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TOSSランドNo: 7091621 更新:2013年01月05日

シロツメクサの由来を授業する 小林幸雄実践


シロツメクサの由来を授業する-江戸時代にタイムスリップー 

TOSS作州教育サークル  小林 幸雄
初出の2008年版の実践は,約20分程度の内容であった。
2009年版では,バージョンアップし,45分間の内容に修正した。
以下に紹介する。

【準備物】 シロツメクサを十分乾燥したもの,顕微鏡の箱2個,緩衝材,ガラスの器,わくわくずかん
シロツメクサ(地面をはう茎・葉・花も切り離さずに採っておく。しおれないように水につけておく。)

1.シロツメクサで遊んだ体験

あらかじめ採っておいたシロツメクサを見せて,次のように聞く。

発問1:

「この植物は何ですか?」

よく見慣れた植物だ。多くの子が名を知っている。
「シロツメクサ」と子どもたちは答えた。
早速,「しょくぶつはかせ」の何ページに載っているのか調べさせた。
次々と「しょくぶつはかせ」22pを開いた。
シロツメクサで遊んだことのある人!
と聞くと,遊んだ体験を嬉しそうに語ってくれた。
王冠を作ったり,指輪のように巻いてみたり,首輪にしたり,あるいは四葉探しをして遊んだというのだ。
そのまま自由に語らせると,いくらでも話が続く雰囲気であった。
いかに身近な植物であるかが分かる。

2.シロツメクサの構造

次に,子どもたちを教卓のまわりに集めた。
子どもたちの前にシロツメクサをかざして聞く。

発問2:

「葉っぱはどこかなあ?」

と聞くと,当然という顔で三つ葉を指差した。
「そうだよなあ。この三つ葉だよなあ。」と褒め,

発問3:

「四つ葉を見つけたことある人?」

と聞くと,突き刺すように手があがった。
幸せのシンボルと言われる四つ葉である。子どもたちにとって関心が高いものである。
続けて次のように聞いた。

発問4:

「花は、どこですか。指差しなさい。」

どの子も,白い花を指さした。

発問5:

「花は一つですか。それともたくさんありますか。」

多くの子が,たくさんと答えた。
ここで、ピンセットで花を一つ引き抜いて見せた。
このように小さな花がたくさん集まって一つの花を形成しているのだ。

発問6:

「花の中には、もう咲き終わった花がある。どれか分かる人!」

とたずねた。
これも簡単とばかりに突き刺すように手があがった。
指名された子が,やや茶色を帯び,下に向いている花を指差した。
そのとおり。正解である。
一つの花の中にこれから咲く花と咲き終わった花が混在しているのである。
一つひとつの花の寿命は短くとも,これから咲くつぼみも,既に咲き終わった花も一つに集まっているから,
全体としては一つの大きな花が咲き続けているように見えるのである。
これは,長い期間,花を目立たせるシロツメクサの作戦なのだ。
続けて次のように問うた。

発問7:

「茎は、どこかな?」

これは,必ず二つに意見が分かれる問いである。
一つは花の下にある茎である。
もう一つは,地面をはって伸びる茎である。

指示1:

「さて,どっちなのか、わくわくずかんで調べます。
これだという根拠見つかった人は,先生に教えにきなさい。
先着20名とします。」

このように指示すると,われ先にと図鑑をもって小走りにやってくる。
このように明確な個別評定をすると,一気に盛り上がる。
『わくわくずかん』22pには,「くきは地面をはってのびる」と特徴が記されている。
このことを読み取れるかどうかが運命の分かれ道となる。

3.箱に詰められていたシロツメクサを再現する

いよいよ,次からが本題である。

発問8:

「どうして、この植物をシロツメクサと呼ぶのですか?」

と名の由来を聞いた。
子どもたちは、「そんなん簡単!」と言いながら突き刺すように手を挙げた。
指名すると,「荷物に詰められたので、ツメクサ」と答えた。
図鑑を隅から隅までよく見ている証拠である。
「すごいなあ,よく気づいたなあ」と褒め,

指示2:

「指で押さえてごらんなさい。お隣と確認しなさい」

そして,一斉に音読させた。
子どもたちは,はっきりとした声で,
「にもつに つめられたので、ツメクサ」と読んだ。
その声を引き取るようにして,聞いた。

発問9:

「では,どうしてツメクサと言わずに,シロツメクサなんだい?」

これも,簡単だ。「白いから」と口々に答えた。
「そうだなあ。白くて,ツメクサだから,シロツメクサと呼ぶんだよね。」
と言った。
ここで,急に,声のトーンを変えて,次のように語る。

