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TOSSランドNo: 9990350 更新:2013年12月31日

秩序ある学級に育てるコツ・学級日記編 日記の返信を学級通信に綴って世論を共有する


日記の内容にも進化がある。
最初は「どんな食べ物が好きですか?」といった“質問系”が続く。自分を語るのではなく、教師の答えを求める内容である。面倒に思うのだが、ここを越えなければ、生徒は自分を語らない。ここに、日記指導の最大の壁がある。
中学2年生になると、“自分”を語り始める。学級委員長の春子が、次のような日記を書いてきた。

夏江に「おはよう!」と言ったのに、無視されました。
嫌いなのかな?

私は、次のように返信を書いた。

挨拶は、半分返ってくれればOKだと思っています。
夏江さんも、返したくても返せなかったのかもしれません。
その1つ1つに腹を立てていては、毎日が辛くなってしまいます。
相手に挨拶をしてほしいと思えば、自分からたくさん挨拶をすればいいのです。
10回挨拶をすれば、5回も挨拶が返ってきます。
相手に求めすぎないこと、期待しすぎないことです。

翌日、秋恵から「染谷先生の考え、私も大賛成!」というメッセージが返ってきた。
秋恵も先輩との関係で悩んでいた。秋恵から「春子や私だけではありません。多くの人が同じような悩みを持っています。先生の考えを学級通信に紹介して、多くの人を励ましてください」という提案を受けた。これ以降、私は多くの中学生が悩むであろう問題が『班日記』に書かれた場合、その返信を『班日記』だけではなく、学級通信でも紹介するようにした。
   
中学3年生になると、卒業後の進路に関わる悩みが『班日記』に綴られるようになる。
将来に関わる重要な問題である。学級担任として、積極的に自分の考えや思いを学級通信に綴った。
冬美の日記を紹介する。

三者面談が近づいてきました。
正直、第一志望が決まりません。
考えれば考えるほど、悩んでしまいます。

自分の進路を真剣に考えるから、悩むのである。
そういった思いから、次のような文章を学級通信に掲載した。
□□
 自分が中学3年生だった頃を思い出します。
 進路を決める時は両親とじっくりと話し合った記憶があります。特に印象深かったのは、家の財産の話をされたことです。3人兄弟ということもあり、3人を平等に扱いたかったらだと思います。「あなただけ特別なことはできない。地元の高校に進学して欲しい」と言われました。
 また、私が希望していた高校は高倍率が予想されていました。そうした不安を口にした時、親から「あなたが行きたい学校を受けなさい。もし、そこがダメだったときは、その時に考えればいい。余計なことを考えるのではなく、自信をもって入試当日を迎えられる準備をしなさい」言われ、安心したことを覚えています。
□□
 
両親と何度も話し合って進路を決めた冬美は受験勉強に打ち込んだ。
冬休み中は8時間以上も机に向かった。
冬美の日記を紹介する。

入試が近づいてきました。
不安がないといえば嘘になりますが、今は自分を強く信じられるようになりました。
ところで、先生の高校入試は、どんな感じでしたか?

私は心の弱い中学生であった。
入試前日に熱を出して早退した。その時のことを正直に綴った。
□□
 入試前日のことです。1時間目の途中、気分が悪くなって保健室へ行きました。熱を計ると38度を越えていました。担任の先生が飛んできました。「すぐに帰って体を休めた方がいい」ということで、早退しました。
 家に帰ると、いつもは冷静沈着な母親が驚きました。すぐに病院に直行しました。その際、「お前は小さな時から注射を打てば、すぐに元気になった。だから、お医者さんに頼んで注射を打ってもらいなさい」と母親が言っていたことを今でも覚えています。 
 「疲れですね」と、お医者さんに言われました。「明日、高校入試なんです」と事情を話したことろ、お医者さんは笑いながら「じゃ、特別効く注射を打ってあげる」と言ってくれました。
 帰宅してから2時間ほど熟睡しました。数日間、夜は眠れない日が続いていました。目覚めたときは、体が軽くなっていました。午後からは、約束していた友人と一緒に下見に行くことができました。自分が受ける教室に入り、自分の受験番号が書かれた席に座ると、「いよいよ本番だ!」という強気な気持ちに変わっていました。
 夕食はカツ丼でした。普段よりも肉が大きかったことを記憶しています。たったこれだけのことですが、「家族がいろいろと支えてくれていたんだ!」という思いが込み上げてきました。自分のためではなく、応援してくれた家族のためにも「がんばろう!」という気持ちになりました。
□□
冬美は志望校に合格した。入学式の新入生代表という大役も経験した。
現在、冬美は幼稚園教諭として働いている。
ある年の年賀状に、次のようなメッセージが添えられていた。

仕事に疲れたとき、中学時代を思い出しました。
自分の思いを日記に綴ったら、たくさんの仲間と染谷先生が励ましの言葉をくれました。
その経験から「頑張っていれば、必ず、誰かが支えてくれる」ことを学びました。
今も、たくさんの人に支えられる毎日です。
これからは、支えられる側になれるように精進します。

日記指導。続けるのは大変である。
しかし、その効果は在学中だけではなく、卒業した10年後、20年後も生き続ける。生徒の思いを素直に受け入れ、自らの考えをストレートに伝えられる教師でいたい。


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