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TOSSランドNo: 2310165 更新:2013年01月05日

授業で使えるエピソード集0「染谷幸二の学級通信抄」


1 10代の友だち

先週、板岡瞳さんがおたふく風邪でお休みしました。
おたふく風邪は、出席停止となります。
お医者さんの許可が出るまで、学校に来ることはできません。
1番前の席が空いているというのは、実に寂しいものです。
朝学活の時、瞳さんは私の話を真剣な眼差しで聞いてくれます。
この眼差しを見ていると「今日も1日、元気を出してがんばろう!
という気持ちになります。
生徒のちょっとした仕草で、元気が出るのですから、
教師という職業は素晴らしいと思っています。
その瞳さんがいつもの席にいないと、
1日が寂しい気持ちでのスタートになります。

23日(金)、学校の大きな封筒を持って学級へ行きました。
今日の夕方、瞳さんのお家に学級通信を持って行きます。
田渕君、この封筒に机の中にあるプリントを入れておいてください。
せっかくなので、瞳さんへのメッセージがある人は封筒の余白に書いてください。
朝学活で、このように話しておきました。
中標津で行われた会議が終わり、6時半に学校に戻りました。
職員室の私の机に、封筒がのっていました。
誰かが気をきかせて、封筒を職員室まで運んでくれたのです。
その優しさに、心が温まりました。
7時頃、封筒を瞳さんのお宅に届けました。
「やっと元気になりました」というお話をお母さんが伺い、
安心して帰宅することができました。
メッセージを寄せてくれたみなさん、ありがとうございました。

2 試験勉強と私

期末テストが終了しました。
様々な思いを胸に、9教科のテストを受けたことでしょう。
先週の学年集会では「『今までで1番勉強した』と思えるぐらいの努力をして、
期末テストに臨んで欲しい」と伝えました。
その期待に多くの人が応えてくれたことでしょう。
この時期、誰もが勉強を頑張ります。
この「頑張る」という言葉の意味を、もう1度考えて欲しいと思っています。
C組で、社会の復習プリントに取り組んでいる生徒がいます。
1学期から始めた人がいます。
何人も「プリントをください」と、私のところにきました。
その数は20人を越えるでしょう。
でも、今まで続いているのは数人です。
「継続は力なり」という言葉があります。
中学3年生であれば、誰でも知っている言葉です。
しかしながら、意味を知っているのと、それを実行できるのは別問題です。
1学期から継続している人のファイルは、厚さが5cmを越えています。
1日1枚のプリンとでも、30日、50日と続けていれば相当の厚さになります。
努力を続けたからこそ、実感できる重さです。
今日も、ファイルが提出されました。
そのファイルを見ながら、シドニーオリンピックで金メダルを獲得した
高橋尚子さんを思い出しました。
金メダルを獲得したレースの翌朝、高橋選手は何もなかったように
選手村近くの公園をジョギングしたそうです。
そこに金メダリストの「奢り」はありません。
人の陸上選手として当たり前のことを、当たり前のようにしているに過ぎません。
そこが、並の選手との違いだと思うのです。
期末テストが終わったばかりです。
「1日ぐらいゆっくりと休みたい」という気持ちを持って当然です。
ファイルを開いてプリントに○をつけながら、
その生徒の努力が重さとなって伝わってきます。
生徒の努力は、本当に重く感じられます。
「努力」というのは、目に見えません。
それは、まだまだ「努力」の度合いが足りないからだと思うのです。
ごく普通の、誰でもできる努力であれば、見えてもきませんし、
伝わってもきません。
普通の人以上の努力があるから、
「努力」として見えてくるのだと思っています。

3 試験勉強と私

個人面談が終了しました。
自分の卒業後の進路ということで、どの生徒も真剣な表情で教室に入り、
私の前の席に座りました。
そんな生徒を見ていて、「自分が中学3年生の頃は、どうだっただろうか…?」
と思い出してみました。
何しろ、20年前のことです。
鮮明には思い出せませんが、
やはり緊張して学級担任の先生と面談していることは確かです。
高校入試は、「自分が試される」というだけでプレッシャーに感じるものです。
どんなに成績が良くても、試験に「絶対!」という保障はありません。
前日まで万全に準備できていても、
その日に体調を崩してしまっては実力を出し切ることはできません。
どうしても、そういったマイナス面ばかり頭に浮かんできてしまいます。
私もそうでした。
個人面談で担任の先生が、ちょっと弱気だった私に
「自分で決めた道なんだから、勝負をかけてみなさい!」
と強い口調で言いました。
その一言が、私の迷いを断ち切ってくれました。 
「合格できるだろうか?」「入試では何点取れるだろうか?」
「本当は自信がない」と悩んでいても、自分にとって何もプラスにはなりません。
入試の日はもう決まっています。
今年は3月5日です。
この日を動かすことはできません。
だからこそ、悩めば悩むほど時間がなくなってくるのです。
1度決断したのであれば、希望進路が実現できるように、
やるべきことをやるしかないのです。
行動を起こさなければ、何もいいことはないのです。
そのことを、担任の先生が私に教えてくれました。

