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TOSSランドNo: 2527910 更新:2013年09月08日

【修正追試】東京裁判(小林義典氏の原実践)


【修正追試】東京裁判(小林義典氏の原実践)

 前時で、GHQの日本改造の5大改革を教科書で学び、子供達は、一同、「アメリカはいいことをした。」「日本なんか、早く負ければよかった。」「戦争に勝ったアメリカは何か嫌がらせをするかと思ったけど、何も悪いことをしなかった。」と感想を書いていた。
 若干名、「様々な権利を国民に与えたのはよいが、日本にだけ軍隊を持つなと要求し、アメリカは世界で一番強い軍隊を持っているのはおかしいと思う。」「やりすぎだと思う。少なくとも日本の憲法なのだから、日本人につくらせるのが普通だと思う。」という感想を書いていた。この状態で、授業を行った。

1.実践の内容

 ポツダム宣言受諾後,サンフランシスコ平和条約が結ばれるまでの約6年間,日本はアメリカの占領下にあった。東京裁判(極東国際軍事裁判)はこの間に行われた。
 事後法(実際には条例であって,いまだ法にはなっていない)によって戦勝国が戦敗国を裁くという,公正さを欠く裁判であった。
 しかし,形だけとはいえ,裁判と名のつく場で日本のリーダーが断罪された。この事実が我々日本人に与える影響は大きい。東京裁判から目をそらさず,この裁判は公正に見るとどうだったのか,ということに子供たちの目を向けさせたい。
 そう願って,この授業を行う。

発問1:

(●極東国際軍事裁判法廷の写真を提示)何をしているところですか。

「話し合い?」
「裁判。」
「戦争裁判?アメリカ兵が見張りをしている。」

説明1:

これは,みなさんが勉強してきた戦争,太平洋戦争に負けた半年後の写真です。場所は東京。日本が戦争に負けて,アメリカの軍隊が日本に入ってきて,日本は占領されました。その東京で行われた裁判の写真です。
(●ロゴ「東京裁判」提示)東京裁判と言います。言ってみましょう。さんはい。 ....正式の名前は極東国際軍事裁判です。

発問2:

裁判所には4種類の人が必要です。どんな種類の人が必要ですか。

丁度、公民の学習を同時並行で行っていたので、教科書を見ながら答えられた。
 裁判官(有罪,無罪の判決を下す人)
 被告人(訴えられている人)
 弁護人(訴えられている人を弁護する人)
 検察官(被告の犯罪を証明する人)

指示1:

(●「裁判を構成する人」提示)追い読みです。
裁判官(裁判官)
検察官(検察官)
被告人(被告人)
弁護人(弁護人)

発問3:

この裁判の被告はどこの国の人ですか。(日本)

説明2:

この裁判では日本人が被告となりました。
(写真「法廷」を指して)ここが被告人の席。日本人が並んでいます。戦争中のリーダーたちです。

説明3:

(●写真「東条英機」提示)これは被告人の一人,東条英機です。言ってみましょう。さんはい。

発問4:

弁護人とは何をする人ですか。(被告が不利にならないように弁護する人)

説明4:

これは主に日本人がやりました。
(●写真「清瀬一郎」提示)東条英機の主任弁護人の清瀬一郎です。

発問5:

検察官はどこの国の人ですか。(アメリカ・連合国)

説明5:

アメリカをはじめ,戦争で日本に勝った連合国,11か国から検察官が出ました。
(●「11か国の国名と国旗」提示)
一緒に読んでみましょう。さんはい。
「アメリカ,イギリス,フランス,オランダ,ソ連,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,中国,インド,フィリピン」
インドはイギリスの植民地,フィリピンはアメリカの植民地でしたので参加することになりました。

説明6:

(●写真「キーナン主席検察官」提示)キーナンというアメリカ人。検察官の代表です。

説明7:

(●写真「ウェッブ裁判官」提示)この人はウェッブ裁判長です。何人かいる裁判官の代表です。

発問6:

