TOSSランド

コンテンツ登録数
(2019/12/09 現在)

21654
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 1235157 更新:2012年12月03日

「夏」( 鳥潟明美作詞 松下耕作曲 )の指導法


混声三部合唱組曲「風の夏」(1.この朝は、2.夏、3.送り火、4.老いた木の歌)の2曲目。言わずと知れた、1945年8月、原爆投下を歌った曲である。3パートがずれて歌うポリフォニックな部分と、中間部のリズミックな部分の歌い分けがポイント。

*8分の6拍子。指揮は2拍子で振ると思うので、便宜上1拍目、2拍目という言い方をします。

1. 出だしをそろえる。

息を吸っているのがわかるくらい、全員でそろって息を吸う。
   1拍目からゆっくりと「あ」の口で息を吸って待っているか、2拍目でたっぷり吸うかは、やってみてお好みで。

2. 「夏よ・・・」

「夏」の「つ」の発音に注意。口の中を広く開けて、丸く柔らかく。TSUの子音を意識してていねいに歌うこと。
これ以降、各パートがずれて歌う。その入りが遅れたり、バラバラにならないように、独立してしっかりと歌えるように練習することが大切。
「夏よ/夏よ/夏よ」と言葉が聞こえるように、入り方も、歌い方も、大きさもそろえる。

3. 「街は・・・」

「まち」「しずか」「だっ」を大きく、「は」は小さく、「だっ」のDは余韻が残るように、そして、「た」はやさしく。ていねいに言葉を歌う。この部分でも「街は/街は/街は」と続いて聞こえるように。
「静かだった」の「た<」でぐーっと大きくして、次のヤマにつなぐ

4. 「あの日・・・」

「あの日/あの日/あの日」Hをはっきりと。「あのい」に聞こえてはだいなし。「父」の「CH」もはっきり、「ひかり」のHもはっきりと。強くと言うよりも、長めに、という意識の方が良いかもしれない。
このあたりから、3パートの言葉のずれが少なくなり、次第に2パートがそろい、「光に」で3パート揃う。エネルギーが増すイメージで、「に」をぐーっと大きくして、「や・か・れ・た」をひとつずつはっきりと歌う。それに対して、「と」で少し緊張がゆるみ、「いう」でふわーっと和らいでいくかんじ。ここでひとつのヤマを作る。
だたし、「光」という言葉を大切に。Hが聞こえないと「怒り」に聞こえる。似ているが、ずいぶん違う。
「う」は4拍十分に伸ばしながら、伴奏に溶けていく感じ。

5. 「花は咲き・・・」

曲の雰囲気が変わり、少し明るくなる。「花」のH、「咲き」のSをはっきりと歌うことで、言葉が鮮明になる。「空を/空を」が重なっていく中で「ゆく<」をぐーっと大きく。「だが」に向かってエネルギーとためる。「だ・が」とひとつひとつをはっきり。
次の「夏よ」を同じエネルギーで決然と「「だ・が・ な・つ・よー」と歌うのも良いし、逆に柔らかく「だ・が・ なーつーよー」と雰囲気を変えるのも良い。
「だが夏よ」からは、ゆったりと流れるように歌いながら「も・う・だ・れ・も  お・も・い・だ・さ・な い」と重くきっぱりと歌う。「ない」のシャープの音が不安定になりやすいので、きちんと歌うこと。
最初の部分がここで終わる。

6. 「焼けていた・・・」 曲想が一転してリズミックに歌う部分。

男声の歌に女声が答えている、そういう構成。いずれも、1回目がf、2回目はそれよりも弱く、エコーのように歌いなさいという指示である。
「長い道を歩いた」の部分でクレシェンドして、男声も女声も八部音符で刻んでいく部分が緊張感を高める。
いったん「焼けていた」をキュッと小さくしてから、次第に大きく、次第に速くしていくところがひとつのポイント。
「やけていたっ」と乱暴に切ってはいけないが、「やけていたーやけていたー」と伸ばしてしまうと「たーやけ」が強調されてしまうので、「やけていた~」の「た」に余韻が残るように、ある程度「焼けていた/焼けていた」と言いかえた方がよいと思う。

7. 「父よ・・・」 

ソプラノとアルトと男声でそれぞれ言葉が違う。アルトが2パートに分かれることで聞こえなくなると効果がないので、校内の合唱コンクールでは、人数によってはソプラノから手伝うか、アルトを上下どちらかひとつにしてしまうのも方法。
「何も<食わず<何も<飲まずに」は「父よ」に向かってぐんぐん大きくしていく。「父よ」は2回とも大きいままで呼びかける。
「あなたは何を/あなたは何を/あなた何を」と重ねていって「願ったー」を最大のヤマにする。
「父よ」の「よ」や、「あなたは何を」の「を」など、伸ばすOの母音を、豊かに、たてに深いイメージの声にすること。
「願った」の「た」を、Tに息が混じるくらい飛ばして、はっきりと歌うこと。

8. 雰囲気は最初の再現。しかし、調は違っている。

「踊れ」、上記のようにOの母音を柔らかく美しく。「踊れ<踊れ<踊れ>踊れ」ひとつのまとまりの中に小さなヤマを作って歌う。「光」子音を大切にhはっきりと歌う。アルトが分かれるので、上記7のように調整するとよい。
「街を埋めた光よ」の「よ」は「よー」と小節の間中、十分に伸ばすことで、和音の変化が感じられると同時に、次への緊張感の持続ができる。「夏の埋み火よ<この胸に<やどり<歌え<歌え」とどんどんどんどん緊張感をもって大きくしていく。最大のヤマは「父の日の」。ひとつひとつの発音をはっきりと。それに対して「ように」はなめらかに、ピアノが前奏に戻り、溶けていく感じで。

9. 「夏よ・・・」 

どこからともなく聞こえる呼び声、あるいは残響、そんなイメージで。強くあふれるエネルギーはないが、けして弱いのではなく、悲しく、切ない気持ちを歌う。最後のハミングは消えるように。

大きく3つの部分から成り立っています。何度も歌詞を読むこと。そして、どんな心情か、どんな情景かをみんなで話し合って、同じイメージで歌いましょう。この場面は、現在のことなのか、過去の情景なのか、そんなことも考えながら歌ってほしいと思います。直接的ではないけれど、なんともいえない悲しいドラマが表現されている曲だと思います。音取りもリズムも難しいですし、指揮や伴奏の果たす役割も大きいです。表現力豊かな指揮者や伴奏者に出会ったら、ぜひ歌ってみてください。ところで、鳥潟朋美氏は男性。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド