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TOSSランドNo: 3092965 更新:2013年08月19日

5年ふりこ「秒時計をつくろう」10 子どもの考え方の変容


「1秒時計を作ろう」~「1秒時計をもう一度作ろう」までの子どもの考え方の変容を述べることにする。
 子どもの変容としては次のようことが大まかにあげられる。

1 ふりこと出会う

 ふりこと出会い、素朴な疑問や感想を持つ段階。
 ふりこの動きの要素を大ざっぱにとらえる。 
1 少数だが、ふりこの糸の長さやおもりの重さに関して注目している子どもがいた。
2 糸の長さや重さに関係しているのか考えるだけで、きちんとした関連づけはしていない。
 以下どんな考えがあったか。

(1) 作った喜び、満足

 まずは、自分のふりこができたという満足である。
 それも自分の家庭から持ってきたもので作ったということで多くの子どもたちは満足していたようだ。

 子どもの感想を抜粋する。(文末のアルファベット記号は子どもの仮名。以下、同じ子は同じ記号で示した。)
1 「身近なものでいろいろなものが作れるんだな」(A)
2 「遊んでみてふりこは面白いものだと思った。他にもいろいろなふりこを作れるような気がしてきた。簡単に集められる物でふりこができるなんて不思議だと思った」(B)

(2)糸の長さに着目

 糸の長さを調節しながら活動した。
 すでに「ふりこの糸を短くすると周期が速くなる」ことに気づいている子が少数だがいる。
1 「ラインの長さを調節するのがむずかしかった。これからどんなふりこのなぞが解明するのか」(C)
2 「ピンクの糸はどうしてこんなに長くなくてはいけないのかなと思った。これからの実験に何か関係あるのかなと思った。 あと、糸の長さには何か関係あるんだろうか」(D)
3 「糸を長くしたときよりも短くしたときの方が速かったように思う。また家でふりこを使って何かを作ってみたくなった」(E)

(3)おもりの重さに着目

 たくさんの子が、用意されたおもりをたくさんつけていた。重いものほど速いという感想を持つ子は多かった。
 「3つの同じおもりをつけて、振ってみた。3つのときは速い。2つのときはふつう、1つのときは3つのときに比べて遅いような気がした。いろいろな実験ができて楽しかった。もっと世の中にはふりこを使ったものがあるんだなあと思った」(F)

(4)振れ幅に着目

 振れ幅に着目する子は少なかった。
 しかし、ここにも先入観があるのだろうか。
 「80グラムぐらいつり下げられてよかった。今よりももっとつり下げたい。・・・・・・ふり幅が短いほうが遅くて長い方は速かった」(G)

(5)ふりこの揺れの長さに着目

 「私ははじめふりこがゆれると10回ぐらいで止まると思いましたが5分も続いていました。おもりが違うだけで速さは変わる」(H)2 

2 1秒時計を作り、ふりこの周期の要素に目を向ける

 それによって、1秒に合わすためには何を変えるとよいのかということに問題意識を向けさせた。

(1)認識の流れ

 子どもたちは次のような順序で関心を向けた。

1 〈重さで変わるんだ〉

 とりあえずは、電子はかりでおもりを量っている子、たくさんおもりをつけている子が多くいた。
 この子たちは、やはりまず重さを加減すればふりこの周期が変わるだろうと考えている。このような子がほとんどだった。

2 〈糸の長さでも変わるんだ〉

時間がたつにつれ、糸を長短を調節している子も出るようになった。
 活動後、糸の長さに注目している子は半分くらいだった。
 糸を長くすると周期が遅くなると考え出す子が多い。
 これは、糸を短くしたり長くしたりしているうちに、1秒の時報とのずれから発見する。
 ほとんどの場合、「1秒時計を作る」という自由試行の中で自分で発見することである。

3 〈おもりの重さと糸の長さの二つが影響し合って、ふりこの周期が変わるんだ〉

 だから、おもりを調節したり、糸を調節したりする。
 条件を統一していない場合もあるのでどちらとも影響し合うと考えてしまう。

4 〈少しのおもりの変化でふりこの速さはほんの少し変わるんだ〉

 何度も電子はかりで量って、微妙なおもりの重さにこだわっている子がたくさんいた。
 1秒に合わせるためにおもりの微調整をしていた。何度も重さを変えては、試行錯誤を繰り返していた。

