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TOSSランドNo: 1116033 更新:2013年08月15日

「きつねの窓」・主人公の変化を検討する


6年生36人に9時間の授業を行った。教育出版の教科書を使用した。

1 授業の全体構想

   1-音読練習と題名
   2-あらすじ
   3-夢の入り口と出口論争
   4-対比1<ぼくと子ぎつね> 
   5-対比2<初めと終わり>
   6-変化を検討する

2 実践紹介

  1ー音読と題名

指示1:

先生が読みます。読みながら番号を言いますから,あなたたちは番号を教科書に書き込みなさい。全部で28こあります。また読めない漢字には読み仮名を書くといいでしょう。  

 ゆっくり読んだ。15分かかった。

指示2:

今度は君たちが読みます。立って声を出して読みなさい。読み終わったら座って赤○をつけてからもう一度読んでおきましょう。

 速い子は10分ほどで読み終わったが,遅い3,4人は15分たっても読み終わらなかったので,途中でやめさせた。

指示3:

 最後まで読めなかった人は,読んだ所に印を付けておきましょう。今度読む時はその続きから読むようにしましょう。  

こうしないと,音読の苦手な子は最後まで赤○をぬれないようになってしまう。

発問1:

 「きつねの窓」とは,どんな窓ですか。ノートに一言で書きなさい。書いたらノートを持って来なさい。  

子どものノートを見ながら,板書するように指示した。後から持って来た子には,「自分と違うものは書きなさい」と言った。次のことが書かれた。
  ・指の窓  ・指で作ったすてきな窓  ・小さなひし形の窓 ・指をひし形にした窓
・青くそめられた指でこしらえたひし形の窓    ・死んだ人が写る大切な窓

  2ーあらすじ

音読後,子どもたちは自分で赤○を付けていた。もう5つ○をつけている子もいた。赤○をつけると,1回読み終わってもさらに読もうとするようになる。

発問2:

 「きつねの窓」はどんなお話ですか。次のようにノートに書きなさい。    

はじめに―――――。
次に―――――。
最後に―――――。

指示4:

まずは「はじめに」を書きなさい。 1行ぐらいで書きなさい。

子どものノートを見た後,板書させた。次のことが出た。書いた子に読ませた。
 アーぼくは道に迷ってききょう屋に出た。
    イー道に迷って,きつねに出会った。
    ウー山の中できつねを見つけた。
    エー道に迷ってきつねの店を見つけた。
    オーぼくはきつねに出会った。
    カー道に迷って,ききょうやで休んだ。
  キー道に迷って,青いききょう畑に出た。
 表現は違うが,同じようなことが出された。異論は出なかった。

指示5:

こんどは,「次に」を書いて持ってきなさい。

 今度は次のようなことが板書された。
    アーきつねに指をそめてもらった。
    イーきつねにすてきな窓をもらった。
    ウーきつねの窓を見て,きつねに指をそめてもらった。
    エーききょう屋で休んで,指をそめてもらった。
    オーきつねと出会って,指をそめてもらった。
    カー白い子ぎつねに指をそめてもらった。
    キー青くすてきな窓をもらった。
 書いた子に読んでもらうと,オに,「初めにで,『きつねに出会った』と書いているのに,ここでまた,『きつねと出会って』はおかしい」という反論が出された。    

指示6:

「最後に」をノートに書いて持ってきなさい。  

次のようなことが出た。
    アー指をあらってしまった。
    イーすてきな指をあらってしまった。
    ウーきつねの窓をあらってしまった。
    エー指をあらって,すてきなものを流した。
    オーきつねにもらったすてきな窓を消してしまった。
    カー指をひし形にして,いろんな思い出を見た。
    キー指をあらって,すてきな窓をなくしてしまった。
    クー青いひし形でできたすてきな窓を失った。
 カだけが他と違う。意見が少し出たが,まだ討論になるほどまで読みとりはできていなかった。 

3ー夢の世界の入り口と出口論争

各自全文を微音読した後,「第5期教育技術の法則化45」のP14に載っている細野さゆり氏の実践を追試した。

発問3:

話者が夢の世界に入ったのはどこからか。   

指示7:

