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TOSSランドNo: 1145161 更新:2013年10月12日

最新環境教育・日本企業の温暖化対策を授業する(1)世界初!《ボトルtoボトル》を実現した帝人ファイバー


北海道東部に位置する知床の写真を提示する。
大自然が残る知床は、世界遺産に登録されることが決まっている。

発問1:

知床の海岸に1頭のトドが打ち上げられました。悲鳴を上げ続けた後、息が途絶えました。
解剖後、胃の中からあるモノが発見されました。それは何か、予想してください。

正解は「ペットボトル」である。ペットボトルは、ここ10年ぐらいで急速に普及した。それは、《1.安全で衛生的  2.軽い  3.透明で安心  4.割れない》という利点があるからである。
ここで、ペットボトルの生産量を示したグラフを提示する。
ペットボトルの生産量は、10年で2倍に増えている。2002年度の数値で見ると、国民1人当たり20本弱の500mlのペットボトルを使用している計算になる。
リサイクル率は、1997年以降、飛躍的に伸びている。これは、同年4月に施行された容器包装リサイクル法に基づく流れである。
ペットボトルのリサイクルが始まった当時、傘・カバン・レインコートなどさまざまなリサイクル商品が開発された。

発問2:

これらの商品は、売れたでしょうか。売れなかったでしょうか。

正解は、「売れなかった」である。
現代は、「価値」の時代である。「リサイクル」という言葉だけで商品は売れない。リサイクル率を上げ、採算を得るために、各企業は『ボトルtoボトル』を合言葉に技術開発を進めた。
しかしながら、当時、ペットボトルは洗浄して砕いてとかす『マテリアル・リサイクル』が主流であった。ボトルのキャップや小石などを分別できなかったため、政府は「人体への影響を考えたとき、直接口にする部分をリサイクル品で賄うことは許可できない」とペットボトルへのリサイクルが認められていなかった。
この難題に挑戦した企業がある。それが、(株)帝人ファイバーである。
帝人ファイバーは、使用済みペットボトルを化学的に分解し、異物を取り除かなくても石油から精製したものと同じ品質のポリエステル原料に再生することに成功した。これを、『ケミカル・リサイクル』という。年間5万トン、500mlのボトル17億本相当の再生が可能となった。

ペットボトルがリサイクルされる流れを確認した。
《使用済みペットボトル→フレーク→DMT(テレフタル酸ジメチル)→TPA(テレフタル酸)→PET樹脂→ペットボトル》となる。

『ボトルtoボトル』の技術を確立したのは、世界で帝人ファイバーだけである。帝人が開発した技術によって、2003年度のリサイクル率は49%に達した。2004年は、50%を越えることが確実視されている。しかも、石油から製造した場合に比べると、消費エネルギーは2割・CO2排出量は5割削減となる。
まさに、夢のような循環型リサイクルシステムである。

発問3:

帝人の技術だけで、知床のトドは救えるのでしょうか。

正解は「いいえ」である。
リサイクルの流れに乗らないペットボトルは分解されることなく半永久的に地球を存在することになる。

この流れに歯止めをかけようとしている研究者がいる。三重大学の舩岡正光教授である。
彼は、木材に含まれる樹脂・リグニンからプラスチックと同じ素材をつくり出すことに成功している。その技術を応用すれば、ペットボトルの製造も可能である。

発問4:

木からできたペットボトルを、土に埋めるとどうなりますか。

正解は「微生物に分解されて土にかえる」である。
これを『生分解性』という。帝人が開発した技術と舩岡教授が開発した技術。
21世紀を生き抜く人々に、日本の企業と日本の研究者は、明るい未来を約束しているのである。


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