5 〈振れ幅は関係ないらしい〉

 これも、この自由試行の中から、感じとって見つけだす。1秒に合わせていると、だんだんとふれ幅が小さくなってくる。
 しかし、周期は変わらないということからだ。

6 〈ほかの子に聞いたり、教えてもらったらどうかな〉

 交流して人に聞いたり、教え合ったりする。
 1の思考を持っている子は、自然とはかりの周囲に集まることになる。うまくいった子にどうするかを聞くのである。
 そこで、「自分は何グラムで1秒時計にもう少しだった」「なかなかならない」というような交流が行われることになる。
 ここで「認識の相対化」が自然と行われることになる。

7 〈できたぞ〉

 2限目の終わりには、ほぼ1秒時計の子が何人かいた。
 実際、ふりこの糸をペットボトルで作ると、ふりこのおもりを自然とペットボトルの下より少し上に設定して作るから、前時で作ったふりこから少しの長さの調節で1秒時計はできるようだ。

8 〈みんなのとは違うけど、できたぞ〉

 3限目終わりあと15分というところで、「ほぼ1秒間時計ができた人」と聞くと、ほとんどの子ができたと言っていた。
 けれども、同じ1秒時計でも長さや重さなどのデータが違う。

(2)認識の相対化と深化

 自分のふりことデータが違うのに、他の子は1秒時計であるということに疑問を持っている子がいた。
 例えば、子どもの感想のなかに次のようなものがあった。

1 〈自分のふりことみんなのふりこは少し違う。だけど1秒時計らしい〉(相対化)
2 「1秒時計を最初作ろうとしたときに前のまんまで先生が用意したカセットテープを聞いたら、ちょうど1秒だったのでびっくりした。その粘土の重さをはかったら、49.4gだった。でもだれかがどっかで『30gで1秒になった』というのが聞こえてきた。またちがう人が『33gだった』と言っていた。わたしは自分のおもりとなんでちがうのかなと思った」(E)
3 そこでこの子は重さを変えて、長さはかえないでチャレンジすることになる。そうしても周期は変わらない。
4 そこで次のような感想を持つことになった。
「次に重さを変えて、糸の長さだけかえないで1秒間時計にチャレンジしたらまたちょうどになった。わたしは、重さは関係ないのかなと思った」(E) 「次は、糸の長さと重さを変えた。すると、だんだん速くなっていった。わたしは、糸の長さでは速さが違っていくのかなあと思った」(E)(深化)

 この子のように、自由に試行活動する中で、他の子との比較をして思考している子がいる。教師がひっぱるのではなくても、他の子と交流があれば比較することになる。

(3)子どものまとめ

ア 1秒時計をつくるコツ

 「1秒時計を作るコツ」として子どもたちは次のようにノートにまとめた。

1 「1 糸の長さを短くします。もし少し速ければ糸の長さを長くする。2 おもりを重くしないで軽くする。3 おもりを変えても、長さを変えなければ同じ動きをする。少しでも、長さが違うとだめだ。だから、長さがわかればいいと思う。例えば、30cm、35cmくらいかな。」(F)
2 「もし1秒にならなかったら、糸の長さを変えてみる」(E)

 このように長さだけが関係すると発見した子もいる反面、まだ重さも糸の長さも関係するととらえている子も多い。次のような子どもの記述からそれはわかる。

3 「おもりを23gにしたときは、糸の長さを17cm5mmにするといい。おもりを40gにしたときは糸の長さを17cmにするといい。おもりを20gより上にしたときは、糸の長さは、17cm前後ぐらいにした方がいいと思った」(I)
「重さを変えたり糸の長さを変えたりする」(D)
「フィルムケースの中に重い物を入れる。そして長さを短めにする」(A)

イ 話し合いたいこと

 みんなで「話し合いたいこと」という記述からは子どもの活動後の認識がわかる。

1 「ふりこの重さを変えると振り方はどうなるのか」(D)
2 「なんで糸の長さが違っても1秒時計になるのか」(J)
  この子はおそらく、みんなの「1秒時計になった」というふりこを見て考えたのだろう。

