空を描く。
講座だから途中の人がいても空を描くけど、
授業のときは、電柱をちゃんと描いてから、空にいく。
まず、背景について。
この絵の主役は、電柱。
山や家を描くときに、画用紙の真ん中あたりまで描いてしまうと、
主役がわからなくなる。
広い面積で描くと、絵がごちゃごちゃしてしまう。
だから、背景にあれこれ描かなくていい。
電柱と空で勝負する。
描くとしても、下や横の方にちらっと見えている程度でいい。
「これ(酒井先生が持っている絵)なんか、ほとんど電柱だけですね。
遠くにちらっと山が見えているだけです。
みなさんの絵には、こんなふうに電柱だけで勝負できるものが
たくさんあります。」
と、酒井先生。
作品を指して「これは黄色、これは紫、これはふつうの空・・・」
と、色を確認されました。
空の色はなんでもいい。
決めるのが、大事。
そして、電柱と空の力関係は、
電柱が10なら、空は3くらい。
電柱が10で、空が8や5だったら、
電柱がかすんでしまう。
ただ、そのことは教師がわかっていればいい。
子どもに「電柱が10なら・・・」なんて言ってもわからない。
教師はわかっていなければいけないので、酒井先生は
「1回でわからなかったら、自分で何度も反芻して下さいね」
とおっしゃっていました。
空を描くには、まずパレットがきれいでないといけない。
きれいにしておかないと、空が濁る。
パレットをティッシュできれいにふく。
子どもをいちいち手洗い場に行かせない。
酒井先生はそう言いながら、ティッシュで
あっという間にパレットをきれいにふいてしまわれました。
写真のパレットは、ふき終わった直後。
「ティッシュが2枚あれば、だいたいきれいになります」
朱色の空の場合。
水をだぶだぶにして色を作る。
だいたい上が濃くて下が薄いことが多い。
でも夕焼けの場合、下が濃いこともある。
太い筆で周りを塗って、真ん中を塗り残す。
残ったところが、雲になる。
あっという間に空と雲が描かれていくので、
参加者から「おー」という感嘆の声が起こりました。
さびしいから、雲の白いところに色を入れる。
この場合は、黄色。
下の方は全体的に黄色を入れる。
「これ、青でもだいじょうぶですね」
こんなふうに紫を少しだけ入れてもいい。
まずい!しくじった!と思ったら、上から白を塗っちゃえばあまりわからない。
だから、こわがらなくてよい。
「どんな色でもいいです。
やってみてください。
ものすごく勉強になりますから」
電柱と空の色は、補色でもかまわない。
力関係が10と3くらいなら、ちゃんと合っている。
電柱と空が主調色になっていても、いい。
「空が入ると、俄然よくなります」
と酒井先生。
空が描けた人は、下の方に山とか家とかをちらっと描く。
0回すごい!ボタンが押されました