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TOSSランドNo: 1111485 更新:2013年10月15日

読書単元はこう教える(1)1年光村国語上「こんなほんをみつけたよ」


 「1年生の子どもは、本が読めない。」本当だろうか。8割は事実でない。「おむすび」とか「おじいさん」とか、実物と言葉が結びついたものは、夏休み前になると結構読めるのである。しかし、いくらひらがなで書かれてあっても「読めない」本は存在する。音声にはなっても、理解が難しい、あるいは理解が面倒になる本である。1年生が読める、面白いと思う本とはどんな本か。その条件を実例とともに紹介しよう。

ポイント1 中心人物の人物像がくっきりと描かれているものがいい。

 登場人物が、どういう人物であるか名前を聞いただけでイメージできるほうがいい。おじいさんなら、あっさりと「おじいさん」、孫ならあっさりと「まご」、といった具合にである。中心人物には、名前がつけられることが多いが、対役や脇役には名前をつけないほうがいい。それだけで、誰が誰だかわからなくなってしまうの可能性があるからだ。

 性格描写も極端で単純、しかも具体的な行動で示してあるほうがいい。「力持ち」よりも、「めしを100杯ぺろりと平らげ、100貫目の金棒を小枝のように振り回す」のほうが、すぐれている。性格は、いっそ、動物の姿をしていた方がわかりやすい。

ポイント2 物語の展開が挿絵を見ただけではっきりとわかるものがいい。 

 「おおきなかぶ」は、日本語で書かれていようが、ロシア語で書かれていようが、挿絵を見れば、話の内容はほぼつかめる。種をまくお百姓のおじいさんの絵から始まって、巨大な蕪を引っ張る登場人物(?)が1人ずつ増えていき、おしまいのページでは、蕪の抜けた勢いでしりもちをついた一同の姿がいきいきと描かれている。ロシア語の原文では、「登場人物の名前が韻を踏んでくりかえされている」というおもしろさがもうひとつ加わるわけだが、そのことを抜きにしても、引っ張るという行為そのものが、変化のある繰り返しになっている。

 また、「ももたろう」では、おじいさんのところに流れ着いた大きな桃から赤ん坊が生まれ、その子が大きくなって犬・猿・雉を従え、鬼退治にいった様子が、挿絵を見れば説明なしでわかるようになっている。これは、昔話がもともと口承文芸であったため、無駄な部分がそぎ落とされ、面白いエピソードの連続という形で話が残っていったということと無関係ではない。

ポイント3 「型」にはまったものがいい。

 幼い子の見るテレビ番組は、必ずといっていいほどパターンが決まっている。ウルトラマン、鉄腕アトム、ドラえもん、アンパンマン、など、例を挙げればきりがない。NHKの「おかあさんといっしょ」など、毎日毎日、体操や着替えなんか見てどうするんだろうと思うが、幼い子にとってはとてもおもしろいらしい。毎日毎日繰り返される同じ行動を見聞きすることで、新たな行動パターンを身につけているわけである。また、個々人によって生じるささやかな違いを発見することで、同じ行動のように見えて違ったバリエーションがあることを模倣しながら覚えていくわけである。「型」にはまった話であること心の安定を得ながら、同時に新しい発見を楽しむのが1年生の読書なのである。

ポイント4 読み聞かせをしてもらったことがある本がいい。

 「1回読んでもらった本はおもしろくない。」と、思っているのは大人の勝手な思い込みである。子どもにとって初めて手にする本は、外国語の本に等しい。大人だって、英語やロシア語で書かれた絵本を手渡されたらドキッとするだろう。そこに、なじみのある挿絵や知っている単語を見出すとほっとするだろうし、知っている単語の数が多ければ多いほど、知らない言葉を文脈から類推しながら読むことができ、楽しめる。 お話の世界に登場する事物は、ただでさえ日常生活とかけ離れたものが多い。1年生にとって、「聞いたことのある話」は宝島の地図にも等しいものなのである。

ポイント5  主述がはっきりした短い文で語られたものがいい。

 1年生である。「何がどうなったのか、誰がどうしたのか」すっきりと頭に入ってこないと、物語の世界に入っていけない。指示語が出てくると、それだけで混乱してしまい、お話を楽しめなくなってしまう子が続出する。教科書の「おむすびころりん」にも、「おおきなかぶ」にも指示語がほとんど出てこないのは、偶然ではないのだ。入門期の1年生に「めんどくさい。」「むずかしい。」「ややこしい。」と思われたら、その後の読書指導など成り立つわけがない。「わかりやすいが上にも、わかりやすく、しかも無駄な言葉は一つもない。」なんだか授業の原則のような話になってきたが、そういう目で本を選ぶことが読書指導の原則なのである。該当する本が決して多くはないことに お気づきいただけただろうか。


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