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TOSSランドNo: 3678733 更新:2013年08月21日

【語り】普通に「卒業式」ができる幸せ


【語り】普通に「卒業式」ができる幸せ

1.実践の概要

たまたま2011年6年生を担任し、3月11日の東日本大震災の直後に卒業式を迎える学年を担任していた。卒業式を前に、若干のだらけが見られた子供たちに「普通に卒業式ができることが幸せなのだ」ということを被災地宮古市の家庭科室での卒業式の事例を通して語ったことがある。その時の記録。

2.実践の内容

説明1:

先日、被災地の岩手県宮古市の小学校の卒業式をテレビで見ました。

「岩手―子供たちの笑顔・卒業式 3.18」というタイトルで、一時期youtubeにもアップされていたニュース映像である。
今では、視聴できないので、子供たちには、概要を描写する。

説明2:

 体育館は避難所となっているので、家庭科室で、卒業式をしていました。
 先生も子供たちも、スーツではなく、避難した時の服のままです。
 中には、家族を失った子供たちもいます。
 「きちんとした卒業式をしてあげられなくて、申し訳ない。」と、校長先生が子どもたちに頭を下げていらっしゃいました。
 涙をこらえながら、呼名する担任の先生。
 胸を張って、卒業証書を受け取る子供たち。
 涙でぐしゃぐしゃになりながらお礼のあいさつをし、深々と頭を下げていらっしゃった保護者の方々が映っていました。
 保護者の方が、最後にどうしてもと言って、次のような挨拶をしていました。

 卒業式の時にお礼を言わなきゃならないんですけれども、ランドセルを背負って6年間、こんなに大きくなるまで面倒みてくれて、本当にありがとうございました。
 わたしが言う立場ではないんだけど、やっぱり何もお礼をしないでこのまま帰ってしまうのは、どうしても気が引けるので。それから、津波があった日も無事に避難させてくれて、こうやって家族の元に返してくれて、本当にありがとうございました。
 きっと間違いなくこういう困難を乗り越えた子供達は、強く立派に育っていくと思うし、私達親全員、本当に協力し合って、先生達が残してくれた命を立派に育っていきますので。
 本当に6年間ありがとうございました!

説明3:

 決して望むべき卒業式の姿ではないけれど。
 子供も保護者も、先生たちもお互いに癒えない心の傷を負いながらも、互いを気遣い、感謝の心を寄せ合う姿を見て、この子どもたちは、これからの人生の中で辛い場面に出会った時、確かに、今日の卒業式を思い出して、乗り越えていくにちがいないと思いました。
 「卒業式をしてもらえてうれしかったです。」としみじみ語る子どもたちの顔が心に残りました。
 そして、「卒業証書を受け取れなかった友達を思うと...ただ、只管、涙しか流れてきません...」と。
 これから、幸いにして、君たち、○○小では、卒業式を予定通り3月○日に行うことができます。

発問1:

 この全国で、歯を食いしばって頑張っている「同級生」を前にして、君達はどんな卒業式にしていきますか?

 卒業を前にして、若干の浮かれ気分があった子供たちも、シーンとなって、真剣にこちらを向いて話を聞いていた。

発問2:

 卒業証書を手にすることができるみんな、先生は、心から嬉しい。
 しかし、卒業式ができないまま、「生きること」に必死に向かい合っている被災地の同級生も。
 卒業証書を受け取れないまま命を亡くしてしまった被災地の同級生もいる。
 あなたは何をしますか?
 あなたはどう生きていきますか?

 この後、次の実践につなげていった。
 どんな拙いことでもいいから、教師である私自身も、子供たちにも、具体的に動いていくということを実践していった。

 現在では、震災から数年が経ち、比較的震災の被害が少なかった地域では、あっという間に被災地のことを忘れ去られようとしている。しかし、時には、現在の形に合わせて、宮古市での、子供、保護者、教師の互いを思いやる姿を、思い出し、震災を風化させないようにする努力をしていく必要性を感じている。


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