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TOSSランドNo: 1111474 更新:2013年11月27日

漢字文化の授業(中学校・高校)「壁」から「璧」、そして「玉」


「壁」と板書する。

指示1:

みんなで読みます。さんはい。

「かべ」。

指示2:

もう一つの読み方で読みます、さんはい。

「ヘキ」。

説明1:

良く読めましたね。中学校に入ってからでないと習わない漢字です。

指示3:

「壁(かべまたはヘキ)」のつく熟語を、できるだけたくさん書きなさい。十個はあります。一つでも書けたらもっていらっしゃい。

ノートに○をし、板書させる。
「壁紙」「鉄壁」「塗(り)壁」「外壁」「内壁」「完壁」などが出てくる。

指示4:

漢字では書けないけど言える、という人いますか。いたら手をあげてください。

言わせる。
「城壁」「壁際」「壁側」「壁面」は、知っていても、漢字で書けないことが多い。
「壁画」「岸壁」「絶壁」も出てくる。
言われた言葉は、教師が漢字で板書する。出尽くしたら教師が紹介して板書する。
「壁掛(け)」「白壁」「黒壁」「防火壁」「壁倒立」「壁新聞」など。
その中で「完壁」を大きく書き直す。

指示5:

「カンペキ」をこう覚えている人、手をあげて下さい。 いや、違うという人?

挙手させると、前者が圧倒的に多い。

説明2:

実はこれは、ほとんどいいのです。 いいのですが、まだ「カンペキ」ではありません。あと二画足りないのです。(赤字で二画足す) 下が「玉」です。

「土」から「玉」に変わると、どよめきがもれる。

説明3:

「カンペキ」はよく使う言葉ですね。でも、「完全な壁」で覚えている人が、とても多いのです。本当は、「完全な玉」と書きます。 「璧」は大きなドーナツのような形をしています。 (図示する) ◎

説明4:

なぜ玉が登場したのでしょうか。 3000年前の中国では、玉は、とても貴重なものでした。玉をめぐって、国同士の激しい争いもありました。戦の勝敗は、王様の首でも決まりますが、城の中に隠してある「璧」を持ち出したら、その時点で勝ちなのです。ですので、自分の国の玉を「傷つけずに守り通す」ことが、今で言う「完璧」な仕事ぶりだったのです。 「完」には「傷つけない、守り通す」という意味があります。

発問1:

中国で玉が大事にされていたことは、この字からも分かります。 (「国」と板書。) 国の中に玉が入っていますね。さて、玉の周りの□は、何を表しているでしょうか。ノートに書きなさい。

列指名。「塀」「囲い」「城」「城壁」「国境」などが出る。

説明5:

正解は「城壁」です。

発問2:

中国には長い長い城壁がありますね。何と言いますか。さんはい。

「万里の長城」

説明6:

万里の長城は、宇宙からも見えるそうです。 古代中国の人たちは、馬に乗って、東からも、西からも、北からも、南からも、(と矢印を一本ずつ書き加えていく)攻めてくる異民族を恐れていました。それで、あんなに長い長城を作ったのです。

発問3:

この字にも玉があります。 (「宝」と板書。) 宝という字です。 さて、玉の上の「うかんむり」は、何を表しているでしょうか。 ノートに書きなさい。

「金庫」「倉」「家」「屋根」「ふた」「人」「手」などが出る。

説明7:

正解は「家」です。 玉を家の中に大事に置いておくと、家の「宝」になります。 つまり、「お宝」になるわけです。

発問4:

今度は、「玉」の成り立ちについての問題です。「玉」(板書)の横棒3本は、宝石を表しています。(図を書く。○の部分が宝石) では、縦棒は、何を表しているでしょうか。ノートに書きなさい。

列指名。たいていが「ひも」「糸」「くさり」と答える。

説明8:

正解は、「ひも」です。 「玉」という字は、宝石をひもでつなぎ合わせたネックレスを表しています。 しかし、これは「王様」の「王」と同じ形ですね。 まぎらわしいので、「たま」の方には「、」をつけて区別しました。

説明9:

ちなみに、「きゅう」という字もあります。(「王」の右上に点がある)意味は、あとで漢和辞典で調べてみて下さい。

指示6:

今度は「たまへん」のつく漢字についての問題です。全部で3問あります。ノートに①から③まで番号をつけなさい。

発問5:

第一問です。「球」という字の右半分は何を表しているでしょうか。 次の3つの中から選んでください。
(1)人が玉を手で持っている形。
(2)玉と玉とがぶつかり合う様子。
(3)玉どうしがこすれあって「きゅう」という音。

(1)~(3)はあらかじめカードで用意しておいた。
挙手させて確認する。

説明10:

答えは(3)です。玉どうしをこすり合わせると、きゅうきゅうと音がします。角も取れて、さらに丸くなります。「球(きゅう)」になります。つまり、音と意味が、連動しているわけですね。

発問6:

第二問です。(絵を見せる。) 玉を磨くと、ぴかぴかになりました。 その輝きを見つめています。さて、何という漢字でしょうか。

説明11:

答えは「現れる」です。 今まで見えてこなかったものが見えてくる、という意味です。

発問7:

最後の問題です。(絵を見せる。) 玉を刀で二つに割りました。何という漢字でしょうか。

説明12:

答えは「班」です。「班」の元の意味は、小さく切り分けた玉でした。

発問8:

最後は、宝石の読み方に挑戦です。すべてたまへんをつかった漢字です。読んでみましょう。
① 真珠   ② 瑠璃   ③ 玻璃   ④ 珊瑚   ⑤ 瑪瑙

①~⑤はフラッシュカードに書いておく(宝石の写真付き)。
テンポよく進めていく。
答えは①しんじゅ ②るり ③はり ④さんご ⑤めのう

説明13:

今日は「玉」のつく漢字について勉強しました。三〇〇〇年前の中国の人たちは、玉をとても大事にしました。「玉」のつく漢字を見たら、そのことを思い出してもらえるとうれしいです。

「完璧」
司馬遷「史記」巻八十一の「廉頗(れんぱ)藺相如(りんしょうじょ)列伝」にある。
故事成語「完璧」「刎頸の交わり」の原典はここ。

<ストーリー>
藺相如は、趙王の命を受け、伝説の名玉「和氏(かし)の璧」を携え、秦王との交渉に臨む。
小国・趙が、「和氏の璧」を手に入れたと聞き、大国・秦はそれが欲しくなったのだ。
秦は、「十五の城邑(じょうゆう)と和氏の璧を交換しよう」と趙に持ちかけた。
断るわけには行かない。しかし秦のことだから、璧を手に入れた途端、城邑はくれないということもあり得る。
趙では、論議の末、藺相如が外交役に選ばれたのだ。
交渉の場で、秦王が約束を守る気配がないことを察した藺相如は、
「その璧には傷があります。それをお教えしましょう」と言って、秦王の手から壁を受け取った。
やおら柱の近くに寄り、璧を振り上げて、
「王の態度は納得できない。私を殺すなら殺せ。その前に、この璧もろとも頭をぶつけて死んでやる」と迫った。
璧を手に入れることを第一に考え、秦王は、七日間のみそぎをするからと謝罪した。
藺相如は、その七日間に、密かに使者を立て、無事に璧を趙の国に持ち帰らせた。

<資料>
『史記 九(列伝二) 新釈漢文体系』(明治書院) P246~263
白文、書き下し文、通釈、語釈、余説、解説つき。
西野広祥『中国古典 百言百話11 史記』(PHP) P68~70
「相如璧とともに帰る」「刎頸の交わり」の解説。
ほか、「史記」関係の資料は多数あり。


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