裁判官は普通,どういう立場の人でいなければなりませんか。

「中立の立場の人。」
「検察とも被告とも、関係のない人。」
「公平な人です。」
「戦争に関係しなかった国の人です。」

説明8:

裁判官は両方の意見を聴いて中立の立場で判決を下せる人でなければなりませんね。

説明9:

この裁判は3年半もかかりました。その間,膨大な量の意見が戦わされました。それを短くまとめてみました。

説明10:

(●「検察側・弁護側意見」提示)
左が検察側,右が弁護側の意見です。左の検察側の意見を私が読みます。
みなさんは右の弁護側の意見を声を揃えて読みます。
「1. 日本は一方的に戦争をしかけた」→「これは自分の国を守る戦争だった」
「2. 日本は中国を侵略した」→「中国との戦争は日本の権利と日本人の命を守るために始まった。侵略ではない。」
「3. 日本は兵隊でない普通の市民を殺し,捕虜にひどい仕打ちをした。」→「日本の軍隊にもルール違反があったことを認める。」
「4. 日本は南京大虐殺で,数万の市民を殺した。」→「南京大虐殺は事実と異なる。」
「被告全員は有罪である。」→「日本だけが悪いという検察側の意見は間違っている。」

発問7:

どちらの意見に賛成ですか。

「弁護側です。自分の国を守る戦争だった,と書いてあります。」
「検察側です。弁護側は言い訳を言っているようだからです。」
「弁護側です。1番と2番では,アメリカは嘘を言っています。」
「検察側です。弁護側は日本にもルール違反があったことを認めています。」
「弁護側です。最後の,日本だけが悪いという検察側の意見は間違っている,という意見に賛成です。」
「検察側です。3番は,検察側が事実を言っているからです。」
「どちらとも言えません。」

説明11:

判決です。
(●「当時の新聞記事」提示)当時の新聞記事です。
(●新聞記事にサイドライン→●写真「被告」提示)
被告になった25人は全員有罪でした。東条英機をはじめとする7人は死刑。絞首刑です。
それから16人が無期懲役,死ぬまで牢屋に入っていなさいという判決です。
1人は20年,残る1人は7年間牢屋に入っていなさいという判決でした。

説明12:

先程,裁判官について話をしました。裁判官は中立の立場で,両方の意見を公平に聴き正しい判決を下さなければなりません。
裁判官がどこの国の人たちだったか。裁判官の席の後ろに国旗が飾られています。これらの国の人々です。
(●「アメリカ,イギリス,フランス,オランダ,ソ連,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,中国,インド,フィリピンの11か国の国名と国旗」提示)

発問8:

この事実を,どう思いますか。

「ひどい。」
「これは、裁判にならない。」
「検察官と裁判官がどちらも同じというのは、公平な裁判とは言えません。」

説明13:

裁判の進め方にも問題がありました。
(●「『東京裁判却下未提出弁護側資料』全8巻」提示)
これは,弁護人が「私たちの言うことは正しい」ということを証明する証拠としてまとめたものです。
しかし,裁判官に取り上げてはもらえませんでした。「聞く必要はない」と発表させてももらえなかった資料です。
これとは逆に,検察側の証拠は,人に聞いた話のような事実かどうか怪しいものまで証拠として取り上げられました。

発問9:

11人の裁判官は,みんな同じ判決を出したのでしょうか。

指示2:

みな同じ判決を出したと思う人?違う判決を出した裁判官もいたと思う人?

