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TOSSランドNo: 2210335 更新:2012年12月05日

『ブロークン・ウィンドウ理論』を学級で語る


イラクの首都バグダッドが陥落して、平和が訪れるかと思ったらイラク人自身による略奪行為が横行しているといいます。フセイン大統領の恐怖政治が行われていた数か月前、首都のバグダッドは犯罪がほとんどなかったと言います。自由を手にした途端、無法地帯になってしまうとは、実に皮肉なものです。

『ブロークン・ウィンドウ理論』というものがあります。
それは、簡単に言ってしまうと<窓の壊れた家には泥棒が入りやすい>ということです。
     「もう壊れているんだから、オレが少しくらい何かを持っていっても関係ないだろう」
     「誰かが既に泥棒しているんだから、オレだってやってもかまわない」
     「アイツがやっていることと同じことをやって、何でオレが罪人にならなくちゃけないのか」
こういった考えが犯罪を誘発し、治安を乱す原因になります。破壊された街では、人間の良心は麻痺しがちです。

ゴミの落ちていないきれいな教室に、最初にゴミを落とすのには心理的な抵抗が大きいものです。洗車した直後は水たまりをよけて運転するのと同じ心境なのでしょう。きれいな環境の中では、人間の理性が働くのです。
ところが、既にゴミが落ちている教室では、次にゴミを落とすときの心理的敷居は低くなります。ゴミを落として先生に叱られても、「アイツもやっているじゃないか。何でぼくだけ叱るんだ?」と言えるからです。

私が靴箱を正常に使わせたいと思うのも、ここに理由があります。たった1人でも見逃すと、次の日には3人、3日後には5人と正常に使わない人が増えていきます。また、机の落書きも、私が見ている目ですぐに消させるようにしています。

これらは、『ブロークン・ウィンドウ理論』と同じです。
1つの乱れがどんどん波及し、気がつかないうちに集団全体の秩序を乱してしまうのです。指導した後、「何で、私ばっかり…」という言葉が出るようになっては、まさに学級は末期症状です。学校生活のすべての面で、望まない方向へ進みつつあると判断していいでしょう。

『ブロークン・ウィンドウ理論』は、犯罪都市とよばれたニューヨークでも使われました。犯罪の温床とよばれた地下鉄駅の壁や車両に描いてある落書きを、莫大な予算ですべて消したといいます。落書きがないということは、犯罪者に「そこには警察の目が届いている」と思わせる効果があるからです。その結果、犯罪発生数が激減したそうです。

中学の合唱指導で有名な先生の話です。新しい学校に赴任すると、そこは校舎がひどく荒れていたそうです。蛍光灯がつかなくても誰も取り替えない。掲示物は破かれたままだったそうです。赴任して3か月間、毎日、校舎内の修理をしていたといいます。生徒の中にはその先生のことを公務補さんと勘違いする人もいたほどでした。
しかし、1年後には学校は落ち着き、3年後には合唱部が全国大会への出場を果たすようになりました。「環境が心を育て、生徒に努力することの大切さを教えた」と、その先生は語っていました。

ちなみに、阪神淡路大震災の時、外国の報道関係者が驚いたことがあります。
それは、大惨事で街は乱れているのに、誰も略奪行為をせず、きちんと並んで食事を受け取っていたことです。私は、これを聞いて、日本人に生まれて良かったと思いました。


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