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TOSSランドNo: 3255714 更新:2013年10月13日

向山型歴史指導法「戦国時代」の実践


1 向山型社会の「構想」と「実践」

 「向山洋一年齢別実践記録集19巻 向山の歴史授業の実践」(明治図書)に「上記のことをふまえて、次のような授業の流れを構想する。(戦国時代の教材で学習する)」とあり、次の構想がある。

(1) 前の時代の特徴をひとことで言いなさい。  御恩・奉公
(2) 今の時代の特徴をひとことで言いなさい。 例 下克上 
(3) この時代を代表する人を一人選びなさい。 例 豊臣秀吉
(4) この人は時代をどのように生きようとしましたか。できるだけ簡単に述べなさい。
例 戦いの中で生きて、天下を統一しようとした。
(5) (4) を証明するできごと、エピソードを5つ述べなさい。
     調査(個人)→班ごとに表にする。(KJ法)
                     ↓
                 最も象徴的なことを一つ選ぶ。
                      ↓ 
                 発表する。
                      ↓
                 他の班とのちがいを討論する。
(6) この時代について、誰か一人を選んでその人を通して説明しなさい。

 さらに、P16に「戦国時代の学習について、向山学級では次のような学習を展開した」と書かれ、次のようにある。こちらが実際に向山学級で展開された流れだ。

① 前の時代の特徴を言う(書く)  例 御恩・奉公
② この時代の特徴を言う      例 下克上
③ この時代を代表する人を一人選ぶ 例 信長
④ この人がやったことをグループ毎に調べる。
            ↓
          印刷製本する(82ページ)
⑤ この人はどのように生きようとしたか言う
⑥ ⑤を証明する出来事を5つ選ぶ
⑦ 上記のことをプリントに書く
⑧ 5つのことを「カード化」して、グループ毎にまとめる。
⑨ まとめたことをノートに書く
⑩ 発表して検討する

 これら「構想」と「実践」の記述をもとに向山型社会「戦国時代」の指導法を明らかにしてみる。

2 構想指導計画

 「構想」と「実践」から次のような流れを構想する。

 1 鎌倉時代の特徴を言う(書く)・・・「御恩と奉公の時代」 
 2 戦国時代について教科書を読みまとめる。(内部情報の蓄積)
 3 戦国時代の特徴を言う。(書く)・・・「全国統一する大名の時代」
 4 この時代を代表する人を一人選ぶ
 5 この人がやったことをグループ(ペア研究)毎に調べる。ファックス用紙にまとめ印刷製本する。(等質のペアで行う。)
 6 この人はこの時代をどのように生きようとしたのか、できるだけ簡単に書く。
 7 6を証明するエピソードを5つ選び、ノートに書く。
     (ここまで個人作業)
 8 グループで5つのことを「カード化」しまとめる。まとめたことをノートに書く。(グループで討論)
 9 最も象徴的なことを一つ選ぶ。(グループで討論)
 10 発表し他の班とのちがいを討論する。(全体で討論)
   「どの人物が戦国時代の代表にふさわしいのか」
 11 最終的に選んだその人を通して戦国時代を説明する。(作文で書かせる。)

 以下、それぞれのステップでの指導計画を詳しく述べる。

 1 鎌倉時代の特徴を言う(書く)・・・「御恩と奉公の時代」

 これについて「再現する学習で創る向山式社会科授業」(明治図書)で岡田健治氏はこう書いている。

 私は以下のように解を限定したが、「解は限定すべきかどうか」を向山先生におたずねしたところ、
 「限定すべきです。」
とご教授くださったのだ。

 向山先生が前掲書で例としてあげている「御恩と奉公」を室町時代を一言で言い表した内容と限定して授業を行う。

2 戦国時代について教科書を読みまとめる。(内部情報の蓄積)
3 戦国時代の特徴を言う。(書く)・・・「全国統一する大名の時代」

 「戦国時代の特徴を言う。」これも新しい単元に入って突然発問しても子どもには内部情報の蓄積がない。したがって内部情報を蓄積させるステップが必要だ。それが2にあたる。
 同じく岡田氏が、

