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TOSSランドNo: 2310164 更新:2013年01月04日

授業で使えるエピソード集10「ああ、中学三年生」


エピソード1 (小川)

高校受験の願書出願のころ、休みの日に担任から電話がかかってきた。めったに叱られることなどなかった私だが、その時は電話口に私が出るやいなや、「バカヤロー!すぐ制服で学校へ来い」と怒鳴られた。”一体私が何をしたっていうの!?”と、不安と怒鳴られたことへの多少の腹立たしさも感じながら、自転車のペダルを踏んで学校へ急いだ。休みだというのに、職員室には4、5名の先生がおられた。恐る恐るドアを開けて中に入ると、「そこに”普通”という字を書いてみー」(岡山弁)と、いきなり連絡黒板を指差す担任。にやにやとそれを見つめる他の先生方。訳も分らず、”普通”と板書した。「書けるじゃねえか!」(担任)(そりゃあ、漢字くらい書けるよ)と心でささやく私に、一枚の書類が差し出された。それは私が提出した県立高校用の願書。なんと、見事に普通の”普”の字を間違えている!一番上に点を4つ書いて、2段目を線2本にしてあったのだ。「普通科を受験しよーかいう奴が、”普通”と書けんでどう すんなあ」(岡山弁)。。。。おっしゃる通りです。先生、ごめんなさい。素直に反省して、願書を書き直した。それ以来、私が”普通”という字を絶対に間違えなくなったことは言うまでもない。あの時、先生たちは休日出勤をして願書の点検をしてくれてたんだなあ、と気づいたのはずっとあとのことだった。修学旅行や体育会と同じくらい、いや、それ以上に忘れられない中3の思い出である。

エピソード2 川神

新3年生に願うことが4つある。 1.基本的な漢字、計算、英単語を身につけておいてほしい。 2.落ち着いて勉強できる学級をつくってほしい。 3.みんなで盛り上がれる学級をつくってほしい。 4.家庭学習を90分してほしい(学年×10分)ということだ。卒業する3年生に確かめたいことが4つある。 1.きみたちはラブレターが書けるか 2.きみたちは大好きな本の一冊を持っているか 3.きみたちは簡単な英会話ができるか 4.きみたちは「ありがとうございます」と中学時代に何回言えたかである。

エピソード3 岡部

鏡が欲しい!3年になってから、ますますみんなオシャレになった。特に髪型にこだわりたい。おでこにかかるカンジとか、耳のうえにちょっとたっているカンジとか。「おい、ワックスあるかよ」ヒロくんは、てっちゃんに聞いた。「んなもの、あるわけねえだろうが」と、あしらわれてしまった。学年集会のまっ最中だ。なくて当然だろう。鏡が欲しい!とにかく、いつもアタマがどうなっているのか、確かめたい。年中テストをやって、生徒たちの頭の中にどれだけ知識が詰まったかを確かめようとするセンセイたちと似ているのかもしれない。しかし、3年のいる南校舎のトイレには、鏡が1枚もなし。1階から4階までまあったくない。一度、授業をさぼって探しまわったこともあったが、ぜんぜんない。歴代の3年生たちがぜーんぶ割って、出て行ったのだ。そういったあたりの、「美的センスのなさ」というか、鏡がなくても生きて行ける生活というのは、信じられない、とヒロくんんは思ったりする。4月・5月は、そのまま我慢したが、6月には、もう我慢できなかった。センセイたちに頼んでも「入れてもどうせ、すぐわれるのだろう」言われるだけだった。2年生の時トイレの壁をぼこぼこにしてきただけに、これには誰も文句が言えなかった。それなのに、なぜか7月になると3の1や、3の3の教室の近くのトイレにはちゃんと鏡が入っていた。1年生のトイレにいって、壁からはがして、とってきたのだ。タイルの壁につけるのは難しい。道具も材料もない。とりあえず、流しのうえにたてかけた。でも、これではつるっと、すべりおちてしまうかもしれない。大事な、大事な鏡だ。今度これを壊したら、学校中から鏡が1枚もなくなってしまうかもしれない。それどころか、かばんの中の小さい鏡も禁止になってしまうかもしれない。だから、絶対に壊れないように知恵をしばった。すべらないように、と考えて、教室の札「3の3」をはずし、その台座をはずして、それをガムテープではりつけた。このガムテープは、かっちゃんが壁をなぐって、穴ぼこにしたんを修理してあった、ところからはがしてきた。こういう、苦労の末、誕生したトイレのカガミだ。だれが割るものか。しかし、センセイは「アブナイ」とかいって持っていってしまった。ケンタが「じゃあつぎはオレがやる」といって、国語の授業をさぼって2年のところへいって、とってきた。しかし、運悪く、脇にかかえてあるいているところを見つかってしまった。ここで、争って、割っては、ますますかがみと縁遠くなる。力には自信のある、ケンタだったが、あっさりとあきらめたふりをした。とりあえず、つぎに眼をつけたのが、掃除用具入れの、そこに敷いてあるステンレスのバットだ。これは、まだ3年まえくらいに入れたものらしく、どこのクラスのもぴかぴかしている。これならオッケー!で、これを教室のロッカーのうえに置いた。軽い! 持ち運び便利! 絶対に割れない!とオールマイティではないか。センセイたちは、まさかアレが鏡だろうとはだれもおもわなかったらしい。せいぜい、教室掃除が掃除のあとしまわなかったかな、くらいだろう。男の担任ばかりだったら、このままうまくいっただろうが、あいにく4組の担任・べっちゃんが気が付いてしまった。当然、あっという間に片付けられたが、これがよかったらしい。他のセンセイたちに、「あの子たち本当に鏡が欲しいようです。絶対に、割らないで大切につかうと思いますよ」と話をしてくれたようだ。その次にもってきた鏡はずっとそのままになっている。

エピソード4 川神

中学三年生の年賀状(2001)である。もらってとってもうれしい、「受験生」からの年賀状であった。「DEAR,川神先生お元気ですか?わたしはけっこう元気にやってます。新しい年です。今年は無事、高校生になれるでしょうか・・・?受験がこんなに大変だとは思いませんでした。わたしが毎日勉強しているなんて・・・。1月8日に会えるのを楽しみにしていますよ!!今年もまた、よりいっそうお世話になると思いますが、よろしくお願いします。困った生徒ですが、もう少しの間、見てやってください。それではわたしにとって、先生にとって、
今年がとてもいい年になりますように・・・。」

エピソード5 垣内

中学3年。中学校で行われるすべてのことが「別れ」へと向かって行く。修学旅行、中体連、クラスマッチ、文化祭、そして受験・・・。残された時間をいとおしむように仲間と過ごす時間を大切に思った。何気ない毎日の授業。いやだった清掃。みんなと食べた給食。すべて大事なことのように思えた。もう、この仲間と一緒に過ごすことはないのだな・・・と、しみじ感じた。時間が止まればいいとは思わなかったけど、いつまでも、いつまでも、続いていて欲しい時が流れてた。

エピソード6 染谷

「ヘタでもいいから丁寧に書きなさい。」小学生の頃、私のノートを見ながら母親がよく言っていました。高校入試の際、願書は生徒自身が書きます。きっと、この入学願書が生まれて初めて書く公の書類になります。自分の将来を託す書類だけに、生徒は1文字1文字息を殺しながら書きます。教室には緊張感が走ります。学校によっては予備の用紙がない場合もあります。そんなとき、更に緊張感が増します。その後、生徒が書いた願書を点検します。その時、その文字を見ていると「絶対合格するんだ!」という気持ちが伝わってきます。
また、「夢を実現させるんだ!」という思いが感じられることもあります。字というのは、その時々の気持ちが伝わってきます。ですから、私はいつも自分に「ヘタでもいいから丁寧に…」と言い聞かせながら書きます。

エピソード7 染谷

昨日の個人面談で感心した生徒がいます。それは、輝一君(仮名)です。面談で最も大切なことは相手の顔(正確には「目」)を見て話すことです。いつもは、周囲に笑いを振りまいている輝一君が、面談では全く違い姿を見せました。私の質問に軽く頷きながら聞き、少し考えてから、私の目を見て答えていました。進路に対する輝一君の真剣な姿勢が、その様子から伝わってきました。面談は、自分の心を伝えることだと思っています。口では何とでも言えます。しかし、相手にはその人の心が伝わってしまいます。言葉はなくても、全身から湧き出るような気迫から、誠実さ・真剣さが伝わってくるのです。輝一君の力強い一言一言から、決意と自信が伝わってきました。入試に向けて、努力を惜しむことなく取り組んでくれるはずです。

エピソード8 染谷

昨日の面談で感心した生徒がいます。1人は俊博君(仮名)です。教室に1歩を踏み出し、静かにドアを閉めました。ここまでは、誰でもできることです。ここからがすごいのです。「よろしくお願いします」の大きな声とともに、腰を90度に折って深々と礼をしました。俊博君の素晴らしい礼を見て、私の方が緊張してしまいました。この礼の仕方は、野球部で実践しているものです。以前に紹介しましたが、優一くん(仮名)は職員室にはいる時に実践しています。私が感心したのは、野球部を引退して4か月が過ぎているにもかかわらず、部活動で指導されていたことを継続して実践していることです。どの部でも、競技技術だけではなく心の面も指導しています。指導者であれば、部活で指導したことが実生活でできるようになることを理想としています。『グランドでは礼をするが、教室に入ったら礼はしない』というのでは、本当に身に付いたとは言えないからです。俊博君は、レギュラー選手ではありませんでした。試合にも、なかなか出場する機会には恵まれませんでした。でも、練習はほとんど休まずに参加していました。球拾いやグランド整備も、率先して行っていました。
学校で行う部活動は、あくまでも教育の一環です。プロ野球とは違います。試合に出て勝つことよりも、日々の生活に役立ち、人間として確かな成長が実現できることの方に価値があると思っています。俊博君の姿に1番喜んでいるのは、野球部顧問の先生でしょう。

エピソード9 染谷

荒木英美(仮名)さんへ  合唱コンクール銅賞、おめでとうございます。伴奏者という重責を立派に果たしてくれて、本当にありがとうございます。学級担任として、英美さんに心から拍手を贈ります。合唱コンクール本番まで、何時間、ピアノの練習をしましたか?学力テスト、英語検定試験などなど、本当に忙しい毎日だったと思います。限られた自分の時間を学級のために割いていただいたことを、本当にありがたく思っています。銅賞を、C組全員が誇りに思っています。いや、賞を超越した感動を味わい、努力することの大切さと、学級全員が1つにまとまることの素晴らしさを実感できたことが、大きな収穫です。10年後、20年後、10月の第4日曜日が来るたびに、誰もがあの感動を思い出してくれるはずです。もちろん、私も思うはずです。これも、英美さんの努力があったからです。学級のみんなにかわり、心から感謝します。ステージに登壇する前、私は英美さんに声をかけようとしました。「今日まで、本当にありがとう。思い切って弾いてきてください。」そう伝えるつもりでした。でも、登壇する前から目に涙を一杯にためている英美さんを見て、何も言えなくなりました。
それだけで、すべてが伝わってきました。私が何も言わなくても、英美さんから「絶対に頑張る!」というメッセージが私に伝わってきたからです。目は言葉以上に正直なものです。時には、言葉以上の力を持つことがあります。それが、あの瞬間でした。きっと、合唱コンクールを迎えるたびに、英美さんの純粋で澄んだ目を思い出すことでしょう。それほど、美しく、輝いた目をしていましたよ。 3年C組担任染谷幸二

