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TOSSランドNo: 2320028 更新:2013年08月11日

生徒の声に耳を傾けよう


1枚の葉書

夏休みに、卒業生から手紙が届いた。
7年前に、初めて送り出した卒業生である。

暑中お見舞申し上げます。
   毎年、年賀状と暑中見舞いの葉書ありがとうございます。
   いつも楽しみにしています。
   葉書を読むたびに、中学時代のことを思い出します。
   あの頃は先生も若かった…。
   私はもう22歳で、来年の3月には結婚の予定です。   
   中3の春、涙を流して別れた教室から8年が過ぎたんですね。
   今でも中学校の思い出をみんなと話すことがあるんですよ。
   私も彼とのデート、コンピュータの勉強と、忙しい毎日です。
   でも、中学校3年間と同じく、今も楽しい毎日です。
   先生には3年近く会ってませんね。
   あつし君も大きくなったことでしょう。
   先生ならおもしろいお父さんになるでしょうね。
   すぐ怒って、すぐ泣いて、すぐ笑って…。
   あつし君の方がお父さんらしくなったりして?
   今度、みんなで遊びに行きます。その時は立派なお父さん(?)でいてください。
   楽しみにしています。
   それではさようなら。          美 幸(仮名)

《荒れた学級》から学ぶ

大学を卒業し、そのわずか半月後に持ったクラスである。
生徒数わずか19人であったが、元気な子が多く、当時は学校中を賑わす事件が毎日のように起きた。
いわゆる《荒れた学級》であった。
彼女も、友人関係で悩み、学校に来られない日が続いた。
私は毎日発行していた学級通信を持って彼女の家に通った。
私が部屋に行っても、ベッドに横になったまま泣き続けることもあった。
力のない私は、ただ彼女が泣きやむのを待つしかなかった。
そして、彼女の話を聞いた。
「友達に裏切られた」というのが、悩みの理由であった。
男子はタバコ事件を頻繁に起こした。
学級で事件が起きるたびに、自分の指導力不足を痛感した。
「もっとベテランの先生が担任だったら、こんなに問題は起きないはずだ」と自己嫌悪に陥り、悩む毎日であった。

教師の喜び

教員1年目、生徒にはずいぶん迷惑をかけたと思う。
その分、彼らからは多くのことを学んだ。
授業のこと、学級経営のこと、生徒指導のこと…。
私も「こっちは、若葉マ-クだから…」という思いがあったので、生徒の声には今以上に耳を傾けた。
当時の私にできることは、それぐらいしかなかった。生徒は何でも話してくれた。
     ① 父さんが麻雀に負けたこと。
     ② テストでカンニングをしたことがあること。
     ③兄ちゃんがベッドの下にエロ本をかくしていること。
     ④ 小学5年生の時に、初めてたばこをイタズラしたこと。
こんなことまで話してくれた。
この時、生徒の表情は実に生き生きとしていた。
自分の手柄話をするように、自信満々話してくれた。
私は、だまってその話を聞いていた。
授業間の休み時間や給食時間、昼休み、掃除をしながら、バス待ちの時間…。
いつも生徒が私の周りに集まってきた。
実に楽しい時間であった。
だまって話を聞いていると、生徒はいろいろなことを教えてくれる。
お世辞を知らない子たちだったので、話はストレ-トだった。
     ① 今日の社会の授業は、いつもよりおもしろかった。
     ② バカだけど発表したいから、発表させてくれる授業が好きだ。
     ③ 教科書読ませてくれてうれしかった。
     ④ 怒りたい時は怒って欲しい。うれしい時は笑って欲しい。
いつも授業を妨害していた彼らが、授業について話してくれるようになった。
そして、《勉強が嫌い》と思っていた彼らも、授業に期待していることを知った。
教師がその期待に答えていないから、生徒は振り向いてくれないのだと…。
また、生徒は、教師がその感情をストレ-トに出すことを望んでいることを知った。
生徒と教師の関係というよりは、人間と人間の関係を求めていたのである。
これらは、私にとって大きな発見であった。
この時、生徒の目で《教育》という営みを見ることの大切さを痛感したのである。

生徒の話に耳を傾けよう

教師は黒板に背を向けた途端、生徒の気持ちを忘れてしまう。
「生徒は教師の話を聞くのが当たり前だ!」といった気持ちになってしまう。
これは一種の職業病なのかもしれない。
教師であれば誰もが
  《生徒に好かれる教師になろう》
  《夢を与えられるような教師なりたい》
という希望を胸に教師生活のスタートを切る。
しかしながら、その数日後には、教師生活は甘いものでないことを痛感する。
現実に触れ、教師としての未熟さに気付く。
そして、悩む。
問題はその解決方法である。
謙虚に生徒から学ぼうとするか、それとも責任を生徒に転嫁させるか。
教師生活の明暗は、そこで決まるのかもしれない。
私は、次のことを胸に教師修行を続けている。
そのためには、生徒とともに過ごす時間を多く持つことである。
中学校は教科担任制であるため、意識して「持とう」と思わなければ時間は作れない。
朝5分早く出勤し、教室に足を運んでみてはどうだろうか。
授業も開始時間前に教室に入り、昨日のテレビの話、部活動の話、趣味の話をしてもいいだろう。
放課後も教室に5分間残り、机やいすの整頓や床に落ちたゴミを拾いながら、生徒の会話の輪に入るのも1つの方法である。

生徒の話に耳を傾けるのか、それともしないのか?

すべては教師自身が決めることである。


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