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TOSSランドNo: 8949866 更新:2013年10月11日

中学校でも証明!五色百人一首の力


 3時間目の百人一首は燃えました。
 チャイムが鳴った時、みんなが汗をかいていました。百人一首がこれだけ燃えられるものだとは知りませんでした。格闘技です。
 「勝ったらランキングアップ!」がいいですね。
 先生、お願いです。
 3学期も百人一首をやりましょう。
 私は、冬休みに特訓します。  (有希子)

 チャイムとともに、「もっとやろう!」「またやろう!」コールが起きた。
 教室は熱気に包まれた。
 五色百人一首は、中学校でも生徒を熱中させることが証明された瞬間である。
  
 箱を持って教室に入った。
 「先生、それ何?」と亮一。
 私はニヤッと笑って、「今日は百人一首をやります」と告げ、箱を開いた。
 「イエー!」という歓声とともに、「百人一首クラブの伸介が強いよ」「俺、全然知らない」という男子の声。
 結果がはじめから決まっていることを、中学生は嫌がる。
 そこで、次のように説明した。

 心配はいりません。
 これは、皆さんが知っている《下の句カルタ》とは違います。
 これは、五色百人一首です。
 しかも、ひらがなで印刷されています。
 安心して挑戦してください。

 「それならやる!」と、一之は目を輝かせた。

 机を会わせるように指示した。
 男子と女子が笑顔で向かい合っている。
 私は赤い札を一組ずつ配った。
 生徒は札が20枚あるかを確認し、10枚ずつ机に並べた。
 「練習です。先生が上の句から読みます」とだけ言って、私は読み始めた。
 下の句に入った途端、「ハイ!」という元気な声があちらこちらから聞こえてきた。
 ルールを知らない生徒が唖然としていた。
 すぐにルールを把握した生徒が、相手の生徒に教えていた。
 男子と女子が教え合っている姿は、実にほほえましい。
 試合を進めながらも、生徒はルールを覚えていく。
 耕太は真剣な表情で、綾子の説明を聞いていた。
 「わかりましたね。札には下の句が書かれています。もう1度練習します」
 私が札を読み始めた瞬間、教室はシーンとなった。
 その変化の早さに、私は驚いた。
 生徒と一緒に百人一首を楽しんだ伊多先生は、その時の様子を次のように話してくれた。

 私の授業では、あんな瞬間的に静かになることはありません。
 生徒は正直ですね。
 楽しいものに目がないんですね。
 あの姿を見て、私の3学期の目標ができました。

 初めてから、わずか3分で五色百人一首は生徒の心をつかんだのである。
 
 3度練習して、いよいよ本番となった。
 はずは、握手から試合は始まる。
 「お願いします!」という元気な声が教室に響いた。
 どの生徒の目も輝いている。
 「絶対に負けないぞ!」という耕太に、綾子は「私が勝ったら、今日の給食をもらうわよ!」と反撃した。
 札を読み始めた。
 下の句に入った途端、「あった!」の勇ましい声。
 1枚とっただけで大騒ぎである。
 負けた生徒は、悔しさを体全体で表現していた。
 「勝った人?」と聞くと、「ハーィ!」という元気な声が帰ってきた。
 隣の授業では授業が行われている。
 苦情が出るか心配であったが、この雰囲気を大切にするためにそのまま進めた。
 すぐに、2枚目を読み始めた。
 私の声とともに、教室は静かになった。
 1枚の札を2人で触れあったペアがいた。
 「同時に触れた場合は、手が下の人が価値です。どちらが下か分からない時は、ジャンケンで決めて下さい」と説明した。
 3枚目を読んだ。
 耕太と綾子が同時に札に触れたようである。
 私は、どうなるか注目した。
 耕太が「いいよ、お前が早いから・・・」と綾子に譲っていた。
 綾子は恥ずかしそうに、その札を受け取っていた。
 私の心は温かくなった。
 4枚目を読んだ。
 隆介と絵里子が違う札に手をおいた 
 お手つきをした隆介は。頭を抱えた。
 その滑稽な姿に、教室中が大爆笑した。
 私も笑いながら「お手つきをした人は、相手から1枚もらってください」と説明した。
 隆介は悔しさいっぱいの表情で、絵里子から札を受け取った。
 5枚目を読んだ。
 「1枚も取れないのでは・・・」と心配していた浩司が、自分の目の前にあった札をとった。
 浩司は飛び上がって喜びを表現した。
 私は「よくやった!」と浩司に笑顔で声をかけた。
 百人一首クラブの光一が苦戦していた。
 いつもは冷静な萌子が、黙々と札を集めていたのである。
 ここで、ルールを1つ付け加えた。
 「自分の札にカギって、裏に書いてある上の句見てもいいですよ。でも、次の札を読み始めたら、もう見られません」
 このルールで、負けた生徒が、すぐに次の勝負に気持ちを切り替えるようになった。
 次のために、わずかな時間を使って上の句を暗記しようとしたからである。

 「参りました」
 負けた生徒が、勝った生徒に頭を下げて試合が終わった。
 時間にしてわずか7分間である。
 「もう1回!」という声の中、ランキング制について説明した。
 勝った生徒は教室前方に席を1つ移動する。
 負けた生徒は教室後方に席を1つ移動する。
 これで、次の対戦相手が決まる。
 一斉に座る位置を移動した。
 握手をして、いよいよ2試合目である。

生徒には、いっぱいの笑顔があった。
教室には、いっぱいの活気があった。

 五色百人一首をやっての感想である。


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