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エピソード10 野々村

信じてもらえないかもしれないが,今年度初めて三年部所属になった。三年生の英語教科書を教えるのも初めてである。これまで1・2,1・2...と駆け声のように1年部と2年部を往復していた自分にはじめて与えられた3年生の教科書。素直に誇らしかった。例年,3年生といえば,キャッキャッしたところがなくなり,どこかしら落ち着きが出てくるものだ。入学したときから知っている生徒達に3年生までついてあがることを初めて許された身として,確かめたいことがいくつかあった。やんちゃでさんざん悩まされたあの子たちが本当に3年生らしい3年生になるのか?変わるのなら,何をきっかけとして,どんな変貌を遂げるのか?この目で見届けたいと思った。進級した第1日目,明らかに学年全体の雰囲気が変わったのがわかった。各クラスで最初のHR。そこで「受験」の2文字が担任から出された途端に,である。昨日までの2年生の顔が,とたんに受験生になっている。それはもう見事な変貌。3年生の空気が変わった,と肌で感じた最初の一瞬だった。ある意味で,受験はかつて元服が果たした役割を受け継いているといえるかもしれない。

エピソード11 山岡

別れの日、素敵な歌声と涙を残して、生徒達は巣立っていきました。予行のあと、「先生、ちょっと前に来てください」といわれ、何だろうと思っていると、「先生に感謝を込めて、みんなで1曲歌います」と歌い始めるではありませんか。「歩んできた この道のりの ひとつひとつを 振り返ったら 人のぬくもり たくさんの出会い どれくらい友に 支えてもらっただろう・・・」3年生が、こんな担任でもない一音楽教師のために合唱をしてくれる、こんなうれしいことはありません。泣かずにいられませんでした。生徒達も、そして、他の先生方も泣いていました。あの歌声と表情を心に刻みました。 式当日の朝、3年生の委員長3人が私の所に来て、「先生、お願いがあります」と言います。「式が終わって、退場の前に、「旅立ちの日に」をみんなで歌いたいのでピアノを弾いてください。もう、そこしかチャンスがありません。昨日の夜、連絡網を回して、今朝、各クラスで打ち合わせをすることになっています」と言うのです。足が震えました。「私の一存ではできないから」と、3年の先生がたと話をした後、学校長に相談に行きました。結果は、許可がいただけませんでした。でも、私は、生徒達がそんなにまでして歌いたいと思った、そのことだけで十分です。願わくば、歌わせてやりたかった、そう思います。こんな3年生がいたことを、教師を続ける限り、語り継いでいきたい、そう思っています。

エピソード12 坂井

1学期、卒業生が、たびたび中学校に来ます。高校には進学したものの、中学時代を懐かしんで遊びに来るのです。元担任としては、複雑な気持ちになります。それだけ中学校での生活が充実していたんだなあとうれしくなります。一方で、今の高校生活が充実していないのかなあと不安になります。その教え子に言いました。「中学校に来るのもいいけど、もっと高校生活を楽しまないと。次、中学校に来るのは、高校の卒業証書をもってくるときでいいからね。それまで、転勤しないで頑張ってるから。」教え子は、「わかった。じゃ、卒業証書もって報告に来るからね。絶対転勤しないでいてね」と、笑みを浮かべて言ってくれました。それから、その子は中学校には顔を見せません。高校では、私に言われたことを励みに頑張っているそうです。資格試験にも積極的に挑戦していると同じ高校の子から聞きました。それから2年が過ぎました。初めて卒業させた教え子たちもまもなく卒業の3月を迎えます。卒業証書をもってやってくる教え子との再会を楽しみにしています。

エピソード13 川神

「仲間へのメッセージ」も発表してもらいます。みなさん自身の「抱負」も発表してもらいます。楽しみにしています。それに先立ち、担任の私がこの1年間掲げたいと考えた学級目標の発表をいたします。それは「早く・丁寧に・最後まで」です。思いつきではありません。「成功する人の条件」「幸運をつかむ人の条件」「伸びる子どもの特性」「川神がこの人はすごいなあと思った人の特質」からその要素を抜き出したものです。また、昨年3年部で一緒にお仕事をさせていただいた○○学年主任からお教えいただいたことも加味して決めました。
この学級目標のもとに1年間を過ごすことが、今の学校生活を充実したものにするだけでなく、後々のみなさんの人生にも必ずやプラスの影響をもたらしてくれると確信しています。時間の管理、これは3年生にとって何より重要なことです。丁寧な取り組みなしには、学力の保障はなされません。いいかげんな取り組みからはいいかげんな結果しか生まれません。最後まであきらめない姿勢には、幸運の女神も微笑む、と言います。

エピソード 14 川神

「学級通信創刊号」ごあいさつ  進級おめでとうございます。中学校生活最後の1年です。義務教育最後の1年です。この1年がみなさんにとって価値ある、有意義な1年になることを心から願います。担任の川神正輝です。みなさんの大切な1年間のお世話させていただきます。「いいものはいい」「だめなものはだめ」という態度で仕事をします。「余計なことをしない」「余計なことを言わない」ことも心しています。4月6日の学年会で○○先生(学年主任)から数々の学年経営方針をお聞きし、身が引き締まる思いで本日を迎えました。自分にできる精一杯の仕事をする覚悟です。◆自己紹介です。クイズの形にしてみました。答えだと思う番号に○をつけてみて下さい。いいことがあるかもしれません。
1 川神と誕生日(12月7日)が同じ人はだれでしょう。 ①坂本龍馬 ②高杉晋作 ③西郷隆盛
2 川神の年齢はどのくらいでしょうか。 ①「清原」と同じ ②「イチロー」と同じ ③(ALT)「トリシャ」と同じ
3 川神の星座は何でしょう。  ①かに座 ②みずがめ座 ③いて座
4 川神は自分で自分の性格をどう思っているでしょう。 ①おおからでしつこい ②まじめでいいかげん ③さわやかでくどい
5 川神が1年半前から始めた習い事は何でしょう。 ①ギター ②パソコン ③英会話 ④習字
6 川神の今の夢は何でしょう。 ①いい英語の先生になる ②通訳の資格をとる ③いいパパになる

エピソード15 川神

出会いの回想 音楽家は「最初の音」に全神経を集中させる。小説家は「書き出し」に工夫を重ねる。相撲は「立ち合い」で決まる。
棋士は「第一手」に対局の流れを託す。最初を大切にすることはどの道の人にとっても「たしなみ」といえる。3年2組のみなさんとの「出会い」に私も心をこめた。みなさんの大切な名前を暗唱し、つたない歌を口にした。昨日のあれが今の自分の精一杯の「心」であった。
学年集会での3年2組のみなさんの態度は立派であった。教科書を教室に運んでくれ、その教科書を指示通り全員に配布してくれ、教室に笑顔で私を迎えてくれて、「座りなさい」の指示で席に着き、「1年生、2年生とみなさんのことを知らない私がこの1年間のお世話をさせていただくことの重大さを心しています。」という私の言葉に耳を傾け、私の呼名にうなずいて応えてくれ、歌に拍手を贈ってくれ、
「心をこめて名前を呼んでいるんだ。黙って聞きなさい」で私語を止め、きちんと椅子に座り直し、机、椅子の交換をさっさと済ませ、
教科書のチェックを済ませて、道徳の本を集めてくれ、学級通信を一緒に読み、少々のクイズに挑戦し、転入生の○○さんのあいさつに拍手を贈り、私からの連絡を黙って聞き、配布物(進路希望調査・校内テスト出題ポイント)を受け取り、そして昇降口で靴箱の移動をして、3年2組の初日は終わった。その後私は、お休みだった○○さんのところに教科書を持っていった。○○さんは「ありがとうございます」と笑顔でそれを受け取ってくれた。36名のみなさんとの「出会い」に心から感謝した。

エピソード16 川神

◆充実した毎日とは? 「充実した毎日」といっても、それは人それぞれに違います。当たり前のことです。まして、若人の気分、体調は変わりやすいものです。しかし、学級集団にとっての「充実した毎日」を考えるとその答えは絞られてきます。私の経験則、先達の教えからこういうことができます。「充実した毎日」を過ごしている学級は,「1.落ち着いて勉強ができる学級」「2.みんなで盛り上がれる学級」。一人ひとりの毎日と同じく、学級にも晴れの日もあればくもりの日もあり、また雨の日もあります。それが自然で、当然です。しかし、「落ち着いて勉強ができる」「みんなで盛り上がれる」という学級の姿勢は堅持しなくてはいけません。私たちは目的、目標をもつ集団の一員です。超・端的に言えば「人格の完成をめざす、教育をうける集団」と言えます。学級にはシステムをつくります。安心して生活ができるようにするためです。日直、学級委員、学級当番、生徒会専門部所属、班、学級委員、・・・これらはすべてそのためです。 (以下は明日)