「糸の長さが違うのにみんな1秒時計なのかな」。素朴な問題とも考えられるがこの問題をあとでみんなで話し合えばもっとスムーズに焦点化できたかと考える。後の祭りだが。

3 「1秒時計の重さは何とおりあるのだろうか」(D)
  これも2と同じ思考をしたのだろう。

4 「みんなが1秒時計になっているか」(A)
 これも先ほどのものと同じ思考だろう。みんな1秒時計だというが本当にそうなのか、みんなで考えてみたいということだろう。
5 「1秒時計にしたとき、重さと糸の長さまたはどちらとも、のどれが関係あるのか」(E)
 この子は、先の「(2)認識の相対化と深化」で感想を記述した子である。

6 「重さをどうすると速さを調節できるのか」(K)
7 「ふりこの重さを変えると振り方はどうなるか」(L)
8 「ふりこはなぜなかなか止まらないのか」(I)(K)

3 1秒時計から2秒時計へ

(1)「ふりこの周期は何に関係するのか」の認識

「ふりこの周期は何に関係するか」と問うと、
 糸の長さ  4人
 おもりの重さ 0人
 どちらも  31人
という具合に意見分布があったことはすでに記した。
 少しでも重さが関係すると考えている子が、クラスのほとんどであった。
 このことから、たとえ自由試行で「糸の長さ」に関係すると発見しても、「重さ」は関係ないのだとはっきりいえるまでにはなっていないことがわかる。

(2)長さに関する考え

長さに関する考えをよりしっかりと持たそうと「2秒時計」を作ることにした。
 子どもたちのほとんどは、2倍くらい長い糸ならば、周期も2倍になるだろうと考えた。
 そして演示実験をしたとき子どもたちは糸の長さを2倍にしても、周期が2倍にならないことに驚いた様子だった。

(3)認識の変化

2秒時計を作る過程において、2秒時計はかなり長くしなければならないということがわかった。

 そして、2倍ではいけない、それ以上であるということを体感しただろう。
 また、この実験から、以下のように「重さは変えなかったので、重さは関係ないのではないか」、と考える子が増えてきている。
 ここまで、多少の教師実験などはあったが、ほとんど自分たちの自由試行の中から、体験として知識(学校知)を得ていると考えられるだろう。
 子どもたちのノートから感想を見てみる。
1 「2秒時計を作って、1秒時計の倍で作れるかと思ったけれど、だいぶ長くしなくちゃ2秒時計にならないなんてびっくり」(H)
2 「2秒時計は1秒時計よりも糸を3倍以上のばしふれはばを広くした。1秒時計よりも2秒時計の方が簡単だった」(L)
3 「2秒時計は、糸の長さをかえるだけでできる」(M)
4 「2秒時計は、糸を2倍くらいにすればできると思ったけど、糸の長さは4倍くらいでできた。2秒時計を作るのはとても楽しく面白かった。糸の長さは80cm近くにもなった」(A)
5 「2秒時計は、長さを変えただけで、重さをかえてないから、重さは関係ないのかな。今度は重さをかえて、2秒時計を作ってみたい」(D)
6 「1秒時計のときのおもりは23gだったけど、2秒時計のときは、同じ重さ23gで糸の長さをかえただけで2秒時計ができたからおもりの重さは関係ないんだなと思った」(I)

4 ふりこの周期と重さに関して

 子どもの意識は、ここでは一つのこと=重さに集中した。
 前述の意見の分布からも見られるように「ふりこのおもりの重さと周期とは関係する」と「関係しない」はクラスのほぼ半数に分かれた。
 これは、はじめほとんどの子が、電子はかりで重さの調節して1秒時計を作っていたことを考えるとかなりの変化だといえる。
 それは、やはり2秒時計をつくったときまでの体験によってかなり「関係ない」と自信を持っていえるようになってきているのだろう。
 一般的に「重いものほど速い」という概念はなかなか抜けないものだ。しかし、半数近くの子が「重さは関係ない」と答えたことは、やはり自分のふりこで数多くの試行実験をしたからだと思う。
 話し合いの内容は大まかに言えば次のようなこと。
1 「ふりこのおもりが振り下ろされるのはおもりが重い方が速い、しかしふりこは真下をすぎても上にいく、そのとき重いとゆっくりになる。往復するとそれがおもりの軽いものと同じ時間になる」
2 「滑り台は、重い人の方が速い、だから、振り下ろされる部分も同じで重いふりこが速い」
3 「しかし、速くても、また上に上がっていくのだから、重いと遅くなる、それが相殺されて同じになるのだ」
4 「おもりの重さが違っても一番低いところに来る時間は同じだから」

 理屈としては違っていても、子どもは現象をなんとか理由づけようとしている。
 このように「関係なし」とする子が「重いほど速い」とする子にいろいろな説明をしていた。原理を説明する子、前の実験から経験的に述べる子と二つに分かれた。
 ここでは、「関係なし」=学校知、「重いほど速い」=日常知と考えられる。
 この単元で討論をするとしたら、「重さ」に関することがもっとも盛り上がるのかもしれない。
 また、子どもたちはかなりの体験をしてきているので経験的であれ誰もが考えを持てた。
 実験結果は明白で(ストップメソッドを使ったから)子どもにはすとんと入ったようだ。
 以下は、子どものノートから。
1 「重さが関係ないということは、べつにおもりをつかわなくても1秒時計とか作れるのかなと思った」(N)
2 「小錦が乗ったブランコも私が乗ったブランコも行って帰ってくる時間が同じなんてすごいなあと思った」(O)
3 「おもりが違っても一番低いところに来る時間は同じだから」(P)
4 「今までのおもりを調節しようとしていた苦労は何だったのだろうか」(B)
 この子は活発に討論をし、最後まで、「重い方が速い」だった。滑り台などの事例でそれを述べていたが、実験結果から理解したようだ。
5 「いろいろな人の意見を聞いていたが、『関係なし』になるとは思わなかった。行って戻ってきてスピードが同じなんて信じられない。僕もおもりを入れたけど関係ないんだ」(A)
6 「3秒時計や4秒時計は作れるのかな」(F)

5 もう一度1秒時計を作ろう

 もう一度1秒時計を作るなかで、今までのふりこの周期に関する認識を相対化し深化していく。
 つまり、「ふりこの周期は、糸の長さだけに関係する」ということがわかり、それを実際に使える段階になってくる。
 おもりはどんなものでもよく、糸をただまっすぐに引っ張っている役目をしているだけだという考えに変わってきている。

(1)振れ幅に関する再確認

 1分間、2分間という長い時間、時報に合わせて試行していた。そのときに「振れ幅は周期に関係ない」と再確認する。
1 「先生といっしょに30秒や1分をはかったけど、ふれはばは、ちぢまっていったけど、行って帰ってくる時間は、ほんとに同じだった。わたしは、30秒や60秒になったときうれしかったです」(0)
2 「今まで重さをかえて作っていて1秒になったのはなぜだろう。重さは関係ないのに・・・・・・。1秒になった気がしただけだったかもしれなかった。少しだけ長さが違うと速さが変わってくるからむずかしかった」(D)

 この子は今までのことも振り返って考えている。微妙にかわる動きをよくとらえている。

(2)長さの確定

 1秒時計にするには、ほぼ25cmくらいにするとよいということがわかる。
 子どもたちは、互いの情報交換でこの長さを確定していった。
 フィルムケースをおもりにしている子は、フィルムケースの長さも合わせるとちょうど25cmになることを発見した。
 何cmで1秒時計になるということを発見し使えるということは、認識が〈深化〉しているといえるだろう。

6 ふりこのどこがスピードが速いのか

 これは前時の討論で理由を述べ合う中で出ていたのだが、確認の意味で問うた。
 しかし、図のイの部分が最も速いと考える子がいた。
 これは、昨年の研究授業でも出された子どもの考え方とほぼ同じである。
 討論をすると、イもウも同じようなことを理由として考えていることがわかった。
1 「下がってくるときに加速がつき、のぼるまでの威力が一番たまっているところがウである」()
2 「ウに加速がないとオやアまでいけないからウが一番速いんじゃないかと思った」(D)
 
 この単元に入る前に、アンケート調査をした。そこでは、最も遅くなるところがウの位置としている子が多かった。
 それは、ブランコでおりるのは、その位置からである。だから止まりかけているからという理由による。
 その点では、かなりの変容が見られることになった。


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