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TOSSランドNo: 5083637 更新:2013年11月27日

道徳授業での語り「ただそばにいてくれた友だちの話」


「他人に親切にしましょう」と言うだけでは、中学生には届かない。だから具体的で、簡単にできる親切の方法を、エピソードを交えて伝えたい。以下、学級通信に書いて読み聞かせた文である。生徒は、自分自身のエピソードを語るとき、いつもシーンと耳を傾ける。

誰でも落ち込むことがあります。
だからこそ、具体的な形で、さりげなくやさしさを示せる大人になってほしいと思っています。
人に親切にしよう、というのは簡単だけれど、具体的にどうすればよいのでしょうか。
みなさんも、落ち込み、自信をなくしたことがあるでしょう? 

例えば、勉強したのにテストの結果がふるわなかったとか、第一志望の学校に入れなかったとか、いじめられたとか、さまざまなことがあったと思います。
そして、残念ですがこういうことはまだこれからもあるかもしれません。
こういうとき、みなさんならどうしますか?
大事な人がひどく落ち込んでいたら、何をしてあげますか?

私も何度か挫折を経験しました。
中でも自分にとって一番大きな挫折は就職浪人をしたことです。
望んで就いた教職でしたが、うまくいかず一度は退職せざるを得なくなりました。
それでもどうしてもあきらめきれず、自宅でもう一度教師になるための勉強をしていたときがありました。
今考えたら、挫折を経験したからこそ今の自分があるのですが、当時は自分のすべてを否定されたように感じ、勉強しながらも自分に自信が持てず、つらい日々が続きました。
「私はもう、何をやってもだめなのではないか」
今思えば家族に八つ当たりしていました。
恥ずかしいことです。

そんなときうれしかったのが、ある友人からの電話でした。
当時アパレルメーカー(洋服を作る会社)で働いていたその友人は、忙しい合間を縫って、2~3日に一度は電話をくれていました。
電話の内容は会社でこんなことがあったとか、ニュースのことであるとか、恋愛のことであるとか、本当にたわいのないことでした。
ただ、全然余裕のなかった私は、今思えば彼女のせっかくの厚意を充分に理解できていませんでした。
いらいらして、無愛想だったような気がします。語調もきつかったような気もします。
まさに心の底では感謝しながら、表面的にはいらだちを隠せない状態だったのです。
それでも友人は電話をかけ続けてくれました。
今、彼女の電話を思い返すと、ありがたいという気持ちが当時の何倍にもなります。
大げさな言い方をすれば社会と遮断されたような生活をしていた私にとって、友人との会話は安らぎのひとときでした。
本当にうれしいひとときを過ごさせてもらいました。

よく、他人に親切にしましょう、と言います。このように言うと、何か特別な、気負ったことをしなければいけないような気持ちになります。
でも、本当にうれしい親切というのは、何もそんなに気負ったことではありません。
友人は始終、「がんばれ、がんばれ」と言葉をかけてくれたのではありません。
ごく身近な、特別ではないことを自然に話してくれました。ただ話をすることで一緒の時間を過ごしてくれただけです。
ただ、そばにいてくれた。
そのことが、今の私を支えてくれていると強く感じます。

世の中うまくいかないことも多くて、自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
ですが、私たちは誰もみんな自分で立ち上がる力を持っているのです。
そして誰かが「ただそばにいてくれること」が立ち上がるきっかけとなるのです。
あなたの大事な人が自信をなくして傷ついていて、何をしてあげればよいかわからなかったら、とにかくそばにいてあげてください。
遠いところにいるなら、電話やメールでつながっていることを示してあげてください。ただ、そばにいてくれたり、声をかけてくれたりするだけで、ずいぶん救われるのです。
もしかしたら、その人も、以前の私のようにすぐには素直になれないかもしれません。
でも、必ずあなたの気持ちは伝わります。

そして、もしあなたが自信をなくしてしまったとき、きっとあなたの大事な人はあなたのそばにそっといてくれることでしょう。「情けは人のためならず」なのです。
あとはあなたが自分の力で立ち上がるだけ。
大丈夫です。
あなたには、私たちがついています。


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