エピソード17 川神

◆昨日は、入学式。生徒会副会長○○さんの入学式での「言葉」が3年生の「姿勢」を象徴していました。立派な態度で過ごした一日でした。「心」は見えませんが、「言葉、表情、行い」に現れるものです。◆さらに。One for all, and all for one(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために) 昨年度の生徒会スローガンです。『三銃士』に出てくる言葉です。この精神をもち、学級では生活をしてください。 学級のために行動する。学級のために我慢する。3年2組の「誇り」と「格好よさ」はここからしか生まれません。 ◆座席決定 授業時間とそれ以外の区別をはっきりつけるためにも座席はとても大切です。好きな座席を選ぶという方法もありますが、この方法は採りません。理由は、学習態度が乱れる。学力が定着しにくいからです。そして何より、友人関係への配慮からです。ただし、教科の経営方針により、また教室外での授業の運営に関してはその教科担当教員が指示をします。3年2組は1組、2組同様、生活班ごとでの座席の決定をいたします。体調面等での配慮は当然いたします。必ず申し出てください。

エピソード18 櫛引

中学3年生のとき、同じ学級の女子生徒が亡くなった。重い病気によるものだった。2年生の頃から、ずっと入院していた。彼女は他界する直前、頭に白い包帯を巻いて数週間、学校に通ってきた。実は、その頃はもう死期が近づいており、普通なら、とても登校できない体だったそうだ。教室で、彼女の死を知らされたとき、女子はみな、一斉に泣き始めた。担任の先生も泣いていた。私は女子と話すのが苦手な男だったので、彼女とは、それほど親しくもなく、クラスメイトの「死」というものに、実感がもてなかった。帰宅し、母親にそのことを告げた。翌朝、早朝から父親にたたき起こされた。夜勤あけの父は、母から、彼女の死を伝え聞いたらしく、寝ぼけまなこの私を外へ連れ出した。そして、一緒に、朝日に向かって黙祷しようと言った。数分間。親父と並んで、黙祷した。絶対に高校に行こう。彼女のぶんまで、生きよう。教室では涙さえ出なかった私に、そんな思いがわいてきた。自分の生き方に、決意(らしきもの)をしたのは、あのときが始めてだった。戸惑いながらも、自分の人生を歩み出そうとする。中学3年生は、そんなときだと思う。

エピソード19 岡部

3月のある日、公立高校の一般入試の発表の前日だった。いつものように、放課後の教室にいった。机を整えたり、ロッカーの上を片付けたりしていると後ろの黒板に何か書いてあるのに気が付いた。 「あしたの自分へ(ハートマーク) どうでしたか? 受かっていましたか? 落ちていたら、どんまい(ハート) がんばったよー」

エピソード20 岡部

テストのラブレター   3年生最後の期末試験を採点していたら、ある男子生徒の答案に、このような文が書かれていた。去年担任したのだが、ワルにあこがれ、その道に入っていったので人一倍、手のかかった生徒であった。泣かせる文である。「べっちゃんへ えんぴつがなくて、色ペンになっちゃいました。ごめんなさい。別に悪気とかはないです。あと、今かいているから言うけど、いろいろ迷惑かけてごめんね。あと、今までありがとうございました。べっちゃんの授業たのしかったぜい!!時には、まじめに、時には楽しくみんなで笑った あの日々を忘れないぜい!! うん。もうちょいで卒業だけど、まだある日にちをどうぞよろしくっす!!あと、この計算欄切り取って返して!!(解答用紙の法だけテスト返しの時、返して下さい)だって、恥ずかしいじゃん!!切りとったらすててもいいから、おれには渡さないで下さい。では、また。」