 向山先生の答えは、次のようなものだった。
 私は、教科書を読ませます。全部先まで読んで行きなさいと。自分で読んで、まとめるわけですよ。教科書に書いてありますから。
 でも、半知半解でよく分かんないわけですよ。分かったつもりになっても、よく分かんない。じゃあ、本当に一人一人とりあげてやってみよう。
 そこで初めて、いろんな事が地に着いた授業になっていくわけですから。

と書いている。

教科書を読んでまとめさせることで内部情報を蓄積させる。その後、「今の時代の特徴をひとことで言いなさい。」と問う。

ということになる。
 では、まとめ方は?という疑問がある。
 向山学級のノートには子どもがまとめた「年表」がある。戦国時代のものではないが一番長い子で「桶狭間の戦」まで書いている。向山先生の年表指導はいつなのか?
 ここでは3人の武将について年表にまとめさせるという方法を採用する。
 このようにして子どもに内部情報を蓄積させる。
 さらに、向山先生は「この時代の特徴」について次のように言ったと岡田氏は書いている。

 時代の特徴ですから、解は出すべきです。いろんなことが出たら、第一候補がこれで、まあ五点の解だとか。四点、これは、まちがいとは言えないとか。温度差をつけるのはあり得ますが、解は出すべきです。

 向山先生は「下克上」としているが、教科書にこの用語は出てこない。そこで次の意味のものを解として持っていたい。
「いろいろな大名が全国統一を目指した時代」
「天下統一しようとした大名が出てきた時代」

4 この時代を代表する人を一人選ぶ

 これまでの学習から一人を選ばせる。
 岡田氏の論文によれば向山先生はこのことについて次のように言った。

 クラスで一人に限定する必要は、ありません。四人で構わないし、六人なら六人で構わない。クラスから、いわば、そのたくさんの意見が出る。たくさんの解が出て来て、それを前提とした授業なんですね。
 一つになることを前提とした授業はあるけれども、このような形でいろんな人が出てくるということを前提としている。にもかかわらず、この六人は、全部、中央集権を目指したじゃあないか。あるいは、全国の覇者になろうとしたじゃないかということでの共通点で括れ、そういった生き方その物が、いわば「下克上」の世の中の生き方なんですね。
 ですから、いろいろな生き方を出さなくちゃあいけないんです。

 いろいろな人物が選ばれることに価値があるのだ。岡田学級では3人の武将以外に上杉謙信が入って四人だった。

 5 この人がやったことをグループ(ペア研究)毎に調べる。ファックス用紙にまとめ印刷製本する。(等質のペアで行う行う。)

 時代を代表する一人を選ばせた後、その人について調べさせ、調べたものを印刷製本し、向山学級では82ぺージにも及んだ。
 この、いわば「児童資料集」が子供たちの内部情報をグーンと増やす働きをしたのだと考えられる。
 年齢別実践集の巻末に向山学級の子どもの作った資料集の一部が載っている。ファックス用紙で5~6枚の大作だ。
 岡田氏は選んだ武将ごとではなく、選んだ武将が違う者同士でグルーピングしたと分析した。しかし、よく見ると、そうではない。
「織田信長 D班 福島 大和田」「徳川家康 B班 水野 上野」とあり、同じ人物を選んだ同志のペアで調べ、まとめた可能性が高い。少なくとも、向山学級の資料からはそう考えられる。 
 なので、等質ペアで調べさせることとする。

6 この人はこの時代をどのように生きようとしたのか、できるだけ簡単に書く。
7 6を証明するエピソードを5つ選び、ノートに書く。

 児童資料集を読ませ、6を行う。さらに7へと進む。
 児童資料集がこのステップでは大活躍する。
 ここまでが「個人作業」になる。

 8 グループで5つのことを「カード化」しまとめる。まとめたことをノートに書く。(グループで討論)
 9 最も象徴的なことを一つ選ぶ。(グループで討論)

 8について向山先生が次のように記している。

 天野さんから⑧について質問が出た。
 「なぜ、グループ毎にまとめるのか?」という点である。
 向山は、次のように答えた。
 「それまでは、個人の作業である。「選択した5つの出来事」が、その人を説明するのにふさわしいかどうか、チェック検討しなければならない。
 グループには何人かの子がいる。異なる出来事を選んでいる子もいる。そこに討論がおこり、検討されることになる。」