この国々ではみな同じだという意見が多かった。
勉強している子は、インドは違うという子もいた。

説明14:

(●「少数派判事の国旗と写真」提示)11人のうち,4人の裁判官は,この判決が公正ではないという意見書を提出しました。
中でもインドの裁判官だけは他の裁判官とは全く違う意見を述べました。

説明15:

(●パル判事の写真を提示)インドの裁判官,パル判事です。パル判事,言ってみましょう。さんはい。
このパル判事は,日本は無罪であるという意見を出しました。
(●『パル判決書』提示)本にするとこんな厚さになるほど膨大な意見書です。しかし,残念ながら,裁判官の多数決で負けてしまいました。
裁判の中では発表を許されず,新聞などで報道することも許されず,当時の日本人には知らされませんでした。

説明16:

この意見書の最後にこのように述べています。
(●最後の言葉を提示)一緒に読みます。さんはい。

「やがて長い年月がたち,世界の人々が復しゅうではない公平な見方で歴史を見ることができるようになった時には,
 この裁判が正しい裁判ではなかったことを,多くの人が理解できるようになるであろう。」

発問10:

この裁判所を設置し,裁判を行うための条例を作り,裁判官や検察官を決めるなど,東京裁判全体を取り仕切った人は誰ですか。

(●マッカーサーの写真を提示)ダグラス・マッカーサーという人です。
東京裁判だけでなく,日本を占領する仕事のリーダーだった人です。
1951年5月3日,マッカーサーは次のような言葉をアメリカ国内の公式な場で述べています。
東京裁判が終えて3年も経っていない時期です。

指示3:

(●ダグラス・マッカーサーの言葉を提示)大きく拡大した所だけ声を揃えて読みます。さんはい。

説明17:

「日本が戦争に飛び込んでいった動機は,大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。」
 つまり,日本は侵略戦争をしたのではなく,国を守るために戦争せざるを得なかったと言っているのです。

<修正部分>

このまま終えると、子供たちは、悔しい思いが残ってしまうので、授業の最後に、ブレイクニー弁護人の有名な「東京裁判無効論」の演説を視聴させたことだ。
 アメリカ人の中にも、公正な裁判を求めた人がいたことを示した。

 この授業は、「歴史を様々な角度から見られる子供を育てたい」というねらいで実践した。そのねらいを達成するために、前時に受けたGHQの政策への印象をまったくひっくり返した。思想教育が目的ではない。
 教科書での授業は、全員がGHQの占領政策を、一同、「素晴らしい」と評価した。情報が少ないからだ。全員が画一的な意見をもっている方が気持ち悪い。
 それに様々な情報を与えて、多様な評価がある方が自然だ。
 しかも、この授業では、同時進行で行っていた公民の「裁判制度」の布石にもなる。

指示4:

今日のお勉強をノートにまとめておきなさい。

2.子供たちの感想

授業後、子供達は、以下の様な感想を書いていた。
授業が終わってからも、必死に食らいつき、ノートに1ページびっしりと感想を書いた子もいた。

1.
弁護人に賛成である。
なぜなら、1の(日本が)一方的に戦争をしたは、ABCD包囲網で石油を止めたのはアメリカなどの国がしたので一方的ではない。
2の中国を占領したというのは、もともと中国軍が線路を攻撃したのが始まりで、このままだと日本人の市民が殺されてしまうので、中国軍が戦争をするということを言わないで、戦争をしたと考えられるから占領ではない。
3の市民を殺したは、アメリカも戦争に関係のない人を殺すことをして、そして、原爆を落とした理由が実験という理由で市民を殺したアメリカがわるい。
4の南京虐殺は、ちゃんとした証拠がないので裁判には関係がないと思います。今の日本は裁判も戦争もできないくらい力がなくなったと思う。
(※1.の意見を書いた子の、「検察側2の主張」の反論として書いた「線路」を攻撃は、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件を事実誤認している。これは関東軍が行ったことだが、彼はなぜ、関東軍が柳条湖事件を起こしたのかという要因を調べている。教科書には、日本軍が鉄道を爆破して中国軍の仕業に見せかけて満州事変を起こしたと記載されているが、彼は、なぜ、そんなことを日本がする必要があったのか疑問に思って、調べてきた。すると、満州事変の前後に日本人居留民へのソ連や中国国民党、共産党による虐殺事件に当たっている。私もその事実に当たった。そのことを書きたかったらしいが間違えて記述してしまったらしい。)