ノートに「P○○L○○」(板書)と書いて,「初めの5文字」(板書)を書いて持ってきなさい。

 細野氏は指示1を出していない。こうすると教科書の場所がすぐわかるので,ノートを見やすかった。次の6つが出た。
   アーP9L5「道を一つ曲」      イーP9L5「ふと,空が」
   ウーP9L6「すると,地」       エーP9L8「あれ?」
   オーP9L10「ああ,そこ」      カーP11L8「ぼくは,ぽ」
 こう書いてみると,5文字では少なかったようだ。1文節ぐらい書かせたらよかった。
 細野氏の実践で出た,書き出しの「いつでしたか,山で道に迷った時の話です。」と,「いらっしゃいまし。」は出なかった。
 ・いつも見慣れているすぎ林がなくなったんだから,オで夢の世界に入った。
 ・「道を一つ曲がった時」から,何かが起きそうな感じがしたからアだ。
 ・今まで歩いていて何もなかったのに,ここで,「ふと,空がとてもまぶしいと」思ったんだから  イだ。
 ・空は青いのは当たり前。でも,地面が青いのはおかしい。ここから(ウ)が夢の世界だ。
 ・「あれ?」で,まったく違う所へ来てしまったから。
 ・ 今まで子ぎつねは動物のままだったけど,カから子ぎつねは人間のようになったから。
 このような意見と,賛成する意見が出た。
 しかし,この問題の解決は,色の検討で終わった。
 夢の世界は,「青」い色がたくさん出てくるから,青が初めて出てくるところが,夢の世界の入り口だということになった。すると,「道を一つ曲」と「ふと,空が」の辺りということになった。

発問4:

話者が夢の世界から出たのはどこからですか。 ノートに「P○○L○○」と「初めの5文字」書いて持って来なさい。  

 この発問も細野氏の追試。同じく指示2は私のオリジナル。  
 8つ出た。
  アーP24Ll3の空行   8人   イーP24L14「次の日,ぼ」 13人
   ウーP24L4「ところが」  4人   エーP24L3の空行      2人
   オーP24L6「ああ,ぼく」 1人   カーP24L6「自分の手」    1人
   キーP24L8「いけない,」 4人   クーP21L6「そこには,」    2人
 それぞれが理由を発表した。ここでは,クだけが他と離れている。
 ク以外の子は,青色が出てこないとか,指を洗ってしまったとかの理由を出していた。クを選んだ子は次の理由を出した。
・すぎ林がなくなった時が「夢の世界」の入り口なら,すぎ林が再び出てきた時が「夢の世界」 から覚めたところだ。
 これに対して,「すぎ林から出た後も,話者はひし形の窓を作って,見えないものが見えたから,まだ夢の世界だ」という反論が出た。
この討論に決着をつけたのは,次の新しい発見であった。
・ききょうの花は夏から秋にかけて咲く。しかも,『秋の日がきらきらとこぼれて,林の中は暖か く静かでした』とある。ところが,話者はセーターやマフラーを着ている。ということは,夢の世界に入る前は冬で,夢の中は秋ということ。クはまだ秋だから夢の中と考えられる。
 この話し合いの途中で,次のような新しい解釈が出された。
a-この話は,初めから夢の中だった。そして,最後の『次の日』の所で,初めて夢から覚め  た。
b-話者は手を洗ってしまったけど,また次の日,きつねをさがしている。話者は夢から覚めた  ことに気づいていない。
c-話者は,前きつねの母親を殺していて,罪悪感があって,窓を見て女の子に会いたいと思 った時,きつねの気持ちがわかった。話者も子ぎつねも一人ぽっちだから,子ぎつねの母ぎ つねに会いたいという気持ちがわかって,気持ちが通じ合えた。だから鉄砲をあげた。だか ら手を洗わなくても夢から覚めていたと思う。

4ー対比1<ぼくと子ぎつね>

 この日から,段落ごとに列指名読みを行った。その後,

発問5:

 「ぼく」と「子ぎつね」は,どんな点で対比・類比していますか。  ノートに次のようにまとめなさい。書けたらノートを持って来なさい。

表は次のようになった。

__1

発問6:

鉄砲は子ぎつねにとっては何ですか。
ぼくにとっては何ですか。           

・子ぎつねにとっては敵。 
・ぼくにとっては,生活を支えるもの。
 私は,ここで次のように板書した。

 生活      鉄砲       敵
生活できない   ×   生命が守られる

発問7:

鉄砲を子ぎつねに取られるということは,ぼくにとってはどういうことですか。
子ぎつねにとってはどういうことですか。

 子どもたちの意見をさらにまとめた。図は上図の右のようになった。

5-対比2<初めと終わり>

発問8:

このお話の初めと終わりでは,話者はどう変わりましたか。ノートに次のようにまとめなさい。(板書ー縦書き)