 ここからはグループでの活動となるのだ。
 児童のノートを見ると「最も象徴的なことを一つ」選んでいる。おそらく、これをメインに班の中で討論をしたのだろう。
 流れはこうなる。
  ① 5つのエピソードのカード化
  ② まとめてみてノートに書く。(KJ法)
  ③ 最も象徴的なことを一つ選ぶ。
 したがって班は等質グループとする。岡田実践では異質グループで行い、複数の人物について作業させているが私はそうしない計画である。あくまでも自分が選んだ一人を追究させるように組み立てた。向山先生はどうだったのだろうか。不明だ。

 10 発表し他の班とのちがいを討論する。(全体で討論)

 ここがよくわからない。
 他の班とのちがいを討論するのはわかるが、例えば次のどれだろうか。
「どの人物が戦国時代の代表にふさわしいのか」
「徳川家康のエピソードにもっともふさわしいのはどれか」
 今現在、私は、

 どの人物が戦国時代の代表にふさわしいのか

を予定している。
 このテーマでないと全体で討論できないからだ。また、これまでの流れから言ってもこのように進むのが自然である。いかがだろうか。

 11 最終的に選んだその人を通して戦国時代を説明する。(作文で書かせる。)

 討論の後は自分の最終意見を作文させるのが定石だろう。
 最終的に自分が「戦国時代を代表する人物」と確定した人で書かせていく。

3 指導細案

 第1時

 鎌倉時代・室町時代の特徴を短く書きます。
 教科書を1度読みます。全員起立。│
 座ったらノートに書きなさい。書けたら持ってきなさい。
  ・持ってきた子には黒板に書かせる。
  ・はじから読み上げさせる。
  ・教師が評定していく。
 この時代は「御恩と奉公の時代」と言えます。 
 今日の授業で学んだことをノートに書きなさい。

 第2・3時

 教科書の戦国時代の場所を読みます。(追い読み)
 戦国時代のおおまかな流れを理解するために「年表」を作ります。(向山学級の年表を例示する。)
 戦国時代に登場した人物は誰ですか。
 3人の武将の「年表」をつくります。資料集や教科書を調べながら進めます。
   *早く終わった子には年表に細かいことを付け加えさせる。
    *2時間で終わらない子は宿題とする。

 第4時

 できた年表を見て戦国時代の特徴を一言でノートに書きなさい。
  ・持ってきた子には黒板に書かせる。
  ・はじから読み上げさせる。
  ・教師が評定していく。
 この時代は「いろいろな大名が全国統一を目指した時代」(下克上)と言えます。
 この時代を代表する人を一人選びなさい。
  ・選んだら同じ者同士でペアを作る。
   *次回までに調べる人物についての資料を用意させる。

 第5・6・7時

 ペアで3時間使って調べます。
(向山学級の資料を例示する。)このような形でまとめていきます。
  ・資料集、教科書、マイ資料などを使って調べる。インターネットは原則的に授業中には使用させない。
  ・いいものを紹介しながら進める。
   *印刷、製本し、全児童に配布する。

 第8時

 自分が選んだ人は戦国時代をどのように生きようとしたのですか。ノートにできるだけ簡単に書きなさい。
  ・書けた子は黒板に書かせる。(書けない子の参考にさせる。)
 では、このことを証明するエピソードを5つ選び、ノートに書きなさい。

 第9時

 みんなの書いた5つのエピソードをカードに書きなさい。
 書けたら同じ仲間同士分類しなさい。
 まとめた仲間にタイトルをつけなさい。 
 まとめたタイトルとエピソードをノートにまとめなさい。(以上KJ法)
 グループで最も象徴的なエピソードを1つ選びなさい。(班で討論させる。)
 選んだらその理由をノートにまとめなさい。

 第10時

 「どの人物が戦国時代の代表にふさわしいのか」討論します。自分の意見をもう一度確認しなさい。
 意見の少ない方から根拠を発表しなさい。(指名なし)
 討論しなさい。