2.
東京裁判で日本側を数々と有罪にしている連合国だが、フランス、オランダ、オーストラリア、インドは日本は全て悪いわけではないと言ってくれたし、その他の国の人でも少しは公正裁判をしろと言ってくれる人がいたのでよかった。

3.
裁判が不公平に行われるのは許せないと思う。
マッカーサーがもし悪かったと思うなら、自分から謝りに来たり、二度とそういうことをしないというような条約を結んだりするべきだったと思う。

4.
裁判になり、 日本は必要以上の罪を受けることになり、東京裁判が不公平な裁判だということが分かった。でも、連合国の中でも法の正義をまっとうしようとした人々は、日本人の恩人として、たたえなければならないと思った。
現在、真実が判明したため、私たちは過去の歴史を変えなければならないと思った。

5.
アメリカのマッカーサーは矛盾している。
アメリカなどの圧力に負けて死刑にならざるをえなかった人はいるが、インドなどはがんばってくれたので、アメリカなどはひどいが、インドには感謝したい。いろいろな国に、日本を守ってくれる人がいるのはとてもありがたいことで、アメリカの政府はとてもずるいと思った。

しかし、次の様な感想を書いた子もいる。東京裁判史観から抜け出せていないのだが、それについては、様々な意見を子供達が持っているという点で構わないと思う。
A級戦犯だけは、靖国神社を参拝する際に除外して祈っているという「A級戦犯特別視論者」がいるもの事実である。

6.
日本の意地のせいで、数十万人もの人が亡くなったので、東条英機らが死刑になり、ろうやに16人入ったのは当然の結果だと思う。
(※ちなみに、大東亜戦争の犠牲者は、数十万人ではない。日本人だけでも、400万人を超えている。原子爆弾による死者や東京大空襲による死者と勘違いしてしまったらしい。これは私の指導不足だ。)

だが、東京裁判の不当性は、個人の戦争責任追及をすることができないはずの国際法で、個人の戦争責任を追及した点にある。
その指導は頭に入っていなかったという反省点が子供の感想から分かった。

〈参考資料〉

◆齋藤武夫『授業記録 東京裁判の授業』自由主義史観研究会『歴史と教育』平成13年5月号
◆清瀬一郎『秘録 東京裁判』中公文庫
◆東京裁判研究会『共同研究 パル判決書』講談社学術文庫
◆藤岡信勝『教科書が教えない歴史②』扶桑社
◆歴史・検討委員会『大東亜戦争の総括』展転社
◆田中正明『パール判事の日本無罪論』小学館文庫
◆終戦五十周年国民委員会『世界がさばく東京裁判』ジュピター出版
◆中条高徳『おじいちゃん戦争のことを教えて―孫娘からの質問状』致知出版社
◆名越二荒之助『世界から見た大東亜戦争』展転社
◆ASEANセンター『アジアに生きる大東亜戦争』展転社
◆名越二荒之助『昭和の戦争記念館 第5巻 すべての戦歿者に捧げる』展転社
◆勝田吉太郎『日本は侵略国家ではない』善本社
◆勝田吉太郎『戦後民主主義の解剖』國民會館叢書
◆田中 卓『歴史家として観た戦後五十年』國民會館叢書
◆上原卓『NIPPONの気概』モラロジー研究所
◆占部賢志『歴史の「いのち」』モラロジー研究所
◆渡部昇一『新憂国論』徳間書店
◆三根生久大『ドキュメント東京裁判』K.K.ダイナミックセラーズ
◆『決定版 昭和史』毎日新聞社
◆『グラフィックカラー昭和史第9巻~占領下の日本~』研秀出版
◆産経新聞社『あの戦争~太平洋戦争全記録~』集英社
◆平塚柾緒『図説 東京裁判』河出書房新社


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