エピソード21 岡部

そうじの理由   かっちゃんはクラス1,2のやんちちゃボウズだ、ということはだれもが一目みればすぐわかった。だいいち、髪がぼうぼうで、さびたねじのような赤茶になっている。ワイシャツのすそは、いつもペンギンのしっぽのように学生服のすそからでている。もちろん、ズボンのぽっけからはじゃらじゃらとアクセサリーがぶらさがっていて、その先にはケイタイがあるのは、だれもが知るところだ。そんなかっちゃんだが、そうじと給食だけは、ちゃんとやる。正確には、担任のべっちゃんが「山田くん、これ、やってね」と言ったとき、だけだが。べっちゃんは、「あの子は、自分の仕事は絶対にやる子だからね」と班の生徒には、言っていた。そして、グループで座っていても呼びにいくと、「おお、おれ、ごはんか」とかいいながら、もそもそやってくる。さらに、エプロンを差し出すと、ちゃんとつける。赤い頭とぎょろぎょろした目玉で白いエプロンをつけている姿は、廊下から見ると、かなり異様だったらしい。彼が、給食当番をやる、ということは、クラスの他のだれもが、給食当番をやらざるを得ないエプロンをつけなくてはならないということだった。実際、誰一人、エプロンいやだ、とか当番めんどい、などと言わなかった。言えなかった。卒業式の門おくりで、校門まで送ったときべっちゃんはしみじみと、かっちゃんを誉めた。すると、かっちゃんはこう言った。「オレ、2年のときの大掃除で、先生に言われて壁を掃除したんだ。あのとき、ばっくれて遊んでいたら、あいつらと一緒にいてケガしていたと思う。だから、先生に言われたら、ぜったいに掃除とかやろうと決めていたんだ。」2年生最後の大掃除の最中にベランダにでて馬鹿騒ぎをしてガラスを割って、大怪我をしたという事件があったのだ。かっちゃんの仲間ばかりだったのでかなり、こたえたらしい。卒業直前の、大掃除では、暗い廊下にしゃがみこんでたわしをクレンザーだけで1時間ずっとこすりつづけた、かっちゃんであった。

エピソード22 岡部

「レベルが高い。」某中学校の3年生の担任の先生は気が付いた。「なんか、うちの学年の男子ってみんなおしゃれ。」制服はちゃんとある。ジャージも体操着も指定だ。セーターだって、コン、黒とある。どこでオシャレをするのか?髪型か?顔のお手入れか?靴下か?おしゃれの秘密はパンツであった。その学年には公立中学校につき物のやんちゃグループがあった。髪は茶とか黄色とか赤で、菓子を食べながら床に転がっていて、授業に遅れる、でない、ばっくれるの不良の3原則を忠実に守っている。普通の不良たちと大いに違うのは何かにつけ、パンツ1丁になりたがることだ。体育の着がえはもうおなじみだし、高校に行くのか?じゃあ貸してやろう、と、がばっと脱ぐ。夕立が降ると、いそいそと脱いで校庭で踊る。「伝説の人」は、パンツ1丁でベランダで寝るのが好きでサンオイルまで用意していたという。ビーサンだったのは確かだが、ビーチチェアまでもってきたかどうかは定かではない。とにかく、そこかしこに、ハデなイロ柄のパンツが出没するものだから、その学年の男子のパンツに対する意識は高い。パンツ=隠れたもの、隠すものではなく、パンツ=見せるもの、自己主張できるものなのだ。だから、一番じみだろうなーと思われる子でさえ真っ赤なチェックだったり、たれぱんだだったりするのだ。ハデはセーターや、違反のパーカーでは一発で職員室送りとなるが、パンツでは、どんなにハデでも1丁で走り回ろうとオッケーだ。かくして、男子の自己主張の場はパンツ、となった。もちろん、共学だから、女子もいるわけだし、毎日しっかり見ている。カノジョらのパンツに対するレベルもかなり高いということも、男の子たちは忘れてはならないことなのだが。


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