TOSSランド

コンテンツ登録数
(2017/11/19 現在)

21450
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 7408542 更新:2014年01月13日

道徳授業の三条件


一 教えるべき内容を明確にする

 道徳授業で何よりも大切なことは、教えるべき内容を明確にしておくことだ。
 TOSS道徳には、教えるべき規範がある。
 いろいろな所で何度も紹介している。
 ご存知の方が多いと思うが、大切なことなので何度でも紹介する。

 一 相手のことを心から考えよう
 二 弱いものをかばおう
 三 世のため人のためになることをしよう
 四 まず自分にできることをしよう
 五 先人に学ぼう

 これをTOSS道徳の核「生き方の五原則」という。
 向山洋一先生(教育技術法則化運動代表)が、
何百何千冊にわたる書物と自らの教師修業の中から絞り出した生き方のエキスである。
 TOSS道徳は、この五原則を道徳授業、学級経営、生活指導を通して子どもの心にしみこませたいと考えている。

二 力のある資料

次に大切なのが、資料である。「生き方の五原則」を体現した人物のエピソードが必要である。
しかも、子どもの心を揺り動かすような資料でなければならない。
読むだけで、大切な生き方が納得できるような資料を探すのである。
しかし、現在の公立小中学校で使用されている道徳の副読本には、残念ながら力のある資料がほとんどない。
なければ、自分で作る。創作するのではない。誤解しないでいただきたい。
子どもたちが読みやすいように余計な部分を削ぎ落してシンプルに要約加工するのである。
これを私達は「力のある資料」と呼んでいる。
力のある資料さえ手に入れば、道徳授業は八〇パーセント成功したようなものだ。
極言すれば、読み聞かせるだけでもねらいは達成される。
例えば、自分の衣顧みず多くのユダヤ人を救った「杉原千畝」さん。
点字開発に生涯をかけたフランス人ルイ・ブライユ…。どれも圧倒的迫力で読み手に迫ってくる。
フィクション資料にはない力である。
※杉原千畝、ルイ・ブライユに関する自作資料は、次の書籍に全文紹介されている。ぜひご一読いただきたい。
 杉原千畝「それでも私は助ける」…「学校の失敗」向山洋一著(扶桑社)
 ルイ・ブライユ「心の自由をくれた点字」…「熱中する授業の原理原則はこれだ!」(明治図書)
 TOSS道徳はこのような人物を発掘し、子ども向け「力のある資料」教材化を進めている。

三 力のある授業

 道徳授業は、生き方を教える時間である。
 事実と称した資料で子どもたちをビックリさせる時間ではない。
 まして、大人でさえ判断に迷うような社会現象を取り上げ、いたずらに討論させることでもない。
 道徳の時間に意見がたくさん出て盛り上がればよい、楽しければそれでよいという方々とは根本的な思想が違う。
「力のある道徳授業」には、教えるべき規範が、人間として生きる道筋がきちんとなければいけないのだ。
 私達は、それを「力のある授業」と呼んでいる。
 大切な生き方を力のある資料を通してより確かに伝え、
子どもの心により長く留めておくようにするための時間が道徳授業なのである。
 「力のある授業」の原則は、「力のある資料」を使うことである。それさえあれば、大切な生き方は子どもたちの心に流れ込む。
 「力のある資料」を伴わない道徳授業は、お説教・押し付けの時間でしかない。
 また、生き方を教えるということは、子どもたちが知識として持っている、
あるいは教師が示した大切な生き方を行動に結び付けてやることである。
 これまで、全国で主流を占めていた道徳授業は、この部分が圧倒的に弱かった。
 「わかっちゃいるけど、できない」状態を良しとする授業レベルにとどまっていた。
 現在の子どもの様子を見れば、このような授業がいかに無力であるかがわかるであろう。
 現状のままではダメだ。
 登場人物の気持ちを想像させ、「どうしますか」なんて授業ではダメなのである。
 授業を境に子どもが変わる道徳をしなければならない。

 例えば、私は、「弱い者いじめをしない」という生き方の原則を教えるために次のような授業を実施した。

 ①ライオンとバッファローの弱肉強食を撮影したビデオを見る。(三分)
 ②いじめ体験談(数編)を読む。(学級の子どもたちが綴った実話である)
 ③いじめが被害者の身体に与える影響を伝える。【いじめが大脳の旧皮質(生命を司る)の機能を低下させることを図で教える】
 ④いじめの新聞記事切り抜きを配り読む。【◆いじめる高校生退学、小中学生は転校(中国新聞一九九六年八月二二日)◆暴行認定し賠償命じる(朝日新聞一九九六年十○月二六日)】
 ⑤仲間を守ることを知る。(いじめが原因で不登校になり、それでも保健室登校にまで立ち直った子が、友達の支えと助けのおかげで普通の学級生活が送れるようになるまでの様子と気持ちを綴った作文である。
もちろん実話である。
読むだけで「弱いものをかばうこと」「力を合わせればいじめだって解決できること」が伝わってくる)

 授業後の子どもの作文を紹介する。

○「いじめられたら、もういじめをやられるばかりだ」と思っていたけど、作文を聞いて「助けあったら、いじめはなくなる」ということがわかった。友達と助け合うことを大切にしたいです。
 動物と人間の「弱肉強食」は同じ言葉だけど、ぜんぜん意味がちがっていた。
 ○今日、ビデオや作文を読んでもらいました。人のいじめと動物の弱肉強食とはぜんぜんちがう。
 動物は仲間と助け合って生きている。でも、人間は、助けてくれる人もいればいじめる人もいる。
 助けてくれる人がいればいじめはなくなるということがわかった。みんな、助け合って生きていくほうがいいと思った。
 ○今日、いじめは絶対にいけないと教えてもらった。さいばん所に行って、お父さんが自殺するなんて、絶対に嫌だからです。
 いじめられた人は心が傷つくし、もしいじめられた人がいたら、絶対に助けたいと思う。
 ぼくは、もっと勇気がある子どもになりたいです。

 この授業を新年度に入ってすぐやった。
 この学級は前年度、手がつけられないほど荒れていた。崩壊していた。
 もちろん、いじめが日常化しはびこっていた。
 しかし、この授業後、深刻ないじめは一件も起きていない。
 子どもたちは、ささいないじめにも敏感になり、みんなで解決しようとするようになった。
 この授業を境に、子どもたちは確実に変わったのである。

四 「力のある資料」「力のある授業」を創り出す努力を!

 私達は、このような子どもが変わる道徳の授業を開発していきたいと思っている。
 「力のある資料」「力のある授業」で子どもたちに生き方を教える道徳授業を数多く集めたい。
 すでに、全国の先生方からたくさんの実践例が寄せられている。
 本書では、全国のTOSS道徳会員の先生方から「力のある資料」を用いた「力のある授業」をご紹介いただいた。
 どれも、子どもが変わったことが検証済みの授業ばかりである。
 是非とも授業にかけていただき、その効果を実感していただきたい。
 そして、本書を参考にして「力のある資料」「力のある授業」をご自分の手で創り出していただきたい。
 本書をお読みになり、子どもがかわった道徳授業があるという方、是非とも実践を私どもにお送りいただきたい。
 また、追試をしての修正・反論・批判・代案をお持ちの方、ご意見を是非お寄せいただきたい。
 第二弾第三弾「力のある道徳授業」集として発信していきたい。
 より多くの方の知恵を結集して、よりよい「力のある授業」を全国の志高き心ある先生のもとに届けたい。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド