発問1:
あなたの今の夢は何ですか。
指示1:
1と番号をふって、ノートに書きなさい。
学期の最初に、将来の夢、その夢に近づくための学習面、生活面、部活面の目標、自分の好きな言葉を書いて、机の右斜め上に貼らせているので、そこから書き写させました。
発問2:
今日は夢を実現した人を紹介します。
西暦2000年、ちょうど、みなさんが生まれた頃の写真です。
誰でしょうか。
指示2:
2と番号をふって、ノートに書きなさい。
高橋尚子選手。(写真を一緒に名前がでてしまったので、ニックネームを問いました)
保護者の方が、分かっているので、「世界の果てにいって・・・」などとヒントを出してくれて「Qちゃん」というニックネームがあったことを伝えました。
指示3:
2と番号をふって、高橋尚子選手(Qちゃん)とノートに書きなさい。
発問3:
いつのオリンピック大会ですか。
指示4:
3と番号をふって、ノートに書きなさい。
2012 ロンドン
2008 北京
2004 アテネ
2000( )
とヒントをだしました。
シドニーという言葉がでてこなかったので、高橋選手がメダルをかけている写真を見せました。メダルの首かけに書いてある文字から、シドニーとわかりました。
指示5:
3 シドニーオリンピック とノートに書きなさい。
指示6:
実際のシドニーオリンピックでのレースの様子を見て見ましょう。
(シドニーオリンピックの映像)
実際の授業では、3分間の映像を見せました。
実際の授業では、何も言わずに見せましたが、少し解説が入った方が臨場感がでたかもしれません。
発問4:
シドニーオリンピックで見事金メダルに輝きました。
高橋選手がオリンピックで1位で走り終わった後に残した有名なコメントがあります。
とっても( )42.195㎞でした。
( )には何が入るでしょうか。
指示7:
4と番号をふって、ノートに書きなさい。
・とっても「楽しい」42.195㎞でした。
生徒は、「頑張った」「笑顔の」「長い」などを入れていました。
お母さん方に答えを言ってもらいました。
発問5:
高橋選手を指導したのは小出監督です。
小出監督は、高橋選手の強さをいくつか書いています。
その1つに、「だれにも負けない脅威の( )」と書いています。
何と書いているでしょうか。
指示8:
5と番号をふって、ノートに書きなさい。
・誰にも負けない驚異の「練習量」
生徒からは「努力」「根性」「気合い」「ガッツ」「食欲」などがでました。
説明1:
高橋選手は5時間練習します。こんなに練習するのは男子にもいないそうです。
しかも最初から最後まで手を抜くことはせず、常に全力でします。
だから他の選手とは比べようもない練習の内容が濃くなるのです。
みなさんで言えば、学習時間と考えてもよいでしょう。
と補足しました。
発問6:
夢を実現するために必要なことは何ですか。
6と番号をふって、ノートに書きなさい。
・練習すること
・全力ですること
・最後まで一生懸命すること
→「練習量」「努力」などがでました。
発問7:
しかし練習量だけでは世界一のランナーにはなれません。
強さの最大の秘訣は彼女の性格にありました。
どのような性格が高橋選手を強くしたのでしょうか。
指示9:
7と番号をふって、ノートに書きなさい。
・「素直さ」
生徒からは「明るさ」「まじめさ」「粘り強さ」などがでました。
それらを、すべて認めた上で「素直さ」と伝えました。
発問8:
小出監督が「こうすればいい、これはきついけどやったほうがいい」と言われたことには、それがどんなにつらい練習であっても、素直に自分なりに納得して練習をしたそうです。だから強くなったといいます。またこんなことも本に書いてありました。
「高橋尚子は( )がいい。よぶとね走って来るんだ。この子は伸びると思った。
生意気なのは( )もしない。そういう子は伸びない。」
( )の中には何が入りますか。
指示10:
8と番号をふって、ノートに書きなさい。
・「返事」
生徒からは「勘」「態度」「心」などがでましたが、当てはめて読んでみると、しっくりこないという反応がありました。
途中、「返事」という答えがお母さんたちからでました。
名前を呼ばれたら、返事をすぐにして、走ってその人のもとへ行く場面を実演しました。「家でも、そうやってくれるといいんだけど」とお母さん方から要望がでました。
発問9:
夢を実現するために必要なことは何ですか。
指示11:
