TOSSランド

コンテンツ登録数
(2017/06/23 現在)

21421
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 2033287 更新:2017年01月28日

「雲」(山村暮鳥)実践記録


雲 

 山村暮鳥

おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうじゃないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平の方までゆくんか

指示1:

分析しなさい。

・岩城平とは、どこか。(福島県平市周辺の地名であることを教えた。)
・雲に話しかけている。
・雲を友達のように思っている。
・雲が動いている。
・雲がゆったり動いている。
・風は強くない。
・小さい雲のように感じる。
・なぜ、話しかけているのだろう。
・なぜ、岩城平なのか。
・作者は、岩城平に思い出があるのか。
・岩城平に、作者の知り合いがいるのか。

発問1:

作者は、プラスの心情でいましたか。マイナスの心情でいましたか。

プラス(前向き)な心情・・・9名
マイナス(後ろ向き)な心情・・・23名

討論を行った。

次のような意見が出た。

【プラスの心情派】

 ・自分のふるさとを思い出している。
 ・思い出に浸っている。
 ・自分の思い出があるふるさとに雲が行ってほしい。
 ・「ゆうゆうと」→ゆっくりと穏やかな心情。
 ・「おうい」→いいことがあって、上機嫌。
 ・広々とした気持ち。
 ・語りかけている。
 ・「馬鹿にのんきさうぢやないか」→ふざけている感じがする。

【マイナスの心情派】

 ・雲は自由でいいなという気持ち。
 ・自分も岩城平まで行きたい。
 ・自分は忙しいのに、雲はのんびりしている。
 ・のんきな雲がうらやましい。
 ・思い出の地である岩城平に行きたいけれど、行けない。
 ・自分のふるさとに帰れない状況にある。
 ・作者の友達がどこかへ行ってしまった。
 ・雲が離れていくのが、悲しい。
 ・自分のいらだちを詩にぶつけている。
 ・作者は、最近、引っ越してしまったのではないか。
  だから、ふるさとをなつかしんでいる。

両者、共通して出たのが、「岩城平」という地名を出しているのは、作者にとって大事な場所
(ふるさと、思い出がある、友達がいる場所など)
だという意見である。

一通り、意見が出尽くした後。

「実は、この詩には、前の部分と続きの部分があります。」

「読んでみたい?」

じらしてから、紹介した。

山村暮鳥の詩集『雲』。
冒頭部分に、雲についての詩が三つ連続掲載されている。

教科書に掲載されているのは、真ん中の部分だけである。


 
丘の上で
としよりと
こどもと
うっとりと雲を
ながめている

 
同じく
 
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうじゃないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平の方までゆくんか
  
 
ある時
 
雲もまた自分のようだ
自分のように
すっかり途方にくれているのだ
あまりにあまりにひろすぎる
涯のない蒼空なので
おうい老子よ
こんなときだ
にこにことして
ひょっこりとでてきませんか

話者や登場人物の態度が矛盾していることを「アイロニー」ということを教えた。

(アイロニーについては、浜上薫著『「分析批評」入門「10」のものさし』を参照。)

山村暮鳥は、当時、詩人としては評価されず、生活は貧しかったことを最後に付け加えた。

(日記の代わりに、詩の分析・解釈をまとめた作文を書かせた。)


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド