では、〈具体例〉をまとめて〈抽象語〉で言う時は、どんな言葉を使いますか。
「つまり」「要するに」
説明4:
これを言い換えの公式と言います。
〈まとめる言葉(抽象語)〉
↓ 例えば ↑ つまり
〈 具 体 例 〉
説明5:
説明文で、筆者が最も言いたいこと(主張)は、〈まとめる言葉〉(抽象語)で書かれていることがほとんどです。
「つまり」や「要するに」などの言葉で〈具体例〉をまとめている言葉を探すのが、説明文の上手な読み方です。
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