TOSSランド

コンテンツ登録数
(2017/10/17 現在)

21415
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 6605379 更新:2013年08月06日

「江戸しぐさ」に学ぶマナー


この実践は、2007年1月25日に6年生に行った授業である。(1時間扱い)
前田吉法氏の実践、「江戸しぐさ」で変わる子どもの心 を一部(説明1~3、発問3~5)に取り入れた。

発問1:

電車に乗っていて、時々「いやだな」と思うことがあります。どんなことだと思いますか。

発表させる。
・荷物を座席においている人
・携帯電話をしている人
思いつくことをノートに書かせた。
・大きな声でしゃべってる人
・足を広げて座っている人
・お年寄りなどが立っているのに、席を譲らない人
・乗るときに順番を守らない人
・入り口に立っていて、乗り降りのじゃまになっている人
考えが出ない時に写真などを見せようと思っていたが、その必要はなく、次々と考えが出された。
ただ、足を踏まれる、など、混雑時の様子は思い浮かばなかったようだ。

車内の写真2枚と「通せんぼしぐさ」の絵を見せる。

「混んだ電車の中で、足を踏んでも謝らない人も見かけます。」と言うと、「そんなひどい人もいるの?」という声。

発問2:

こういう人を見たとき、先生は「なんて・・・・・・な人だろう」と感じてしまいます。・・・・・・に入る言葉をたくさん考えましょう。

書かせてから発表させる。
おもいやりのない、気が利かない、じゃまな、いやな、情けない、などが出された。

説明1:

そうですね。混んだ電車の中では、時々トラブルやけんかに発展してしまうこともあります。
ところで、現在の東京は1200万人くらいです。1k㎡当たりの人口密度は、約5700人です。 

発問3:

300年前の江戸の人口密度は、5700人より高かったでしょうか、低かったでしょうか。

挙手させると、圧倒的に高い、という予想。
しかし、60000人と聞いて、驚いていた。

説明2:

江戸の町は、現在の東京23区よりも、ずっとせまかったのです。その中で8割は武家屋敷で、残りの2割に町人が住んでいました。
現在の東京には、42000人くらいの警察官がいて、安全を守ってくれています。

発問4:

江戸の町では、警察官ではなく「同心」という人が、安全を守っていました。
同心は、何人くらいいたでしょうか。

多くの児童は少ないと予想した。正解を示す。

〈板書〉江戸と東京の比較
            江戸の町⇔現在の東京
    (人口密度)60000人⇔5700人
    (警察官)    24人⇔42000人

発問5:

なぜ、同心が少なかったのでしょう。

すぐに、「争いが少なかった」という答えが出た。

説明3:

その通り、江戸の町には、争いを少なくするようなルールやマナーがありました。これを「江戸しぐさ」といいます。

「江戸しぐさ」と言わせる。

説明4:

実は、今の時代にも、自然と行っている「江戸しぐさ」があるのです。

「江戸しぐさ」の広告を見たことのある児童もいて、「傘かしげ」「蟹歩き」などの声が聞かれる。
「傘かしげ」の絵を見せ、なぜ傘をかしげるのか問う。
「ぶつからないように」という答えだけだったので、「しずくがかからないように」という理由もあることを付け加えた。
「他にもやっていることがあります。」と言って、児童2名を指名。

指示1:

二人にぶつからないように歩いてもらいます。どのようにするか見ていましょう。

机間をすれ違うように歩かせる。ぶつからないように、互いに肩を引いていた。
見ていた児童が、「体を斜めにした」と言う。

説明5:

このように、肩を引いてぶつからないように歩くのも「江戸しぐさ」でした。「肩引き」と言います。
もっと狭い道なら、蟹のように横に歩くこともありました。「蟹歩き」も「江戸しぐさ」です。
公共広告機構のポスターの写真を見せる。「傘かしげ」「蟹歩き」「肩引き」のほかに、「うかつあやまり」と書かれているところに注目させる。
絵を見せ、足を踏んだ人、踏まれた人を確認し、問う。

発問6:

「うかつあやまり」をしているのは、足を踏んだ人ですか、踏まれた人ですか。

ほとんどの児童が、踏んだ人、と答えた。数名が「二人とも」という答え。

説明6:

答えは、踏まれた人です。踏んだ人が謝るのは当たり前のことなので、ただの「あやまり」です。踏まれた人は、謝ってもらったら「いいですよ」と許すのが普通ですが、江戸の町では踏まれた人も、「うっかりしていた私も悪かったのです。うかつでした」と謝ったので、「うかつあやまり」といいました。これなら、絶対けんかになりませんね。

このことにはとても驚いたようだった。
「これも江戸しぐさです。と言い、「こぶし腰浮かせ」の絵を見せる。

説明7:

先生が子どもの頃は、電車に人が乗ってくると、順々に席を詰めている光景をよく見た記憶があります。

「指切りげんまん」の絵を見せる。

説明8:

これは知っていますね。指切りの歌、歌ってみましょう。

「指切りげんまん、うそついたら針千本飲ーます。指切った」とみんなで歌う。
実際にやったことがあるかを聞くと、3分の2くらいの児童の手が挙がった。中には、言葉を正確に知らなかった児童もいた。
絵の中に「死んだらご免」と書いてあるのを見つけて、質問してきた。

説明9:

昔は、指切りげんまんの歌の最後に「死んだらご免」とつけたそうです。
これは、うそをついたり約束を破ったりしてはいけないということを教える「江戸しぐさ」でした。うそをついたり約束を破ったら、指を切っておわびします、げんこつ1万回の罰を受けます、針千本飲みます、という意味です。そのくらいきびしかったのです。ただし、自分が急な事故などで死んでしまったら約束は守れないので、「死んだときは守れないけどご免なさい」と言う意味で「死んだらご免」と言ったのです。

発問7:

今まで見てきた「江戸しぐさ」、何歳くらいまでに身につけさせられたでしょうか。

〈板書〉①6歳 ②9歳 ③12歳

挙手させる。③の12歳までが多かった。
①の6歳である。

説明10:

6歳までに、体で覚えるまで、繰り返し何度も教えられました。(「大変そう」の声。)
繰り返し、癖になるまで教えられたのです。癖になってしまえば、大変ということはないのです。

発問8:

9歳までに教えられた「江戸しぐさ」もあります。どんなことだと思いますか。

「挨拶」という声。

説明11:

ただの挨拶ではありません。お世辞といって、相手を気持ちよくさせる言葉かけができるようになることです。

「絵解き 江戸しぐさ」(P.99)を読む。

発問9:

では、12歳までには、どんなことができるようになっていなければならなかったと思いますか。

「絵解き 江戸しぐさ」(P.101)を読む。とても驚いていた。

〈板書〉9歳までに→きちんとした言葉づかい
    12歳までに→きちんとした文章

説明12:

時々みんなに「気持ちを表す表情ができないといけない。鏡を見て練習しなさい」と言うことがありますね。実は「目つき」も「江戸しぐさ」の一つでした。

お愛想目つき、おあいにく目つきをさせる。

〈板書〉「目つき」を大切にした江戸っ子
      お愛想目つき(感謝)
      おあいにく目つき(おわび)

指示2:

今日学習したことを振り返ってみましょう。「江戸しぐさ」とは、どのようなしぐさといえますか。ノートに書きましょう。

最後に授業の感想を書かせ、時間の限り発表させて終了した。

【参考文献】
・「暮らしうるおう 江戸しぐさ」越川禮子著(朝日新聞社)
・「絵解き 江戸しぐさ」和城伊勢(金の星社)


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド