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TOSSランドNo: 1236039 更新:2013年08月16日

20分で全校合唱をまとめる指導法


実際の指導の流れを,発問・指示・説明・留意点などで示しました。

1 目的と3つの約束

 第一回目の卒業式の歌の練習。
 子どもたちはすわって待っている状態。
 その前に立ち,一歩出て,「おはようございます。」と元気よくあいさつする。

説明1:

これから歌の練習を始めますが,その前に,どれくらいの人が,「いい合唱にしたい。」とか,
「すばらしい卒業式にしたい。」と考えているのか,確かめます。
 先生が,「いい合唱にしたい,すばらしい卒業式にしたい,と思っている人?」と聞きます。
 少しでもそういう気持ちがある人は手をまっすぐに挙げて下さい。
 わかった人?(指導者が手を挙げるとそれにつれて子どもたちも手を挙げる)。
 そうそう,そんな風にまっすぐに挙げて下さい。
 では,聞きます。

発問1:

 「いい合唱にしたい,すばらしい卒業式にしたいと思っている人?」

(※説明1は,私が以前勤務していた中学校では行っていた。中学生ともなると,「めんどうくさい。」とか,「いやだ。」と考える子がいるのが当たり前である。でも,それらの子たちをそのままにしておくと,周りのやる気のある子たちの意欲も低下してしまう。「余り歌えないかもしれないが,やる気は一応あるからね。」と言う意思確認を始めにさせておくと,後の指導に乗せやすくなる。しかし,始めから意欲的に歌う中学校や小学生対象には不要である。)

よほどすれていないか、指導者に対する不信感がないかぎり,ほとんどの子が手を挙げる。
次に練習の心構えについて話す。

説明2:

よーし,やる気のある人がほとんどですね,すばらしい。
では,これから歌の練習を始めます。
でも,その前に約束してほしいことを3つ話しますのでよく聴きなさい。
    1つめ。 「おしゃべりは絶対にしないこと。」
    2つめ。 「言われたことはすぐにやること。」
    3つめ。 「恥ずかしがらずに一生懸命にやること。」
この3つの約束を守って練習すれば,とっても上手に歌えるようになります。
では,3つの約束をもう一度みんなで言ってみましょう。
1つ。「おしゃべりは絶対にしない。」さんはい。(以下同様に進める)

3つの約束を復唱させた後で,「全部努力できる人?」と,力強くたずね,挙手させる。
手を挙げた子たちに,「ようし,すばらしい。」とほめる。

2 ウォームアップ

指示1:

では,手を挙げた人,だまって起立。

力強く断定的にこう言う。
もし,ここでざわつくようなら,もう一度全体をやり直させる。
手を挙げなかった子がいても,周りの子が立てばあわてて立つはずである。
このように,指示にはきちんと従わせるというルールを徹底させる。
こうして子どもたちとの約束事が徹底できると,この後の指導は成功する。

指示2:

身体をほぐします。屈伸。用意,始め。

指導者も,かけ声をかけながら,いっしょに行う。
続いて,肩回し,首回しと同じように進める。
準備運動の後,用意した台(小学校だと,ポートボール用の台が便利)の上に乗り,全体を見渡せるようにする。

指示3:

はい。手を組んで背伸び。(充分伸ばした後で)はい。力を抜いてそっと降ろす。

これを2~3度繰り返す。
以上は,簡単な動作をさせることで,こちらの指示がすぐに通るようにする目的も含まれている。

3 姿勢作り

両手でゲンコツを作ってつけながら,次の指示を出す。

指示4:

両足をゲンコツ2つ分ぐらい開けなさい。

指示5:

子どもたちは,すぐにまねしようとする。
「できた人。」とたずね,すぐに手を挙げた子たちをうんとほめる。

指示6:

次。肩を上に上げる。いーち。後ろに引く。にーい。胸を張ったまま,力を抜く。さーん。はい,もう一度。いーち。にーい。さーん。

指導者はやってみせながら指示を出し,何度かいっしょにやらせる。
胸がすぼんでしまう悪い見本もやって見せ,「さーん」の時に胸が落ちないように気をつけさせる。

4 呼吸をそろえる

片手を胸のあたりに水平に開いて用意する。
手のひらは下向きでよい。

先生の手をよーく見ていなさい。手が上がったら息を吸います。降ろしたらはきます。いっしょにやってみましょう。

息を吸いながら手をすっとまっすぐに上げる。
吐きながらゆっくり降ろす。
これを息がそろうまで,3~4回繰り返す。

指示7:

息を吐く時は,お腹に力を入れて,「ツー」と吐きなさい。

「ハー」ではすぐに息がなくなる。
おなかに圧力をかけて息を吐くことで,長く吐くことができる。
また,発声の時にも,おなかの支えがあれば音程も下がらなくなる。

指示8:

今度は,息を吸ったら止める練習です。

手をゆっくり上げ,一番上に来た時に手をにぎる。
これが息を止める合図である。
最初は1~2秒間ぐらい行う。
息を吐く時は,手のひらを開き,ゆっくりと降ろす。
息を止める時間を少しずつ長くしながら,3~4回繰り返す。

指示9:

よーし。だんだん上手になってきた。では、今度は8つ数える間、息を止めていられるかな。できた人は集中力があるぞ。

手を上げ,にぎって息を止めさせる。
それと同時に,「はい,いち,に,さん,し,ご,ろく,しち,はち,吐いてー。」と間延びせず,きびきびと緊張感を持って数える。
子どもたちは挑戦意欲旺盛なのですぐにノッテくる。
終わった後に,「できた人?」と間髪入れずに聞く。
手を上げた子を「すごい!」と短くほめ,もう一度やらせる。
しかし,風邪を引いている子がいた時には,「風邪を引いている子は無理をしなくていいよ。」と声をかけてあげる。

5 ロングトーンで音程作り

指示10:

先生の声をよーく聴いて覚えなさい。

比較的声が出しやすい「一点へ(ファ)」の音を,「ドー」と長く伸ばして歌う。
この後に指導する曲がヘ長調だからである。

指示11:

先生の手をよーく見ていなさい。手が上ったら息を吸います。先生の声をよーく聴きながら歌いなさい。

指導者は声を伸ばし,2~3秒後に手を上げ,その時に息を吸わせて声を出させる。
手がゆっくりと降りている間,声を伸ばさせる。
その後,手を回し,にぎって止める。

説明3:

先生が手を大きく回して止めたら,「歌うのやめ」の合図です。

手を上げる前に声を出す子がいた時にはすぐに手を回して止め,
「合図をよく見ていない人がいました。もう一度」と言ってやり直させる。
何回か歌わせる間に,「先生の声をよく聴いている人?」「自分の声がよく聞こえた人?」
「周りの人の声をよく聴いている人?」「自分の声と周りの人の声が同じかどうか,聴きながら歌っている人?」と助言し,
意識を次々と広げさせていきながら声がまとまっていくまで粘り強く行う。
声がそろってきたら,「だんだんそろってきましたね」と評価しながらほめていく。

6 口の形を意識させる 

指示12:

今度は,指を2本そろえなさい。指をたてにして口の中に入れます。

「入った人?」と聞き,手が上がった子には,「よし,それでいい」とほめる。
「はい,やめ。先生を見る」と言い,次の指示が通るようにする。

指示13:

「アー」と声を出しながら,口の中に指を2本入れます。

声を出させた後,指導者がやるのをいっしょにまねさせる。
「やめ」の合図で止める。
「入った人?」と聞き,手を上げた子を「よくできた!」とほめる。

(※「指3本」という指示もあるが,ここでは「2本」で行っている。
理由は,2本だとあごがあまり緊張せず,口がほどよく開く形になるからである。)

指示14:

今度は「イー」です。指が一本入れば合格。

同様に行わせ,ほめる。
すぐには身につかないが,指を使うことで常に自分の口の形がチェックできるようにしておく。

7 声域を広げる 

指示15:

先生のまねをして歌いなさい。

指導者「ドーシードー」子ども「ドーシードー」
このように階名唱により,応答の形で進めていく。
パターン例を次に示す。

ドーシードー。 ドーレードー。 ドーレーミーレードー。 ドーミードー。 ミードーミー。 ファードーファー。 ドーファードー。 ドレミファソー。 ソードーソー。 ラードーラー。 ドーラードー。~

1つのパターンを何回か繰り返し,子どもたちができたら次に進む。
パターンは前後の関連性を持たせると共に,易から難へと少しずつ変化させていくのがよい。
高い音域になってきたときに,無理に地声で歌わせないようにするのがポイント。
頭声的発声といってもイメージが伝わりにくいので,私は「裏声を使って楽に声を出しなさい。」と言ってやってみせる。
すると,とたんに響きがきれいになる。
また,跳躍進行を練習する時は,一瞬のうちに音程が変わるように歌わせる。
ポルタメント(ずり上げ・ずり下げ)がかかってしまわないようにするためである。
以上の指導は,トレーニングの場面でも特に重要である。指導者は自分の耳と判断を信じ,自信を持って進めてほしい。

8 曲のヤマの練習

平成12年3月8日に行った第一回目の練習の時,私は本校の校歌を取り上げ,指導した。
ねらいは,この歌で一番高い音が出てくる部分を集中して指導し,
上手に歌えるようにさせることで達成感と満足感を味わわせることにある。
今まで行ってきたさまざまな練習は,この部分を楽に歌えるようにするための連続した布石だったのである。
克服すべき練習のポイントは次の2つである。

① ドからラに跳躍する部分を力まず頭声的発声で歌えるようにする。
② 一番高いラの音のあとで息継ぎ(ブレス)をせずに、ひといきで歌えるようにする。

指導にあたっては、ここでもスモールステップで変化のある繰り返しに心がけること。
指導者の一番の腕の見せ所でもある。

__

ここでもほめながら進める。また,どんどんテンポよく進めることで練習にますます集中するようになる。

指示16:

では、今練習したところに気をつけて1番全部を歌ってみましょう。

ピアノ伴奏者に合図し,前奏から弾いてもらう。
子どもたちの前は指導者の手に注目させ,手が上がったら息を吸わせる。
もしも,ピアノ伴奏者がいない時には,歌の始めの部分を指導者が歌い,「さんはい」と言えばすぐに歌い出せる。

9 おおいにほめて終了

評価
 すごいすごい。
 とってもきれいな声で歌えるようなりました。
 では,これで歌の練習を終わります。礼。

努力して上手になったことをうんとほめ,余計なことは言わずに終了する。
 後には,精一杯練習し,よく歌えたことを実感し,ほめられて満足した子どもの笑顔が残る。
 次の練習がまた楽しみになるような終わり方を心がけよう。


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