9と番号をふって、ノートに書きなさい。
・「返事」「素直さ」と書く生徒がいる反面、「また?」と繰り返し同じ発問をすることに疑問を感じた生徒もおりました。発問の仕方に工夫が必要でした。
発問10:
また小出監督が指導者として彼女に言い続けた言葉があります。
「お前は( )になれる。」
( )には何が入るでしょうか。
指示12:
10と番号をふって、ノートに書きなさい。
・お前は「世界一」になれる。
生徒からは「人気者」「芸能人」「有名人」などの答えがでました。
説明2:
小出監督は高橋選手が無名な頃から、ずっとこう言い続けて励ましました。
人は期待をかけられると、どんどん成長していくのです。
発問11:
自分の夢を実現するために必要なことは何ですか。
指示13:
11と番号をふって、ノートに書きなさい。
生徒からは「自分を信じる気持ち」「あきらめない根性」などがでました。
説明3:
4年後。日本女子史上初めてのオリンピック2連覇の夢をもって、予選となる東京国際マラソンに参加しました。だれもが高橋選手の1位を信じていました。
(東京国際マラソンで失速し、負けてしまった映像を見せました。)
東京国際マラソンまさかの失速。そしてアテネオリンピック落選。
「もう高橋は終わり」という周りの声も聞こえ出しました。
アテネオリンピック後、高橋選手はこれまでの応援のお礼をかねて各地を巡業して回っていました。
徳之島、高橋選手の国内合宿の大切な所での出来事でした。
公民館に詰めかけた溢れんばかりの島の人に対して挨拶をしている時
「Qちゃん、がんばれ」
「俺たちはこれからもずーと応援するぞ」
会場のあちらこちらから高橋選手の言葉を遮らんばかりの激励が飛び交いました。
高橋選手は声を詰まらせ、何かを言おうとしたが、もうそうすることはできませんでした。
高橋選手が初めて人前で見せた涙でした。
オリンピックの予選は終わってしまいましたが、次のオリンピックに向けて、レースに挑戦する決意をしました。
場所はアテネオリンピックの夢をたたれた東京マラソン。
しかし、今回も高橋の体に異変が起きていました。右足3カ所に肉離れが起きていました。
(東京国際マラソン2005の動画より、スタート直後の様子を見せました。)
レース1週間前まではジョギングさえできない状態でした。
発問12:
この後、レースはどのようになったでしょうか。
高橋選手が優勝したと思う人?
残念ながら、また、負けてしまったと思う人?
指示14:
どちらかに、手をあげなさい。
説明4:
(東京国際マラソン2005の後半の映像を見せる)
足の痛みを、練習不足を、会場の声援で何とか乗り越え、見事優勝を果たしました。
説明5:
優勝後のインタビューに応える高橋選手です。
(インタビューの内容を映像で見せる)
高橋尚子 優勝インタビュー
・1度は陸上をやめようと思ったときも、暗闇の中でも夢をもつことで、本当に一日一日を充実した時間を過ごすことが出来ました。だから陸上に関係なく今暗闇にいる人や悩んでいる人も、本当に1日だけの目標でも3年後の目標でも、何でも目標をもつことで一歩一歩が一日が充実すると思います。どうか夢をもって1日を過ごして欲しいと思います。
そして小学校、中学校の子はもちろんですけど、30代、中高年の皆さん方も24時間という時間は平等に与えられたチャンスの時間です。もう二度とこないこの一日の時間を精一杯そして充実した楽しい日にして下さい
映像で一度見せただけでは、高橋選手の思いが、生徒には伝わりにくかったです。
プリントとして、配布して、じっくりと考えるようにしてあげるとよかったと思いました。
指示15:
自分の夢を実現するために大切なことはなにですか。
できるだけたくさん書きなさい。
※参考文献 小出義雄 「君ならできる」
高橋尚子 「風になった日」
黒井克行 「高橋尚子 失われた夏」
雑誌 ナンバー
※奈良の梶野先生の修正追試です。
修正したことはエピソードごとに夢を実現するために大切なことを入れたことです。
そのことによって自分が今しないといけないことが明確になっていきました。
また動画も効果的に入れました。
※コンテンツ希望の方は、ご連絡ください。
ただし、動画は、添付できませんので、その点をご了承ください。
shun-agasuke@mirror.ocn.ne.jp
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