 第11・12時

 最終的に選んだ人を通して戦国時代を説明する作文を書きなさい。
  ・びっしり書かせる。(ファックス用紙)
  ・後日、印刷、製本し資料集とともに合本する。

4 実際の授業

【第1時】

「昨日まで勉強してきた鎌倉時代(室町時代までも含む)この時代の特徴を短く言います。」
「教科書の鎌倉時代から室町時代までを読んだら座って書きなさい。」
持ってきた子のノートに確認の丸をし、黒板に書かせる。
次の2つが圧倒的に多かった。
 ・武士の時代
 ・武士の戦いの時代
それぞれを5点満点で個別評定していった。
 ・武士の時代・・・3点
 ・武士の戦いの時代・・・2点
「武士の時代というところに目をつけたのがすばらしいです。でももっとつっこんで書いてほしいのです。武士の何の時代なのでしょう。もう一度書き直して持ってきなさい。」
「この時代ならではのキーワードを書くのです。」
などとも言い換えた。

これで子どもの2度目のノートは具体的になった。
 ・将軍と御家人の時代(2人)
 ・御恩と奉公の時代(1人・・・出た!)
この2つを5点とした。
全員にこれを写させた。

「それでは次の戦国時代はどんな特徴の時代でしょう。」
「先生が教科書を読みますから教科書を目で追いなさい。」
こう言って1度範読した。

最後に
「今、先生が読んだところに登場した人物について今後調べていきますので資料等を準備しておきなさい。」
と付け加えて授業を終了。
とりあえず鎌倉時代(室町時代まで)の特徴を「武士」というキーワードで全員が認識し、さらに「御恩と奉公」に関することも2度目で出てきた。
向山型板書活用法、個別評定で引き出すことができた(かな)

 「向山型板書活用法」と「個別評定」は子どもの内部情報を蓄積させるのに実に有効である。国語、社会、様々な教科で応用できる。1度目の評価で2度目の作品が激変する。これによって「御恩と奉公」が子どもから出てきたことがすごい。
 向山氏の次の発言通りである。
「時代の特徴ですから、解は出すべきです。いろんなことが出たら、第一候補がこれで、まあ五点の解だとか。四点、これは、まちがいとは言えないとか。温度差をつけるのはあり得ますが、解は出すべきです。」

【第2時】

第2時。
まずは教科書の追い読み。戦国時代の内部情報を増やす。
子ども達は重要と思われるところに赤鉛筆でアンダーラインを引きながら読んでいく。
所々、難しいところは解説をはさんだ。
「検地」「刀狩り」などの説明をした。

さらに、内部情報を増やすために「年表」を作る。
信長・秀吉・家康に分けて年表を作るように指示。
資料集の年表やマイ資料を使って作っていくことを話した。
黒板に簡単に図示した。
さらに向山学級の年表を配布してイメージを持たせる。

年表作りを進めながら、
「信長は8歳で人質になっている!」
「昔はこんな名前だったのか。」
など、つぶやきが聞こえてくる。
内部情報が少しずつ蓄積されている証拠だ。

本日、マイ資料を準備した子が3分の1程度。
 ・インターネットの資料
 ・兄姉の中学校で使用していた資料集
 ・塾の資料
 ・自宅にあった歴史の本
さらに増えていくように毎回持ってきた子の確認をしている。

初めての年表づくりであったが楽しそうに、そして、集中して作業していた。
明日、もう1時間使って作っていく。
(さらに1時間必要になりそうだ。)

 向山型はいたるところでシステムとして機能し「内部情報の蓄積」を促している。
 教科書を読ませるのもそうだ。また、年表作りもそうだ。ただ、向山先生は一体いつの時点でこの指導をされたのか不明である。一学期の早い時期におそらく歴史全体を見渡すような指導をしている可能性がある。また、年表作りは単元の進み具合と平行して行われていたのかもしれない。

【第3時】

本日、3時間目。
年表作りの続き。
ほとんどの子が完成。
残りは宿題とした。

子どもから質問が様々に出る。
「秀吉がなくなったのは朝鮮か、日本か」
「信長が足利氏を将軍に立てて京都入りしたってどういう意味?」

興味が出てきた証拠だ。

【第4時】

第四時。ここまでは計画通り進行している。

「作った年表を見ながら、戦国時代の特徴をノートに書きなさい。」
 ・全国統一の時代
 ・全国統一を目指した時代
 ・戦いの多い時代
これが大部分だった。
前回と同じく、書けたら持ってこさせ、黒板に書かせる。
途中、書いている子がいても端の子から読み上げさせる。
5点満点で評定していく。
私の腹案は「下剋上」が5点満点。ただし、出てこないだろうと予想した。
「全国統一」をキーワードにしてあれば4点とした。
したがって多くの子が4点であった。
「全国統一を目指した時代」を模範解答とし、写させた。

