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TOSSランドNo: 1235140 更新:2012年12月10日

「十字架(クルス)の島」(山本和夫作詞岩河三郎作曲)の指導法


混声三部合唱「十字架(クルス)の島」( 山本和夫 作詞 岩河三郎作曲 ) を指導するときのポイントを、音楽の授業はもちろん、合唱コンクールなどの行事の時、担任の先生や生徒さんにもわかりやすくまとめました。

 長崎県佐世保市からフェリーで約50分の黒島を舞台とした曲。一説には、「クルス島」が変化して「くろしま」になったともいわれる。キリシタン迫害の歴史もいっしょに学習し、気持ちを込めて表現したい。曲の中にいくつも書かれている表現の注意、頻繁に出てくる強弱記号を忠実に表現するだけでも効果が十分現れるように作られている名曲である。特に、クレシェンド、デクレシェンドを上手に歌うと曲に抑揚がついて効果的。難しい言葉も、意味を理解して歌おう。

前奏Allegro con spirito 速く 生気をもって (荒れる海)と書かれている。これから何か重大なことが起きることを予測させるような、雲行きの怪しい音楽をダイナミックに演奏する。最後のritとデクレシェンドを効かせて。

1.(島の情景)1拍前に全員で息を吸う。

「ハッ」という吸う音が聞こえるくらい、たっぷりと。強弱の指示はf。はっきりと強く。「げ」のGや「か」のKをはっきりと発音すると共に、「か」や「な」「だ」のAの母音、「の」の「O」の母音で口を縦にあけ、声をぐーっと前に出して歌う。けしてゆるめないでブルドーザーのように前に出し続ける感じで歌う。アルトが言葉を2回繰り返して歌うのは強調。2回目も強く。ソプラノと男声が「の」「る」を伸ばすが、伸ばしながらだんだん強くするつもりで、4拍しっかり伸ばして歌うと、ちょうどよい緊張感になる。(無意識だと弱くなるか、短くなってしまう)
どちらかというと「げ・ん・か・い・なーあだ・のー」というかんじでひとつひとつをはっきりと発音する。
玄界灘、どこにあるか、もちろん調べましたね?

2.「玄界灘の荒波寄せる」をしっかり強く歌っておいて、「小さな島」をキュッと一瞬で小さく歌い、「しま」の「まー」でぐーっと大きく歌う。

小さくても、「ち」「し」「く」をはっきりと歌う。「黒島」の「ま」でまた小さくする。

3.「人は」から語る感じの部分。

口を動かし、子音をはっきり飛ばす。「ひ」のH、「は」のW、「さ」のS、「いう」も「いゆうー」くらい強調して。弱く小さく歌うところほどはっきり発音するよう心掛けること。
Meno mosso これまでよりゆっくり
「隠れ」の「れー」でぐーっと大きくし、「里という」でまた弱くする。「は」「の」「う」など、言葉の語尾が短くならないように、必ずきちんと伸ばすこと。

4.Tempo Ⅰ (テンポ プリモ) 初めの速さで

伴奏の形が変わり、歌う部分になる。伴奏に乗せてどんどん歌っていく。「逃れて」まではアルトがメロディー。ソプラノが大きいようなら、この部分だけ何人かアルトの部分を歌う小技を使うとよい。「逃れて<イエスの子羊たちが<移り住んだ」と3段階に大きくする。「だー」のクレシェンドを効かせるために「移り住んだ」の「んだ」をいったん小さく歌って「うつりす>んだ<-<-」と盛り上げて歌うのを私は好む。演奏によってはこの部分をすこしゆっくりにすることもある。

5.「悲しい」をキュッと小さく歌うための準備で、その直前のアルトと男声の「のー島」をていねいに、そして、「まー」の部分のピアノ伴奏をほんの少しゆっくりにする。

「悲しい<伝説の>今日も」という強弱をきちんと歌うこと。男声の「黒島」はブレーキをかける感じで、ピアノと指揮とあうように効果的な速さを練習する。「殉教の島」は語り。言葉をはっきりと、ささやくように。3バートのハーモニーの重なりを聴かせる。

