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TOSSランドNo: 6061529 更新:2013年12月31日

秩序ある学級に育てるコツ・給食指導編  学級経営案に明確に位置づけ、「卑しいマネはしない」を徹底する


 学級経営案が「絵に描いた餅」になっていないだろうか?
 大切なことは学級経営案にある項目を、生徒が過ごす教室で具現化していくことにある。
私の経営案に次の項目がある。

給食を通して「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活が実践できる生徒を育てる。

 大学時代、小学校へ教育実習に行った。担当学級は《給食は残さずに食べましょう!》という方針だった。学級の雰囲気から『残してはいけない』という空気が教室を支配していた。
 月曜日、キュウリが嫌いだという子がいた。私はその子に「一口だけでも食べようね!」と優しく声をかけた。給食時間中、ずっと泣き続けた。その様子を見て、私は違和感を抱いた。
 火曜日、「嫌いな食べ物は何ですか?」と質問された。私は「嫌いな食べ物は1つもありません」と得意顔で答えた。それが悲劇の始まりだった。
 水曜日、私がこの世の中で唯一嫌いな食材である『ゆで卵』が給食に出た。物心ついたときから、あの硫黄臭が苦手だった。
 昨日まで「一口だけでも食べようね!」と言っている以上、ゆで卵を残すわけにはいかない。仕方なく、牛乳で一気に流し込むという荒技に出た。胃に流し込んだ途端、涙が出てきた。逆流を抑えるだけで精一杯だった。
 その瞬間、たくさんのゆで卵と牛乳が私の机に並んだ。断ることもできず、私は脂汗をかきながら、ゆで卵を牛乳で流し込んだ。それ以来、私はゆで卵を一度も口にしたことはない。
 以上の話を、4月の最初の給食の前に生徒達にする。
 教室中が大爆笑になる。

染谷学級における給食のルールは1つしかない。

卑しいマネはしない。

 中学生に細かなルールは逆効果だ。ルールを作れば作るほど教室は混乱する。作ったルールが守られないと、規範意識が学級から奪われていく。そうなると、給食という場自体が《弱肉強食》となる。
 ルールが少ないから、徹底できる。ルールが少ないから、生徒は頭を使って考えるようになる。細かにルールを設定することは、生徒から《考える力》《常識的に判断する力》を奪うことになる。「なぜ、こういうルールが必要なのか?」を考えさせることが学級担任の仕事である。
 
 カレーライスは人気メニューだ。「いただきます」という合図とともに生徒が殺到する。
 私が大嫌いな光景だ。《弱肉強食》そのものだ。だから、指導しなければならない。
 だからといって、この程度のことで怒鳴る必要もないに強い指導は必要ない。私は、次のように伝える。

卑しいマネはしないでください。
自分が食べたいものは、他の人も食べたいのです。
本能ではなく胃袋と相談して食べる量を決めなさい。

 すると、おかわりを希望する生徒の人数をあらかじめ数え、余っている食材を均等に分けるようになる。コロッケなど、数が限られているモノはジャンケンで公平に決めるようになる。
 染谷学級には《給食は残さずに食べましょう!》というルールはない。給食のカロリーを知っているだろうか。ほとんどの日が800カロリーを越える。体の小さな女子であれば、必要カロリーを大きく超える。完食を強要することは、将来の《メタボリック症候群》の予備軍を育てることになる。
 
 教育実習に行った25年前、《食育》《メタボリック症候群》という言葉があったら…。涙を我慢しながらゆで卵を流し込むことはなかっただろう。
 教室には《弱い立場》の生徒がいる。そういった生徒を守り、伸び伸びとした学校生活を保障するのが学級担任の責務である。だからこそ学級経営案も、そういった視点で作成する必要がある。給食指導の項目が、その最たる例である。


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