もう一度の書き直しを今回はしなかった。
「資料集に「下剋上」という言葉が出ています。さがしなさい。」
こう言って最初に探し当てた子にその部分を音読させる。
「前の時代は<御恩と奉公>という信頼関係でしたが戦国時代は<下剋上>という戦いの時代なのですね。」
下剋上をノートに写させた。

次に、
「では、戦国時代を代表する人物を一人選んでノートに書きなさい。」
と指示した。
結果は以下の通り。
 ・織田信長・・・6人
 ・豊臣秀吉・・・7人
 ・徳川家康・・・7人
 ・真田幸村・・・1人  (欠席3人)
はやく確定した子にはその理由を簡単にノートに書かせた。
「選んだ人物について3時間使って詳しく調べていきます。調べたものを全員分印刷して厚い資料集を作ります。」
こう言って、残り時間(5分程度)は図書室で資料探しをさせた。

次回からペアを作って調べ学習をさせていく。

 戦国時代を一言で言い表す作業も、代表する人物を選ぶのも、年表作りをしていたからこそ子どもが考えることができたのだと思った。これらの課題に対応できるだけの内部情報が蓄積されていたのだ。
 真田を言った子は「趣味」の世界で選択した。

【第5時】

5時間目。
もう一度、戦国時代を代表する人物を確認したところ変動があった。
「家でお母さんに言ったら<戦国時代を代表する人は信長よ>と言われたので・・・。」
なんて言う子もいた。
いずれにしても家庭で社会科の話をしているという事実に嬉しい気持ちになった。
結局、
信長・・・7人
秀吉・・・11人
家康・・・5人
となった。
それぞれの人物のグループの中でペアを作らせた。
奇数班は3人も可。
さっそく調べ始めた。

向山学級の子供たちのファックス用紙をコピーし全員に配り、
「こんな風に調べてまとめていきます。」
と話した。
イメージを持たせるには向山学級の実物資料が一番である。

 単元の初めから、「マイ資料」の準備を薦めておいた。参考書や兄弟(中学生)の教科書や資料集を準備する子が多かった。購入してもらう子もいた。

【第6時】

今日、6時間目。
最初に上手にできているグループのファックス用紙を紹介した。
向山学級同様、問いを立てながらまとめているグループの紹介をした。
「信長はどんな人か?」
「信長はどうやって天下統一を目指したか?」
などの問いを自分達で立て、答をまとめていくというパターンだ。
実は向山学級がそうなっているのである。
そのまま子ども達は「追試」していた。

こうして本日、調べ学習の2時間目を終えた。
予定ではあと1時間なのだが、子供たちの進み具合は今ひとつである。
もしかしたらあと2時間必要になるかもしれない。

 私は向山学級の資料集を例示したが、それ以上のことはしなかった。調べる内容をプロットで示した可能性もある。(川原雅樹氏はそうしていた。)

【第7時】

今日はペアによる調べ学習最後の時間。
子ども達は一生懸命だったがやはり多くは終わらなかった。
そこで、もう1時間行うことにした。
(1グループが終わった。明日はさらに詳しく調べさせよう。)

授業のところどころでペア毎にファックス用紙を持ってこさせ、質問をした。
「楽市・楽座って何?」
「検地って何?」
答えられないことが結構ある。
「質問があっても答えられるようにしておきなさい」
こう言っておいた。

明日の授業で調べ学習は終了。
印刷製本して「児童資料集」に仕上げる。

【第8時】

本日、「戦国時代を代表する武将」の調べ学習を終えた。
4時間かかった。2グループだけ休み時間なども使って仕上げた。
10班分合わせてファックス用紙で31枚だった。
向山学級の82ページがいかにすごい枚数かわかった。

