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TOSSランドNo: 2040402 更新:2014年01月01日

発達障害児の学習評価 不利になる評価方法を見直す


友人から、次のように相談された。

息子は「授業では積極的に手をあげて発表している」と言っている。
それなのに、『意欲・関心・態度』の評価がCなのが納得できない。

彼の息子はADHDの診断を受けた。他動だが、授業には意欲的で、グループ学習ではリーダーとして活躍しているという。
友人は、すぐに学校に電話を入れた。学校からの返事は、次の通りだった。

学習用具の忘れ物が多く、未提出の課題もある。
すべて教科担任がチェックしているので、それを見せてもいい。
すべて客観的な数値で評定している。

友人は「忘れ物が評価の対象になるのが理解できない」「未提出だったら、提出されるまで面倒を見るのが教師の仕事ではないのか?」と私に強く訴えた。
私は返す言葉がなかった。その通りだからだ。

 「意欲・関心・態度」の評価は難しい。
私自身、「こうした情緒面の評価に意味はない」と思っている。しかし、評価せざるを得ない以上、特別支援を必要とする生徒も含め、すべての生徒にとって不利にならない評価基準を作成したい。
しかし、教育現場は逆である。
忘れ物の数、ワークの提出回数などが評価の対象となっている現実がある。これらは、特別支援を必要とする生徒が最も苦手とするところだ。これらを評価の対象にする以上、友人のような不満がなくなることはない。
特別支援を必要とする生徒の多くは忘れ物が多い。
さらに、課題の提出期限が守れないことも多い。
こうしたことが想定される以上、教師側が《不利益を被らない評価基準》を作り出す必要がある。

1.忘れ物の数を評価の材料にしない

教師だったら、国語の授業に算数の教科書を持って教室に行った経験があるだろう。
忘れ物をしない人間はいない。教師だって忘れ物をするのだ。また、忘れ物をしたくて忘れ物をする人はいない。多少のうっかりミスを受け入れるのが教育である。
まずは、忘れ物の数を評価の材料にしないことを学校で申し合わせる必要がある。
忘れ物をして困っているのは生徒だ。生徒を救うシステムが必要だ。
学習用具を忘れた際、授業開始前に申し出るように指導している。
生徒が「貸してください」と頭を下げているのだから、「はい、どうぞ。次から気をつけてください」と言って、予備の教科書を貸し出せばいい。
私は職員室に教科書を3冊置いている。
授業プリントは多目に印刷している。その予備を渡している。
これは、生徒の学習権を保障するためのシステムである。
もちろん、忘れ物が続いた場合は別の指導が必要となる。

2.課題の提出期限は放課後までとする

中学生は忙しい。
部活動をやっている生徒は帰宅時刻が6時を過ぎる。それから塾や習い事に行く生徒もいる。教師が思っている以上に自由になる時間が少ない。だから、教師は安易に課題を出してはいけないのだ。
課題をやりたくても、「疲れてできなかった」という場合もあるだろう。複数の教科で課題が出て、社会の課題に手が回らない場合もあるだろう。そうしたことも考えて、システムを考える必要がある。
私の場合、課題の提出期限は授業時間ではなく、放課後までにしている。
特別支援を必要とする生徒の場合、課題が出ていること自体を忘れている場合が多い。
メモをさせても、メモをチェックすることを忘れる。(だから、特別支援が必要なのだが…)家でできなかったのなら、学校でやればいい。
「休み時間や昼休み、放課後にやっても構わない」と伝えている。生徒に「絶対に終わらせたい」という気持ちがあれば、私が帰宅する時刻(部活動があるので午後6時頃)までに終わらせるはずだ。
私の教科では、課題の提出率は常に100%となる。
だから、特別支援を必要とする生徒の評価が不利になることはない。
逆に、『意欲・関心・態度』の評価が限りなく「A評定」に近づいていく。

3.ワークの解答集を渡している

特別支援を必要とする生徒の学力を上げるためには、教師が意地悪をしてはならない。
生徒レベルで考えてみる。できない問題をやらされることほど、苦痛を感じることはない。社会では重要語句を覚えることが基礎学力のベースとなる。覚えていない用語は、いくら頭を振っても出てこない。考えても出てこないのだから、答えを写すしかない。
だから、「写すのも大切なお勉強です」「写してから覚えればいいのです」というフレーズが重要になってくる。

ワークの解答集を渡さないという中学教師が、意外と多い。
その理由は「解答をそのまま写していては、本人のためにならない」というものだ。しかし、困っているのは生徒だ。
答えを教科書の本文から見つけ出すことが難しい生徒の場合、5分で終わる学習も20分、30分とかかる。集中力が続くはずない。
だから、《分からない問題は解答集を見ながら赤鉛筆で答えを書き込み、次ぎに学習するときにそこを重点的に復習する》という学習方法を教えるのだ。分からない問題を空白にしておくよりも、ずっと効率的に学習できる。
教師がやることは解答集を渡さないことではない。解答集の使い方を教えることだ。

学習の評価を《優しさの思想》という観点で見直したい。
当然、システムを総点検する必要が出てくるはずだ。
     《誰のための評価か?》
生徒のための評価でなければならない。


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