4 読書と私

読書用の本を購入しました。
その1冊が、『3年B組金八先生・風にゆらぐ炎』です。
『風にゆらぐ炎』は、私が中学2年生の時に見ていた『金八先生』の
第1期から数えて19冊目になります。
『風にゆらぐ炎』の冒頭に、次の文がありました。

  物事にはみな順序がある。
  冬の後には春、春の後に夏。
  夜が明ければ朝、朝が過ぎれば昼。
  芽生えがあって、成長があり、
  花が咲いて、果実は実る。

  人は生き死にも同じこと。
  親は子を生み、子を育て、
  その成長を見とどけて、
  親は先にこの世を去る。

  ではこの順序が逆になったら、
  親よりも子が先に死を迎えたら、
  そのとき親はどうすればいい?
  そのとき親はどう生きればいい?

この答えを、生徒共に考えていきたいと思っています。
生徒の『生き方』に関わる問いでもあります。
先週、金八先生で紹介されていた『種まく子供たち』という本を読み終えました。
どの本屋でも、この本がベストセラー1位でした。
金八先生の子供・幸作君が白血病と闘っています。
自分の病気と正面から向き合い、それを克服する道を選びました。
脚本家・小山内美江子さんの『金八先生』シリーズは、19冊出版されています。
学級文庫に、19冊すべてを揃えたいと思っています。

5 試験勉強と私

2学期の授業日数も、残すところ6日間となりました。
3年生にとって、1日1日が大切な時期です。
三者面談が終わり、気持ちも「進路の実現」に1本にまとまったはずです。
「勝負をかける!」と決意した生徒の目は輝いているものです。
家でも「よし!」と気合いを入れて、勉強に励んでいることでしょう。
その一方で、焦りを感じている人もいるはずです。
「まだまだ先のこと…」と思っていたはずの入試も、あと80日に迫りました。
これは公立高校の場合。
私立高校や釧路高専を受験する人は60日後が勝負の時です。
焦りやプレッシャーを克服するには、心を穏やかにさせるしかありません。
私も何度か「試験」を経験しました。
その中で習得した克服法を朝学活で話しました。
それは、1か月後、2か月後…の自分を、具体的にイメージすることです。
1か月後といえば、1月15日です。
冬休みも残すところ、あと数日となりました。
冬休み前に立てた学習計画に従い、
目標学習時間である「100時間」を突破している頃です。
本気で勝負をかける人であれば、
その倍である「200時間」を目前としている頃です。
確かな学習時間は、不安になりそうな心に「自信」を与えてくれます。
「この調子で3学期を迎えたら、テスト結果に結びついているはず!」
こういう手応えを感じているはずです。
2か月後といえば、2月15日です。
私立高校の入試は2月20日です。
私立高校を受験する人は、最後の確認を始める頃でしょう。
入試は部活の試合と同じです。
体調を整えなければ、実力を発揮することはできません。
1時間目の試験は9時開始です。
9時には頭がフル回転できるように、体調を整えなければなりません。
公立高校1本の人も、
そろそろ夜型の生活から抜け出さなければならない時期です。
公立・私立高校の推薦入学の結果が出る頃です。
学級に「内定者」が出ると、学級に勢いが生まれます。
「私も頑張ろう!」「僕も続きたい!」という気持ちになります。
3か月後といえば、3月15日です。
卒業式の翌日です。
胸を張って旅立ったことに、誇りを感じている頃でしょう。
1つのことを成し遂げたという充実感は、自分自身への誇りに変化します。
翌日は、公立高校の合格発表です。
9時に、各学校の玄関前に合格者の受験番号が張り出されています。
ワクワクした気持ちで、1日を過ごしていることでしょう。
4か月後といえば、4月15日です。
新しい生活をスタートさせている頃です。
人によっては、全く新しい環境の中で高校生活を
スタートさせている人もいるはずです。
親元離れて下宿生活をしている人もいるでしょう。
見知らぬ土地で緊張しながらのスタートでも、
この頃になると新しい友人とも打ち解けているでしょう。
学級にも慣れ、部活の練習も始まり、
高校生になった喜びを噛みしめているはずです。
こうした1か月ごとの「自分」をイメージすると、
そこに至るまで「何をしなければならないのか?」
「どう努力しなければならないのか?」
が具体的に見えてくるはずです。
行動するから、新しい道が開けます。
動きのあるところに、新しい風が流れます。

6 読書と私

学校の朝は、読書からスターとします。
「朝の10分間読書」が始まったのは、今から4年前です。
導入当初、「読むだけで、生徒の活字離れを解消できるのか?」
「本当に生徒達は本を読むのだろうか?」という不安の中でスタートしました。
その不安も、1週間で消えました。
それまでの学校の朝は、実に騒々しく感じられました。
朝自習も正常に行われてはいませんでした。
職員打ち合わせ中にも関わらず、廊下を走り回る生徒、
大きな声で話しをする生徒がいました。
「落ち着いた朝」とは無縁の世界でした。
1週間後、学校が変わりました。
それまで大騒ぎしていた生徒が、座って本を読んでいたのです。
私が教室に入るまで立ち歩いていた生徒が、
イスに座って本を読むようになったのです。
「はい、自分お席に座って!」と大きな声で言いながら教室に入るのが、
それまでの日課でした。
注意が伝わらず、朝から怒鳴り散らしたこともありました。
まず、そこから変わりました。
朝は静かに教室の戸を開くようになりました。
読書に夢中になっている生徒を驚かせるわけには行きませんでした。
必然的に、「おはようございます」と小さな声で挨拶をして
教室にはいることになりました。
そして、そのまま自分の席に直行し、10分間、
読書の世界で心を落ち着かせることができるようになりました。
読書の開始で、1日のスタートである朝が劇的に変化しました。
4年間で、読書好きの生徒が増えたように思います。
2学期、私もたくさんの本を読みました。
その中のナンバー1は、やはり『種まく子供たち』です。
私が大好きな「金八先生」で紹介された本です。
白血病で苦しむ金八先生の息子・幸作君が、
この本を心の支えに病気に立ち向かいます。
『種まく子供たち』は7人の少年少女の闘病記です
闘病記」というと、患者さんが苦しみ、悩み、病気を克服しようと努力する…
というイメージがあります。
しかし、この本を読んで、そのイメージが変わりました。
そこには、家族が持つ、家族にしかない力が存在しています。
深い愛情と信頼で結びつけられた力とでもいうのでしょう。
そこに感動しました。
患者さんだけが、病気と闘っているわけではないのです。
家族もまた、病気と闘っているのです。
「家族の絆」が弱まりつつあるといわれています。
しかし、この本を読む限り、今も「家族の絆」は間違いなく存在しています。
冬休みの課題として、読書感想文が出されています。
受験勉強で疲れた脳ミソを、この『種をまく子供たち』で癒してください。
そして、受験勉強で闘っているのは自分だけではないことも合わせて
感じ取ってもらえれば、2倍3倍の価値が生まれると思っています。

7 試験勉強と私

学期末になると、5か月間の努力を5つの数字で表すことに、
いつも頭を悩ませます。
「1人ひとりに自信を与える評定をつけてあげたい」
と心の底から思うからこそ、この時期になると心が痛みます。
しかし、生徒に評定を下すことは、教師にとって大切な仕事です。 
ですから、客観的数値を基準に、
どの生徒も納得できる評定になるように考えに考え抜いてつけています。
これは、全国の中学教師が同じ気持ちだと思っています。
成績が上がる生徒もいれば、下がる生徒もいます。
全員が上がってくれれば問題はないのですが、思い通りには事は運びません。
成績が上がった生徒は、教師が何も言わなくても、
「次に何をするのか?」を考える力を持っています。
授業中、「ここは大切だよ」「試験によく出るところだよ」と言います。
こうした一言を聞き逃さず、しっかりとノートにメモしている人がいます。
また、授業で使ったプリントを大切に保管して、
テストの前に復習している人がいます。
こうした努力をしているからこそ、点数が伸びるのです。
成績が上がるには、上がるための努力をしているのです。
「がんばっているのに、結果に表われない」
「あんなに努力したのに、全然伸びていない」
誰もが1度は経験することだと思います。
私も自分の中学時代を思い出しても、何度も思ったことです。
こんな時、
「自分は向いていないのではないか?」
「自分には力がないのではないか?」
と思うものです。
こうした思いを味わわせないようにしたいものです。
あきらめていては、何も始まらないのです。
勉強は薬と同じです。
すぐには効いてくれないのです。
薬が体の隅々まで行き渡るには、ある程度の時間が必要なのです。
勉強も同じです。
本気で勉強をしても、その成果が表われるには一定の時間が必要です。
「努力が結果に表われない時間」が最も苦しい時間です。
ここを乗り切れるかが、学力を伸ばす分かれ道だと思っています。
「今の努力が必ず実を結ぶ時が来る」と思うのか?
「いくらやっても結果は同じこと」と思うのか?
どちらかを選択します。
その選択は自分次第であり、自分の心が決めることです。

8 試験勉強と私

勉強は、誰のためにするのでしょうか?
この質問をしたら、ほとんどの人は「自分のため」と答えるでしょう。
これに間違いはありません。
自分の未来を希望あるものにするためには、一定の知識や技能が必要です。
外国との結びつきが深まり、コンピュータが発達する21世紀においては、
いままで以上の知識や技能が求められるはずです。
しかしながら、「自分のため」を強調しすぎると、
次のように主張する生徒が出てきます。
勉強するもしないも、自分の勝手だ。
誰に迷惑をかけているわけでもないのだから、放っておいてくれ。
これに反論できなければ、この生徒はどんどん安易な道に流されて行きます。
こういう主張を聞いたときこそ、教育のチャンスなのです。
学校教育にはたくさんの税金が使われています。
「租税教室」でいただいた資料によると、
中学生1人あたり年間約100万円の税金が使われているのです。
小中学生は、将来の日本を支えていく大切な世代です。
明るい未来を約束するためにも、教育を疎かにすることはできません。
逆に言うならば、優秀な国民を育てることが明るい未来への近道でもあるのです。
資源小国の日本が世界有数の経済大国に成長できたのは、
間違いなく「教育」の力です。
高い頭脳と勤勉な国民性が、今の日本を支えているのです。
こういった面からも、「勉強」をとらえておく必要があると思っています。
中学生であれば、こういう知的な話は十分に理解できるはずです。
こうした一歩突っ込んだ話を数多くしてあげたいと思っています。
2年前の冬休みに行われた学習会での話です。
ある生徒が「明日の学習会、行くのが面倒だな…」と言ったそうです。
それを聞いていたその生徒の母親が、次のように厳しく叱ったというのです。
そんなの許されるはずがありません。
自分で参加を申し込んだのだから、最後まで出席しなさい。
自分で決めたことを自分で破っていたら、立派な人間になれるはずがないでしょ!
「立派なお母さんだ」と思いました。
学習会の参加を通して、社会のルールをきちんと教えています。
ただ単に、「行きなさい」「行かなくてもいいよ」と言っているのではありません。
これでは、生徒も納得しないでしょう。
例え参加したとしても、充実した時間を過ごすことはできないでしょう。
「なぜ、行かなければならないのか?」という最も大切な理由を説明しています。
ここが大切だと思います。
ある本によると、「趣意を説明してから行動させる」ことが
《素直な子ども》を育てる秘訣だと書いていました。
こうしたことを幼い時から繰り返していれば、物事をよく考え、
的確に判断して行動する力を身につけるはずです。
実は、この先がすごいのです。
先生方は「何を教えようか?」「どう教えようか?」と考えて学習会をやるのだよ。
 事前に、参加者分のプリンとも準備されるのでしょう。
 あなたのために、先生は準備するのですよ。
 あなたが休むことで、先生のそうした期待を裏切ることになるのだよ。
 休み中に学習会を開いてくれた先生方に、申し訳ないと思わないのかい!
 「申し訳ない」という気持ちがあるんだったら、参加するのが当然です。
このお話を聞いて、感激しました。
学校教育は家庭の協力があって、初めて正常に機能します。
そういった目で学習会を見てくださっていることを、とてもうれしく思いました。

9 学校にまつわるいい話

昨日はクリスマス・イブでした。
友達で楽しく過ごした人もいれば、家族でパーティーを楽しんだ人もいるでしょう。
我が家でも、小さなケーキを食べて過ごしました。
日本にとってのクリスマスは、友達のため、家族のためにあるのかも知れませんね。
私にとって、忘れられないクリスマスがあります。
今からちょうど15年前、大学2年生、19歳の時のクリスマスです。
この年の12月13日の朝、大学に向かっていました。
9時半から始まる体育に遅刻しそうになったので、大学の手前から走り出しました。
その時です。腰に激痛が走りました。
足を引きづらなければ歩けないほどの痛みでした。
途中、脂汗が出てきました。目に前が真っ白になり、何度も座り込んでしまいました。
やっとの思いで大学の体育館に辿り着きました。
そこで、意識が途切れてしまいました。
気付いたときには、教官室の簡易ベッドで横になっていました。
左足が上がらず、すぐに救急車に乗って釧路市立病院へ急行しました。
椎間板ヘルニアと診断され、すぐに入院。
それから約1か月を5階の整形外科病棟で過ごすことになりました。
クリスマス・イブの夜のことです。
夕食が終わり、本を読んでいました。
いきなり「ジングルベル」の音楽が流れ、部屋の明かりが暗くなりました。
整形外科部長の先生がサンタクロースの服装をして、
入院患者さんにショートケーキを手渡してくれました。
袋の中には、
看護婦さんと看護実習生さん手作りのクリスマス・カードが入っていました。
全く予想していなかったことだったので、とても驚きました。
私の横のベッドで寝ていたおじいちゃんは、
「生まれて初めてのクリスマスケーキだ」と言って涙を流していました。
このケーキは、お医者さんと看護婦さんがおこづかいを出し合って買ったそうです。
心が込められたケーキのプレゼントに、入院患者全員が感謝したものです。
入院していると、日にちの感覚がなくなります。
変化のない、単調な生活が続きます。
こういった心のこもったプレゼントが、どんなご馳走よりもありがたく思えるものです。
私にとっては、忘れられないクリスマス・イブになりました。