        初め │  終わり  
──────────┼────────── 
            │
            │

子どものノートを見て,板書するように促した。 板書は次のようになった。

                 初  め │      終 わ り
───────────────────┼────────────────── 
①きつねをおとしいれようと思っていた。 │きつねにおとしいれられた。
②指を染めてもらうのがいや。        │指を染めてもらって喜ぶ。
③ききょうに花畑に立ちすくむ。       │ききょうの花畑に感心する。
④きつねをえ物と思っている。        │青い窓をくれたいいきつねと思っている。
⑤きつねをしとめるために会いに行く。   │ きつねに指を染めてもらうために会いに行
                           │ く。
                           │ きつねをしとめずに,いい気持ちで小屋に
     ⑥腹の立つきつねと思っている。 │ 帰った
     ⑦きつねの母は殺された。(生命) │ きつねの話を聞いてかわいそうに思う。親
            ⑧きつねをつかまえる。│切なきつねと思っている。
                           │鉄砲を失った。(生活)
                           │きつねをつかまえるのも忘れて感激した。
                          │
       ⑨きつねに会いたい。       │
───────────────────┴──────────────────

このように物語では,初めと終わりで,主人公の考え方が180度変わります。

去年習った「大造じいさんとがん」では,大造じいさんは初め残雪を何がなんでもしとめたいと思っていましたが,最後には,正々堂々と戦おうというようになりました。

4年で習った「ごんぎつね」では,ごんは初めは,いたずらばかりしていましたが,最後には兵十のためにくりや松茸を持っていくようになりました。

 6-変化を検討する

発問9:

 (黒板を指して)このように,ぼくを変えたのは何ですか。 

 次のようにたくさん出た。
   ア きつねの話 4人   イ 青い指をもらったこと 3人
   ウ きつねの気持ちとぼくの気持ちが一緒(ひとりぼっち)なのに気づいたこと 5人
   エ 夢を見たこと 1人   オ きつねにもらったすてきな窓 10人
   カ 子ぎつねの窓 7人  キ きつねのお母さんを見たこと 4人
   ク ききょうの花 1人
 話し合いに入った。クのききょうの花はすぐ消えた。また,「ぼくは夢の中で変わっているんだから,エの夢を見たこと」がぼくを変えたのはおかしいで消えた。
 ウカキは,きつねの話の中で出てくるからアの「きつねの話」と仲間になった。 
 そうすると,イとオは「指を染めてもらった」にまとめた。
 この後の学習課題は次のようになった。

発問10:

ぼくが変わったのは,子ぎつねの話を聞いたからか? それとも,指を染めたからか?

  ア きつねの話で  24人    イ 自分の指を染めたから  12人
 話し合いは次のように進んだ。
・ア きつねが話さなかったら,ぼくは窓をほしがらなかったはずだ。
・ア ぼくは初め指を染めるのを嫌がっていたけど,きつねの話を聞いて染める気になったから。
・イ ぼくは,きつねの話ではなく,きつねの窓を見て驚いて指を染めたくなった。
・ア きつねは話の途中で窓を見せているから,窓を見せたのもきつねの話しに入っている。
・イ 染めた後,窓を見て大事な鉄砲をあげたから,きつねの話しだけでは大事な鉄砲をあげなかった。
・ア きつねの話で,「ぼくもそんな窓がほしいなぁ」と言ったんだ。
・イ きつねの話がなくても,きつねの作った窓を見ただけでも変わってたと思います。
・ア 初め,子ぎつねが「指をおそめいたしましょうか」と言うと,ぼくは「ムッ」としていたが,子ぎつねの話を聞いて指を染めてもらうようになった。
・ア 窓を見てぼくはびっくりした。きつねが話をせずに,ただびっくりしただけでは意味がわからなかったと思う。
・ア きつねの話で窓の意味がわかったから話だ。
・ア 話を聞いてなかったら窓に見えた物は化け物と思う。
・ア きつねの話で,きつねもぼくも大切な人を失ってしまったことに気づいて変わったんだ。
・ア ぼくはきつねの話を聞いて感激して,指を染めるようになった。指を染める原因はきつねの話だ。
・ア きつねの話の途中で,「これで自分の正体がばれてしまったのも気づかずに話し続けました」とある。正体がきつねとわかったら鉄砲でうつはずなのに,ぼくはきつねの話で変わ  ったからうたなかった。  
・イ 反対。ぼくは最初からきつねとわかっていた。「さっきの子ぎつねが化けたんだな」と書いている。
・ア 反対。ぼくはだまされたふりをしたことはわかるけど,子ぎつねの話の途中で,子ぎつねを捕まえなかったのはなぜですか。初めきつねを捕まえようとしてたのに。
・ア ぼくは初め親きつねをしとめようとしてたけど,子ぎつねの話で親ぎつねが死んだのがわかって,黙って子ぎつねの話を聞いた。聞いているうちに気持ちが変わってきた。
 イからまったく意見が出なくなって,アの考えが有利なまま授業を終えた。
 最後に,「きつねの窓」の授業のアンケート感想を書いてもらった。
<楽しさ>
     とても楽しかった 11人 楽しかった 23人 どちらでもない 2人 
     楽しくなかった 0人


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