「江戸時代にタイムスリップします。
ちょうどこの理科室が,江戸城とします。
ある時,はるか遠くの国,オランダからお城にとある物が届きました。
「お殿様,オランダからギヤマンが届きましてごさりまする。」 (※ ギヤマン:ガラス,またはガラス製品の古風な呼び名)
お殿様は答えます。
「ウム,苦しゅうない。ここに持って参れ。近こう!」

ここで,机の下に隠しておいた,木箱をうやうやしく取り出して見せる。
いつにない雰囲気。
さらになぞの木箱の登場である。
(※木箱は,顕微鏡の箱を利用したものである)
子どもたちの視線は,オランダから届いたという木箱に注がれる。
「見たい人?!」と聞くと,
「は~い!」と突き刺すように手があがった。
再び,教卓のまわりに手まねきすると,子どもたちは,大急ぎで集まった。
ここで,すぐに木箱を開いてはいけない。
せっかくのお宝をどぶに捨てるようなものだ。 
次のように語るのである。

「この箱を開くと,江戸時代にタイムスリップします。
箱を開くと江戸時代の香りがします。
くさいなんて言うやつは,理科が得意になれません。
何とも言えないなつかしい干し草の香りです。」

顔を突き出すようにして覗き込む子どもたち。
干し草特有の鼻をつく匂いがする。
しかし,誰ひとり「くさい!」と言う子はいない。
「いいにおいがする。」と呟く子。
「いい匂いでしょう。干し草の匂いです。江戸時代の香りだなあ。」と声をかけた。

4.なぜ、箱に詰められていたのか?

さて,最大のポイントは,なぜ,シロツメクサが箱の周囲に詰められていたのかである。
このことを,すぐ教えてしまうと子どもたちの思考は深まらない。
そこで、次のようにたずねた。

発問10:

「なぜ、シロツメクサを詰めていたのだろうか。」
① 美しく見せるため(  )
② 香りも一緒に届けるため(  )
③ 荷物が壊れないようにするため(  )   (※ 括弧の中に丸をつけさせる)

一つ選んで、その理由をノートに書いて持ってこさせた。
予想は、次のように分かれた。
① 美しく見せるため 1名→1名
② 香りも一緒に届けるため 6名→5名
③ 荷物が壊れないようにするため 20名→21名
ノートを見た後は,自由に指名なしで発表させた。
【香りも一緒に届けるため派の主な意見】
 ・ 開けた瞬間,いいにおいがしたら気持ちよくなるから。
 ・ 香りを一緒に届けて楽しんでもらうため。
 ・ 昔の人は,いいにおいにして驚かせようとしたんだと思う。
【荷物が壊れないようにするため派の主な意見】
 ・ シロツメクサがクッションの代わりになるから。
 ・ まわりにおくと荷物が動かないので請われにくいから。
 ・ シロツメクサの花が柔らかい感じだったから。
 ・ 美しく見せるためだったら他のものでもいいし,香りを届けるためだったら他のもっといい香りのほうがいいから。
 ……
一通り,意見が出尽くしたところで,
「実は,…」と言いながら,もう一つ別の木箱を取り出した。

「この箱を開くと、答えが分かります」

と告げて,子どもたちを前に集めた。
熱い視線を感じながら,もったいぶって,そっと箱を開いて見せた。
箱の中には,何と緩衝材が入れてあるではないか。
箱の中身を見て,「わかった!」という声があがった。
「今ならば,このような使い方をします。」
と言いながら,緩衝材の中にガラスの容器を入れて見せた。
すると,子どもたちからは、「プチプチといっしょだ」という声があがった。

発問11:

「江戸時代、こんな便利なもの(緩衝材)があったでしょうか?」

「ない!」「ありません!」と子どもたちは答えた。
ここで,次のように語った。

「壊れないように大事に遠くの国から日本に運ぶために,シロツメクサを乾かしてガラスの容器のそばに詰めて入れていたのです。
でも,江戸時代,日本には,シロツメクサは,どこにもありませんでした。
日本にはない珍しい植物だったのです。
白くて,箱に詰めていた草。だから,シロツメクサと呼ばれるようになったのです。」

5.図鑑のイラストと説明を写す

最後に,「しょくぶつはかせ」(正進社)22pにある「ツメクサの名の由来」を表すイラストとその説明をノートに大きく写させた。
イラストには色も塗らせた。
できた子には,感想を書かせた。
子どもたちが作業している間に,木箱を持って回り,箱に詰めたシロツメクサを手で触らせた。
見ただけでなく,手触りや匂いも,本物でなければ分からないからである。
以上で,ちょうど45分である。


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