10 10代に熱中したこと

バレーボールの指導者講習会に参加しました。
まずは、日本バレーボール協会の豊田専務理事から講義がありました。
男女共にオリンピックの出場権を逃したナショナルチームの再建策や協会の財政健
全化についての話を聞きました。
心に残った話がありますので、その一部を紹介します。
6月、男子ナショナルチームは、シドニーオリンピックの出場権をかけて
最終予選に臨みました。
場所はヨーロッパでした。
緊張した試合で頼りになるのが経験豊富なベテランです。
この時、けがから復帰した中垣内選手がナショナルチームに復帰しました。
中垣内選手は強力なリーダーシップで短期間にチームをまとめ、試合に臨みました。
しかし、結果は惨敗。
シドニーへの切符を手にすることなく帰国しました。
帰国した中垣内選手は、結果を報告に日本協会に来たそうです。
そして、目に涙をいっぱいにためて「悔しい!」を連発していたそうです。
試合で負けたのが悔しかったのではありません。
出場権を逃したことに悔やんでいるわけでもありません。
中垣内選手は、「ナショナルチームの選手が遠征する飛行機の中で、
試合のことも考えずマンガを読みふけっていることが悔しい。
そして、情けない!」と言ったというのです。
日本の選手は恵まれています。
試合に負けても給料は減りません。
オリンピックへの出場権を逃しても、生活が変わるわけでもありません。
結果に関わらず、生活は保障されているのです。
ですから、「絶対にオリンピックへ行く」という気持ちになれないと言うのです。
中垣内選手はナショナルチームに選ばれた時から、
全ての生活がバレーボール中心になるというのです。
勝つことだけを考え、勝つためには何をすればいいのか、
どうすればオリンピックに出場できるのか。
そればかりを考えていたと言います。
しかし、チームの仲間の何人かは大切な試合のことも考えず、
マンガを読んでいたというのです。
ヨーロッパの国々は、ナショナリズムを全面に押し出して試合に臨みます。
クロアチアやユーゴなど、戦争状態にある国々は、
自国の平和と反映を祈って死にものぐるいで勝負に出ます。
オリンピック出場こそが、
自国をアピールする絶好の機会であることを選手全員が知っているからです。
中垣内選手は、数多くの国際試合に出場しています。
その経験から「試合の最後は自信に支えられた練習の差が、
結果を左右する」と肌で感じていました。
どんな局面に置いても、「勝ちたい!」という気持ちが強い方に流れは行きます。
試合の流れは偶然巡ってくるものではなく、
自分たちの実力で引き寄せるものです。
国際試合は、わずか数ミリ差しかないといいます。
どこが勝ってもおかしくないレベルで試合をします。
だからこそ、「これぐらいやったのだから…」「負けても仕方がない」
と思った瞬間に、勝負は決まってしまいます。
厳しい勝負の世界を経験してきた中垣内選手だからこそ、
そのことを痛いほど理解しています。
その厳しさを若い選手に伝えるための《中垣内復帰》でもありました。
報告会で、ある選手が「私は自分のためにバレーボールをしているのであって、
国のためにやっているのではない」と発言したそうです。
豊田専務理事は、その選手に一喝したそうです。
「お前は、誰のおかげでヨーロッパへ行けたのか!」と。
ナショナルチームの遠征には数千万円から億単位のお金が使われます。
そのお金は、どこから生まれたのでしょうか?
まずは、日本バレーボール協会主催の国際試合の入場券収入です。
現在、多くの国際試合は経費削減のため、
多くのボランティアによって運営されています。
昨年行われた世界選手権も2000人以上のボランティアが
全国各地で活躍しました。弁当だけで、1週間以上も拘束されるのです。
仕事を休んだり、大学の休みを利用して参加してくれた人がほとんどだと言います。
また、企業からのスポンサー収入も重要な資金源です。
経済が低迷している現在、
数千万単位の大口スポンサーはなかなか見つかりません。
協会関係者が手分けをして企業を回り、頭を下げて協力をいただいています。
こうした多くの人の善意によって集められたお金が、遠征費に使われるのです。
ナショナルチームの選手は、エリートコースを歩いてきた人ばかりです。
それだけに、周囲のことがよく見えない人が多いと言います。
「選手には試合に専念してほしい」という思いから、
食事は栄養バランスを考えるために専属の栄養士を雇っています。
宿泊先もゆっくり体を休めてもらうために、
ある程度グレイ度の高いホテルを用意します。
「プレイに専念してもらおう!」と、こうした影の努力を見せないようにして、
関係者はバックアップしているのです。
何百人、何千人の人が足を棒にして歩き、
何度も頭を下げて活動資金を集めています。
そのことを理解して練習をしている選手が少ないと言います。
「そうしたことを理解する力さえ、今の選手にはない」と豊田専務も嘆いていました。
日本のバレーボールは、世界的レベルで見て男女共に15位ぐらいと言います。
かつては「お家芸」とまで呼ばれたバレーボールですが、今では3流国です。
世界どころか、アジアでさえ勝てなくなってしまいました。
豊田専務理事は、「再建の第1歩は選手の意識改革から」と力説していました。
試合ができることに感謝する気持ち、
ナショナルチームに選ばれたことに誇りを持って練習に打ち込む意欲。
そうした部分から、改善を図っていきたいと話していました。
先日、アフリカ諸国のバレーボール関係者が日本協会を訪れたそうです。
アフリカには、正式なバレーボールが1個もない国があるそうです。
何をボールの代わりに使っているかというと、
タイヤのチューブなら高級は方だそうです。
多くの場合、バレーボールの葉っぱを乾燥させ、
その繊維を何十枚の巻いて1個のボールを作るそうです。
しかも、そのボールを何度も修理して使っているそうです。
そこまでして、バレーボールに打ち込んでいる国があります。
もちろん、夢は日本と同じオリンピックの出場です。
日本協会では、ボールメーカの協力を取り付けてボール3000個を用意し、
講師をアフリカ各国に送って指導にあたっているそうです。
そのお話を聞いて、とってもうれしくなりました。
「誰にも迷惑をかけていないからいいんだ!」
そんな声を聞くことがあります。
本当にそうでしょうか。
冷静に考えてみると、自分の今の恵まれた環境を用意してくれる人、
支えてくれる人が自分の周囲にはたくさんいることがわかります。
1時間のお話でしたが、豊田専務理事のお話に感激して別海に帰ってきました。

