TOSSアンバランス福島 三瓶まゆみ
4年生に射精、月経の授業をした。
福島県新地町立新地小学校の但野せつ子先生から、教えていただいたことを参考にして授業を行った。
4年1組、2組合同(43名、教師2名)の授業である。(平成12年度実施)
1 発育の様子
2 一次性徴と二次性徴(体の外側での変化)
3 一次性徴と二次性徴(体の内側での変化)
4 教師の体験談
1 プリント(児童用)
2 男女の赤ちゃんの図(影絵のように黒く、男女の違いが分からないもの)
3 男女の赤ちゃんの図(正面)
4 大人の男女の図(後ろ向き)
5 大人の男女の図(正面、精巣や卵巣、子宮だけが体の中にかかれている)
6 プレート
7 月経の仕組みの図
8 精子(竹ひごの先に画用紙で書いたものを付ける)
9 卵子(竹ひごの先に画用紙で書いたものを付ける)
※2、3小学校性の指導 ファックス資料(小学館)p46を参考にした
4保護者参観授業で行う”保健の授業” 福井教育サークル著(明治図書)p33
5小学校性の指導 ファックス資料(小学館)p81を参考に作成した
7小学校性の指導 ファックス資料(小学館)p54,55
1 こまったときの性指導 実践事例集(小学館)
2 小学校性の指導 ファックス資料(小学館)
3 保護者参観授業で行う”保健の授業” 福井教育サークル著(明治図書)
発問1:
みんなは、入学してからどのぐらい大きくなりましたか。
子どもは、入学時の身長・体重、4年生4月の身長・体重を記入したプリントを持っている。
「ぼくは○㎝のびた」「△㎏も増えたよ」と、話が出る。
身長が15㎝のびた人もいれば、5㎝のびた人もいるんだね。
人それぞれ、違うんだね。
こうして、大きくなっていくんだね。
1 男女の赤ちゃんの絵(影絵のように黒くなり、
どちらが男女かわからない)を出す。
発問2:
どちらが男の子で、どちらが女の子でしょうか。
「えーっ」
「右かなあ」
「髪が短いような気がするから、左」
「髪の短い女の子もいるよ」
などと考えている。
すかさず、男女の赤ちゃんの絵を裏返す。
(裏返すと、性器が見えるようになっている)
「わあ」
「当たったあ」
発問3:
どうして、左側が男の子だとわかるのですか。
「髪が短いから」「顔が・・・」と出るが、恥ずかしそうにしている。
その中で1人が「ちんちん」と話してくれる。
発問4:
「おちんちん」のことを、難しい言葉で言ったね。
覚えているかな。
「あ、性器だ」
発問5:
そうだね。「性器」だね。
男の子の性器を何というでしょう。
女の子の性器は何というのかな。
「ペニス」「ワギナ」
昨年学習している「精巣」「子宮」という言葉も聞かれた。
説明1:
そうです。
性器が違うから、赤ちゃんが男の子か女の子かわかるのです。
後ろ向きの大人の男女の絵を出す。
発問6:
どちらが男の人か女の人か分かりますか。
「左が男で右が女」と迷わずに答える。
発問7:
大きくなると、性器以外のところでも区別がつきますね。
大人と子どもで違いはありませんか。
「男はからだが四角い、女は丸い」
「女はむねが大きい」
「男はヒゲがある」
などと出てくる。
ここで、準備したプレートをはる。
説明2:
男の子が、がっしりしたからだつきになるのは、
将来お父さんになり、おくさんや子どもを守るためだと言われています。
また、女の子の乳房がふくらむのは、
将来お母さんになり、赤ちゃんにおっぱいをあげるためだと言われています。
子ども達は、恥ずかしそうに聞いている。
説明3:
小学校4~5年生くらいになると、脳の真ん中から
「そろそろ大人になる準備をしてください」という信号が送られます。
その信号は、男の子はここ、精巣に、女の子はここ、卵巣に届けられます。
話をしながら、大人の男の人、女の人の絵をはる。
そして、その中にある精巣、卵巣を指す。
発問8:
そして、だんだん大人の男性や女性の体つきになっていきます。
では、体の中ではどんな変化が起こっているのでしょう。
説明4:
男の子は、射精ということが見られます。