放課後印刷し「児童資料集」ができた。
この資料集を使って内部情報をたっぷり蓄積させたい。

 この児童資料集は膨大な内部情報の蓄積を促す。使うように何度も話した。

【第9時】

今日は「児童資料集」を子供たちと製本した。
できた子から資料集を読む。
これで一時間を要した。

【第10時】

本日、予定していたプールが中止。
社会科をもう1時間行う。

「自分が選んだ人物が戦国時代をどのように生きようとしたのかノートにできるだけ簡単に書きなさい。」
と発問した。

織田信長
 ・全国統一を目指しその目標に協力してくれるものを仲間にし、じゃまなものは戦って殺した
 ・武力で天下を統一しようと生きてきた
 ・天下統一を試みて生きた
豊臣秀吉
 ・知恵をつかった生き方
 ・全国統一をして自分の権力でせめた
 ・自分の欲をはらそうとした
 ・全国統一をし朝鮮まで攻め、自分の力を見せつけようとした
 ・織田信長のかわりに天下統一をして生きようとした
 ・一揆もなく年貢も確実にもらえ、自分の欲をすべて思い通りになしとげて生きようとした
 ・知恵と政治で天下(全国統一)をとる生き方
徳川家康
 ・戦国時代を天下統一しようとした
 ・天下統一しその天下が子々孫々まで続くようにしようとした
 ・幕府を開くために戦ったりした
 ・自分だけが天下をとって生きようとしていた

できた子にはノートを持ってこさせ、黒板に書かせる。
端から読み上げさせる。
こうやって視覚的・聴覚的に内部情報を積み上げさせる。

続けて、
「自分が書いたことを証明するエピソード(出来事)を5つ選びノートに書きなさい。」
と指示。
これには子どもがけっこう苦労した。
5つのエピソードを確定した子には、
「どうしてこの5つのエピソードを選んだのか簡単に理由を書きなさい。」
と言った。
3人がエピソードを5つ書ききれなかった。

次の時間はいよいよ5つのエピソードを持ち寄ってKJ法でまとめていく。

 5つのエピソードが子どもに難しかったのはなぜだろう。家康グループの子は5つ見つけるのがたいへんそうだった。

【第11時】

「KJ法をやっていきます。」
画用紙を10cm×6cmくらいに切ったカードを子どもたちに配る。
「一人5枚取りなさい。」
KJ法はこれまで5年生で2度行っている。
「工業分布」「寒い地方のくらし」でだ。
どちらも子供たちの内部情報を整理し課題を見つけやすくするのに有効だった。KJ法で整理したものを見ながら「学習課題」を設定したり「仮説」を作ったりするのである。
6年生になって初めてのKJ法だ。

「昨日ノートに書いた5つのエピソードをカードに書きます。」
昨日、5つ書けなかった子は書けた分だけでよいことも話す。

子供たちがカードに転記している間に黒板に次のように書いておいた。

KJ法
 ①カードに書く
 ②似たものをならべる
 ③グループ名を決める
 ④ノートにまとめる

ほとんどの子がカードに書き終えたところで、黒板に書いたKJ法の手順を説明した。
「選んだ人物毎にグループを作ってKJ法でまとめていきます。」

④のノートにまとめることは少し補足した。
グループ名を書いてその下にカードに書かれたことを列挙するのだ。
向山先生の5年の漁業ではそのように子供たちがまとめている。
(これは明日、ノートを紹介します。)
「この1時間でまとめ切りなさい。」

人数も多く大作業なので図書室に移動して活動した。
各グループ、自然とリーダーが生まれ、上手に話し合いをしていた。
グループ分けは「いかなるグループも認める」べきなのだが、さすがに、おかしなわけ方は指摘した。(「豊臣に従う」「豊臣をほろぼす」を1つのグループにして<豊臣グループ>としたところを指摘した。全体にも話した。無理矢理まとめることはなく、グループをふやせばよいと話した。)

子ども達は1時間きっかりに仕上げた。
全員のノートに目を通し授業終了。

次回はこの中から「最も象徴的なエピソード」を選び、班毎に討論していく。

 さらに、P16に「戦国時代の学習について、向山学級では次のような学習を展開した」と書かれ、次のようにある。こちらが実際に向山学級で展開された流れだ。


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