11 学校にまつわるいい話

昨日、4通の白い封筒が職員室の机の上に置かれていました。
すべて、表には「染谷幸二先生」とありました。
「差出人は誰だろう?」と思い裏を見ると、
そこには昨年4月に別海高校酪農科へ進学した生徒の名前がありました。
きっと、国語の授業で取り組んだのでしょう。
感心したのは、封筒の文字です。
どの卒業生も、1文字1文字丁寧に書いていました。
「字は、その人の心を写す鏡である」といいます。
心を込めて書いた字は、見ただけでわかります。字を見ただけで、
感動できるのです。
教師であれば、いつまでたっても卒業生のことは気になるものです。
「新しい環境には慣れただろうか?」
「授業にはついていけるだろうか?」
「楽しい高校生活を過ごしているだろうか?」
何かの折りに、そんなことを考えるものです。
卒業から1年が過ぎようとしています。
卒業式が終わり、最後の学活が教室で行われました。
そこで、卒業生を約束したことがあります。
この約束が、私の1年間を支えていました。
素晴らしい思い出をくれたみなさんに、恩返しをしたいと考えています。
それは、4月から持つ学級を、この学級よりも素晴らしい学級にすることです。
みなさんとの2年間で学んだことを、学級づくりの中で生かします。
そのことに全力を尽くします。
みなさんも、中学校時代を思い出すことがないような
充実した高校生活を過ごしてください。
卒業生からの手紙を読んで、そんなことを考えました。
4通の手紙は、私の宝物です。