「射精」と書かれたプレートをはる。
発問9:
ここ(精巣)では、何が作られるのですか。
3年生の時に学習しているので「精子」と言う声が返ってくる。
男性性器を横から見た図(「小学校性の指導 ファックス資料」小学館 p56)を掲示し、
精巣、尿道、ペニスを指しながら説明する。
説明5:
精巣では、命のもと、赤ちゃんのもとである精子が作られます。
大人の男性になると、毎日何千万個もの精子が作られます。
作られた精子は、いろいろな液と混ざって精液となり、
ペニスの尿道というおしっこの道を通って外へ出されます。
こうして精液が外へ出されることを射精といいます。
恥ずかしがる子はいない。真剣に教師の話を聞いている。
説明6:
初めての射精は、夜眠っている間に起こります。
朝起きてパンツがぬれているのに気がついて「おねしょかな」と
驚くことが多いそうです。
続けて女の子の話をする。
説明7:
女の子は、月経ということが起こります。
「月経」と書かれたプレートをはる。
発問10:
ここ(卵巣)では、何が作られるのですか。
子ども達は「卵子」と言う。
説明8:
そうですね。
卵巣といって、赤ちゃんの卵、卵子が作られるところでしたね。
女の子のからだが大人になる準備が始まると、
卵巣から月1回、卵子が出されます。
卵巣から出された卵子は子宮に向かってゆっくり送り込まれます。
子宮につくまでに1週間ほどかかります。
子宮は赤ちゃんの育つ部屋です。
ここでは、女性に性器を正面から見た図(「小学校性の指導 ファックス資料」小学館 p53)を
指しながら説明する。
次に、月経の仕組みを示した図(「小学校性の指導 ファックス資料」小学館 p54、55)を
1枚ずつ出しながら説明する。
説明9:
子宮の内側に血液をいっぱい含んだ膜ができます。
そして、それが次第にあつくなっていきます。
しかし、卵子が精子と出会わなかったとき、
赤ちゃんが育つための血液いっぱいの膜はいらなくなります。
この膜がこわれて外に出てきます。
これを、月経と言います。
長い説明だが、子ども達の目は黒板にくぎづけであった。
説明10:
月経は、5,6日ぐらい続きます。
普通1ヶ月に1回でなりますが、最初の月経から2年間ぐらいは
数ヶ月に1回だったり、1ヶ月に2回もあったりしてとても不規則です。
からだが成長するにつれて、規則的になります。
射精も月経も、早い人は小学校4年生ぐらいで起こります。
でも、中学生ぐらいで起こる人が多く、高校生でなる人もいます。
人によってはじまる時期はずいぶん違います。
「個人差」があることを強調する。
そのために、身長・体重の増え方も違っていることを改めて出すのもいい。
月経になったときの話をする。
私が初めて月経になったのは、みんなと同じ小学校4年生の時でした。
クラスでは2番目に早かったのです。
休み時間のたびにトイレに行くものだから、
男の子達は「えっ」と変な目で見ていました。
それがイヤでイヤで仕方ありませんでした。
もし、月経になった子がいたら冷やかしの目で見てほしくないなあと思います。
○○先生はどうでしたか。
今度は、月経になるのが遅かった先生の話である。
私は小学生の時から、身長も体も大きかったのです。
中学生になって、みんなが次々に「月経になったよ」という話をしていても
、私だけはまだでした。
自分の体だけおかしいのかなあと、心配になりました。
そんなとき、友達が
「○○、大丈夫だよ」「今は準備しているときなんだよ」
と、励ましてくれました。
初めて月経になったときは「よかったね」と自分のことのように喜んでくれました。
だから、全然イヤな思いはしなくてすみました。
発問11:
みんなだったら、そんなときどうするかな。
「ひやかしたりしない」「イヤなことを言わない」などと、口々に話す。
体だけでなく、心も大人に近づきたいね。
プリントにわかったことや思ったことを書いてまとめた。
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