6.「ま」から伴奏が前奏と同じパターンに戻る。Tempo Ⅰ (テンポ プリモ) 初めの速さで

Moderato 中くらいの速さで (まじめに)ってどう歌うんだろうね?ここは語りの部分「し」のS、「か」のKをていねいに長めに発音する。言葉をはっきりと、ささやくように。3バートのハーモニーの重なりを聴かせる。「貧しくとも」から曲が動き始め、歌う部分になる。男声の「貧しくとも」、2回目は強調。より強く。メロディーがソプラノに受け継がれる。「守らねばならぬ」以降は再び語り。「ま」「な」「か」をはっきり歌う。言葉をはっきりと、ささやくように。3バートのハーモニーの重なりを聴かせる。

7.(お祈りのRecit. (レチタチーヴォ 語り調となる部分。叙唱。)

口をカキコキと動かして、言葉をはっきりと、ささやくように。3バートのハーモニーの重なりを聴かせる。S、K、H、Tなど、特に意識して。言葉の語尾が短くならないように、必ずきちんと伸ばすこと。緊張感を保ったままで、息継ぎはするが、流れは途切れないように。
観世音菩薩って、どんな菩薩様でしょう?たなごごろ、わかりますよね。

8.「みんなは」から曲が動く。

朗々と、大きく。「隠し持って>祈った」、上記語る部分と同様に、言葉をはっきり、ハーモニーをはっきり。

9.(暗く) ピアノの和音で場面が暗転するイメージ。

ドラマティックに、「だが」をはっきりと。歌い方として「だ・が」「うしろのにしのびよる」「ふ・み・え・の・く・ら・き・か・げー」のように、はっきりと歌う部分と、なめらかに歌う部分の差をつける。Meno mosso 上記を参照

10.(不気味に) (騒然と Allegro(速く) 

次に起きる悲劇を予感させるほどに、ピアノの役割は大きい。rit.でタイミングをあわせて全員でブレスをする。もちろん男声がメロディー。Allegretto やや速く (悲愴な叫び)を歌う。軽く平坦にならないように、「れきしを/ちで/そめた」のように、重く言葉を歌う。女声は何を表現しているか、考えてみよう。本来なら言葉で歌うはずが、言葉にならない叫び、言葉にできないもっと深い苦しみ、腹の底から吠えるような表現を、深い「ウォー」で表現しよう。

11.Allegro animato (速く 活気をもって) 

男女がずれて歌い始める、男声が繰り返すことでだんだんと盛り上がっていき、「今日もまた」から3パートそろって、さらにパワーアップして盛り上げていく。「官憲の刃>を<-<-」と「を」でいったん小さくすると効果的。
Meno mosso 上記参照 「死んでいったとvゆーう~」いったんブレスをして、そろって「ゆう~」を歌う。グリッサンドの下がりかたはこだわらなくてよいが、一番下に降りた音は確認し、そこでもハーモニーが聞こえるようにする。難しいようなら、1オクターブ下の音まで降りる約束にすればよい。
「官憲の刃」ってなに?

12.Moderato 上記参照 (賛美歌)

美しいハーモニーが無伴奏でも歌えるようになろう。mと書かれているが、実際はハミングと同じでよい。

13.長いフレーズの中でp~mp~mf~f へとだんだん盛り上がっていく。

この緊張感をもって、最後まで歌う。速さもAllegretto 歌い方の指示も (ほのぼのとして) (明るくなって) (高らかに)と、これまでの悲惨なシーンとは全く違うことがわかる。各パートがずれて歌う部分でだんだん強調していくように大きくなるように歌う。
「光は」から長調になり、曲そのものも明るくなる。特に「さんさんさんさん」という言葉は光が降り注ぐ様を表現しているので、そう言うイメージを持って歌うと、聴衆にも太陽の光が感じられる。
「さわやかに」の付点も、心がはずむような、そんな気持ちで歌う。その明るい未来を予測させたまま最後まで。

アンジェラスの鐘って、どんな鐘ですか?

(曲が「歌う」部分とゆっくりの「語る」部分に分かれている。それを意識して、どちらも上手に歌えるように練習すること。とくに、ゆっくりの部分は、息を続けることと共に、緊張感が必要。もうひとつ、曲が各パートがずれて歌う部分と、いっしょに歌う部分に分けられる。この違いも意識して練習すると、ずれた部分から全員が揃った部分のエネルギーが倍増して、すばらしいしあがりになる。


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