4月、担任する子どもたちとの出会いをどのように迎えるか、教師の演出により工夫の余地がたくさんある。
私は、子どもたちに行う自己紹介にて、インパクトのある趣味(読書)の紹介をしている。
「すごい!」という反響は、もちろんのこと、保護者の間でも「先生は読書が大好き」という噂になるほどである。
もちろん、読書好きな子を増やしたいという願いも持ちつつ、その紹介の演出を行っている。
やり方は、簡単である。
最初に教室に入る前に、
「文庫本の一番小さいサイズの本をできるだけ多くポケットにしのばせる。」
というだけである。
右のポケットに2冊。左のポケットに2冊。後ろポケットに1冊。
上着の右ポケットに2冊。上着の左ポケットに2冊。上着の胸ポケットに1冊。
これで10冊である。
見た目には、10冊持っているようには見えないがゆえに、子どもたちは驚く。
自己紹介の際には、次のように言う。
「先生の趣味は、分かりますかね。先生、今それを持っているんですけど。」
こうやってじらしながら、本を右ポケットから出す。
すかさず「読書!」という声が挙がる。
「そうです。でも、まだ持っています。」
こういって、2冊目を取り出す。
「まだあると思う人?」
聞くと、数名の子はまだあるという。
「そう。まだあります!」
こうやって、子どもたちとやり取りしながら、本を出していく。
8冊出したあたりからは、「もうないと思うでしょ!まだあるんです!」といいながら、終わりを感じさせて出すと、子どもの驚きも大きくなる。
家に帰って、保護者に楽しそうに話すことは間違いない。
見た目には、本を持っているふうには見えなかったのに、たくさんの本が出てきたのだから。
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