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TOSSランドNo: 1113129 更新:2013年11月27日

中学年での「ひゃ、ひゅ、ひょ」の追試


 「50音って知ってますか?」と聞く。
 「知ってるよ!『あいうえお、かきくけこ』のことでしょ」
 「そうです。今日は50音の勉強をします」
 「しゃ、しゅ、しょ」を板書する。

発問1:

「しゃ、しゅ、しょ」のつく言葉を、それぞれ3つずつノートに書きなさい。すべて日本語です。

 「ふつうカタカナで書くものは書いてはいけません」とつけ加えるとよい。3分後、指示をする。

指示1:

書けた人は黒板に出て書きなさい。

 17名、すべての子が黒板に殺到した。
 次のような言葉がでてきた。
・しゃ~しゃかい、しゃりょう、しゃち、しゃれ、しゃべる、しゃしん、しゃげき など
・しゅ~しゅうばん、しゅうり、しゅうじ、しゅくだい、しゅうさい、しゅうかく、しゅうりょう、しゅうげき、しゅうぶんの日  など
・しょ~しょうか、しょうべん、しょうぼうしょ、しょくどう、しょうかき、しょるい、しょうがっこう など
 全員が何らかの言葉を一つ以上書いた。出てきた言葉の説明をつけ加えながら、一つ一つ読んでいく。
 黒板をすべて消す。

発問2:

「きゃ、きゅ、きょ」のつく言葉を、それぞれ3つずつノートに書きなさい。

 12名が黒板に出た。
・きゃ~きゃく
・きゅ~きゅうり、きゅうこん、きゅうきゅうしゃ、きゅうけい、きゅうしょく、きゅうこう など
・きょ~きょうしつ、きょうとう、きょういく、きょう、きょうと、きょうかしょ、きょうらん など
 「きゃ」は「きゃく」の1つしかでなかった。出てきた言葉の説明をつけ加えながら、一つ一つ読んでいく。
 黒板をすべて消す。
 「ひゃ、ひゅ、ひょ」を板書する。

発問3:

「ひゃ、ひゅ、ひょ」のつく言葉を、それぞれ3つずつノートに書きなさい。

 「ひょ」は書きやすそうだったが、「ひゃ」と「ひゅ」はなかなか書けずにいた。
 3分後、指示をした。

指示2:

書けた人は、黒板に出て書きなさい。

 8名が黒板に出た。
・ひゃ~ひゃく、ひゃくしょう
・ひゅ~(風が)ひゅうひゅう
・ひょ~ひょうざん、ひょうたん、ひょう、ひょうご、ひょうじ、ひょうし
 「ひゅうひゅう」は、ふだん「できない子」と思われている子から出された。私は次のように言った。

 K君が「ひゅうひゅう」を出してくれました。
 実は、これはとてもすごいことなのです。日本語の中には「ひゅ」のつく言葉は2つしかないのです。その1つがK君の出してくれた「ひゅうひゅう」なのです。K君はとてもすごいことをしたのです。
 さて、もう1つは何でしょうか?
 ヒントは、あるマンガのなかに出てきます。サッカーマンガです。

 日向(ひゅうが)だと気づく子がいた。「ひゅうが」と板書した。出てきた言葉の説明をつけ加えながら、1つ1つ読んでいく。
 黒板をすべて消す。
 「みゃ、みゅ、みょ」を板書する。

発問4:

「みゃ、みゅ、みょ」のつく言葉を、それぞれ3つずつノートに書きなさい。

 書きづらそうだった。「みゃ」も「みゅ」も書けない子がいた。
 3分後、指示をした。

指示3:

書けた人は、黒板に出て書きなさい。

 出てきたのは、次の4つ。4人が黒板に出ただけだった。
・みゃ~みゃく
・みゅ~
・みょ~みょうが、みょうじ、みょうな
 「みゅ」が全然出なかった。次のように言った。

 「みゅ」だって日本語の音なんだから、必ず言葉があるはずです。
 実は、「みゅ」のつく言葉は、日本語では1つしかないのです。金田一春彦というえらい学者が2年がかりで調べて、ようやく見つけだしたのだそうです。

 「その言葉とは……」「やめた」と何度かじらしてから言った。

 「おおまみゅうだ」と言って「大豆生田」と書くそうです。
 人の名前で、東京都に20人くらいいるそうです。

 子どもたちは、自分からノートに「大豆生田」と写していた。
 この授業をした日は1日、「みゅ、のつく言葉言ってみて」と子どもたちはきいてまわっていた。校長先生にまできいた子がいた。
 子どもたちがいろいろな先生にきいてまわったので、「みゅのつく日本語とはなんでしょうかね」ということが教務室の話題になったりもした。

 向山洋一氏は、次の順序で言葉を提示している。(『授業研究』No. 286)

① きゃ きゅ きょ
② しゃ しゅ しょ
③ ひゃ ひゅ ひょ
④ みゃ みゅ みょ

 私は次のような順序で提示した。

① しゃ しゅ しょ
② きゃ きゅ きょ
③ ひゃ ひゅ ひょ
④ みゃ みゅ みょ

 私の学級の17人の子どもが出した言葉の数は次のとおりである。

① しゃ しゅ しょ~35個
② きゃ きゅ きょ~22個
③ ひゃ ひゅ ひょ~ 9個
④ みゃ みゅ みょ~ 4個

 私の実践では、「きゃ、きゅ、きょ」よりも「しゃ、しゅ、しょ」の方が子どもたちにとって言葉を考えやすかった。
 それだけ、「しゃ、しゅ、しょ」の言葉数が多いのである。
 広辞苑における各音のページ数は次のようになっている。

 しゃ しゅ しょ 38ページ
 きゃ きゅ きょ 104ページ
 ひゃ ひゅ ひょ 10ページ
 みゃ みゅ みょ 5ページ

 課題の提示は「易→難」と組み立てるのがよい。まず、どんな子でも考えられそうな課題から提示していくのである。
 私の学級の子どもたちは、「しゃ、しゅ、しょ」のどの音についても、全員が1個以上言葉を書くことができた。しかし、「きゃ、きゅ、きょ」はそういうわけにはいかなかった。
 子どもたちにとっては、「しゃ、しゅ、しょ」が「きゃ、きゅ、きょ」よりも易しかったのである。
 だから、

 まず最初に「しゃ、しゅ、しょ」を提示した方がよい。

 本実践は、3・4年複式学級(3年12人、4年5人)でのものである。


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