12 10代に熱中したこと

9人の部員と全道合宿に参加しました。
今回の全道合宿の負担金は、1人33000円です。
かなりの高額です。
新聞配達の1ヶ月のアルバイト代に相当します。
父母会を開き、趣旨をお話ししてご理解いただきました。
指導者としては、「大金を無駄には出来ない」と思います。
参加する生徒も、お金を出していただいた父母の皆様にも
「行かせてよかった」と思ってもらえるようにしなければなりません。
男子バレー部の場合、3月・5月と全道大会が続きます。
それだけに、お金に見合うだけの成果が必要です。
そうでなければ、3月・5月も気持ちよく参加することが出来ません。
出発前、部員を集めて言いました。
世の中には、100円でも高いものはあれば、100万円でも安いものもある。
遊び感覚で4日間を過ごすならば、33000円は無駄金です。
みんなが4日間バレーボールに集中し、技能的にも、人間的にも成長できれば、
お家の人も「行かせて良かった」と納得してくれるでしょう。
感謝する気持ちがあるならば、すべてを吸収しなさい。
33000円が安いか高いかを決まるのは、1人ひとりの気持ち次第です。
指導の先生方からは、高い評価をいただきました。
全道で最も身長が小さなチームです。
それでいて、180cmのエースアタッカーが打ったスパイクを何本も拾い上げました。
あきらめずにボールを追う姿を見せてくれました。
ある指導者の方からは「身長が低いチームの見本」というコメントをいただきました。
毎日の練習の成果が、全道合宿という場で発揮できたことをうれしく思います。
この成果を、3学期の学校生活に生かしてくれるものと、期待しています。
33000円の価値が決まるのは、これからです。

13 学校にまつわるいい話

小学校1・2年生の頃、私は目立たない子どもでした。
先生に指名されなければ、発言もしませんでした。
例え、指名されたとしても、席を立っただけでドキドキして何も答えられなくなりました。
嘘のようですが、本当のお話です。
3年生になり、担任の先生が変わりました。
とっても個性的(?)な先生でした。
いつも二日酔いで、お酒のにおいをプンプンさせて教室に入ってきました。
授業もいい加減。
授業らしい授業は、ほとんど経験していません。
ただ、その先生はとっても人気がありました。
それは、とにかく褒めるからです。
教科書が読めようが、読めまいが関係ありませんでした。
教科書を持って立っただけで「立ち方がいい」「姿勢がいい」「声がいい」などと、褒めるのです。 
わざとらしいのは子供心にもわかっていたのですが、やはり悪い気はしませんでした。
ハチャメチャな学級でしたが、そこには活気がありました。
そして、みんながやる気に満ちていました。
先生は何もしませんでしたが…。
社会の授業でのことです。
白地図に、地図帳を見て47都道府県を書き込む作業をしていました。
その先生は、いすに座って半分寝ていました。
47の都道府県名を漢字で書かせるのです。
習っていない漢字もあるのですから、かなりの時間がかかります。
ほとんどの子は途中で飽きて遊んでいました。
地図帳が好きだった私は、夢中で書き込んでいました。
すべて書き終わり、その先生に持っていきました。
そして、その先生が言いました。
「全部正解! 合格! 今日は先生の代わりに社会の先生になってもらう」と。
私は、2番にできた子のプリントに赤鉛筆で○をつけていきました。
私が初めて、集団の前で認められた瞬間です。
この授業を境に、私は「自分は社会が得意なおだ!」という自信を手にしました。

14 10代に熱中したこと

18日(日)、別海町バレーボールフェスティバルが行われました。 
小学生から大人まで、約40チームが参加する大会です。
中央中学校からは、男女合わせて4チームが参加しました。
中学女子の部で3年生チームが優勝、
一般男子の部で3年生チームが準優勝を飾りました。
中体連が終わり3か月、
3年生男女バレー部の部員にとっては部活動の思い出が1つ増えました。
男子決勝の対戦相手は、別海高校ボーイズでした。
別海高校といっても高校生は3人だけ。
その1人もOBで、全道大会BEST8のメンバーでした。
一般3人のうち2人はOB、1人は白樺学園高校、
もう1人は釧路工業高校でキャプテンを務めたほどの実力の持ち主です。
両チームとも、目標は全国大会というハイレベルの中でバレーボール生活を続けました。
中央中に来て7年。
部活を持ちながら思っていたことは、
『生涯バレーボールを愛する選手に育てたい』ということです。
部活終了と同時にすべての縁が切れるというのでは寂しすぎます。
中学3年間、貴重な時間を自分が選んだ部活動にかけたのです。
1日の生活は部活を中心に動いていたという人もいるはずです。
すべてを忘れて、何か1つに打ち込む。
こうした生活ができるのは、10代にしかできないと思っています。
時間を持て余して中途半端な生活を送るよりも、何倍も価値があると思っています。
それほどまでの情熱を傾けたのですから、学校を終え、
社会に出てもバレーボールに対する思いを忘れない選手になって欲しいと願っていました。
その願いが、実現できた試合でした。
コートでプレーしていた選手は、ほとんどが中央中男子バレー部OBでした。
ベンチに座わり応援している選手は、1・2年生の部員達。
そういった選手たちに囲まれてバレーボールの試合ができる、
しかもそれが決勝という最高のステージでした。
「幸せだな!」と、心の底から思いました。

15 ああ、中学三年生

昨日の放課後のことです。
制服を着た瞳さんが、丁寧にお辞儀をして職員室に入ってきました。
手には小さな手帳を持っていました。
私の前に立つと、少し照れた表情で
「メモ帳の表紙にメッセージを書いてください」というのです。
その手帳を見せてもらいました。
小さな、しかも丁寧な文字がびっしりと書き込まれていました。
よく見ると、「面接で心がけること」と書かれていました。
瞳さんは、私が学級通信に書いた面接のワンポイント・アドバイスや面接のマナーを、
すべてメモ帳に書き写していたのです。
また、質問事項をメモ帳に写し、
それに対する瞳さんなりの回答を書き込んでいたのです。
そういえば、教室でメモ帳を見ながら、
何かを確認するように独り言を言っていたことを思い出しました。
面接指導に対する瞳さんの思いを知って、私の心は熱くなりました。
この時期、私はいろいろとアドバイスをします。
「少しでも自信を持って入試を向かえて欲しい」と思うからこそ、細かなことまで話をします。
その話を忠実に実行してくれる人がいます。
私の思いが100%伝わっていることを知って、とてもうれしく思います。
教師のアドバイスを生徒が素直に聞き入れる。
そこに初めて教育が成立すると思っています。
瞳さんは、「メモ帳の表紙にメッセージを書いてください」と言いました。
私は愛用の黒ペンを取りだし、「そのまま…」と心を込めて書きました。
そして、瞳さんに言いました。
こうした努力ができる人は素晴らしいと思います。
どんなに緊張する面接でも、日頃からしっかりと準備をしていれば心配はいりません。
瞳さんは、こうして前向きに努力しています。
その努力が報われないはずがありません。
面接は普段の生活がそのまま表れます。
瞳さんは、こうして努力をしているのですから本番も『そのまま』で大丈夫です。
「普段と違ったことをやろう」「格好いいことを言おう」と思う必要はありません。
『そのまま』で十分に通用します。
先生が保障します。
自信を持って、本番の面接試験に臨んでください。
瞳さんはニッコリほほえんで、職員室を後にしました。
爽やかな気分で、1日の学校生活を終えることができました。
ありがとうございました。

16 学校にまつわるいい話

9日の○○新聞の1面をご覧になったでしょうか?
昨日の学校通信にも紹介されていました。
大きな写真に笑顔いっぱいの表情でガッツポーズをする生徒達が並んでいました。
その後ろには『第22回全国スケート大会祝勝会』の横断幕が貼られていました。
全国中体連スケート大会で、優勝した生徒達です。
写真の1番左には、みゆきさんが写っていました。
「夢を実現させた」という充実感が、その表情から伝わってきました。
「全国優勝」という成績もさることながら、
記事には「礼儀の良さも評価」という見出しがありました。
選手団は挨拶や礼儀などの面でも、全国の中学生の模範となっていたと報じています。
私の息子もスケート少年団に所属しています。
この点については、教師以上に厳しく指導されています。
そうした心の面の指導が、「ここ1番!」という大舞台で力を発揮させたのでしょう。
私もバレーボールで何度も全道大会に参加しています。
思うことは、「強いチームほど、競技以外の部分も優れている」ということです。
全国大会で優勝した○○中学校も、こうした「心」の部分がしっかりと指導されていました。
礼儀、挨拶、後始末、行動の早さなど、
すべてがバレーボール・プレーヤーの模範となるチームでした。
私事で恐縮ですが、スケート少年団の練習で私が感心したというか、
勉強させてもらった例を紹介します。
スケートの先生が私の息子に「手を大きく振るんだよ」
と1対1でアドバイスをする場面によく出会います。
個別指導ができると言うことは、その子をよく観察していると言うことです。
見ていなければ、何もアドバイスはできません。
それだけで、親としては感謝の気持ちでいっぱいになります。
この場合、我が家のしつけの拙さもあるのですが、息子は「うん」と言って頷きます。
学校でもよくある光景です。
この時、スケートの先生はすぐさま注意をします。
何と注意するかわかりますか?

『うん』ではありません、『はい』です。

と言うのです。
この場面を目にしたとき、
「自分は親として、教師として何も指導してこなかった」と思いました。
深く反省するとともに、自分自身が恥ずかしくなりました。
「うん」と頷くだけと、頷きながら「はい」と返事をすることでは雲泥の差があります。
指導してくれた感謝の気持ちを伝えるためには「うん」と「はい」では、
全然伝わり方が違ってきます。
こうした当たり前のことを繰り返して厳しく指導してくれるのです。
私は心の底から「ありがたい」と思いました。
全国大会での活躍の裏では、こうした地道な「心の指導」が繰り返されていたのです。

17 ああ、中学三年生

面接指導1日目が終了しました。
緊張した面持ちで担当する中山先生にお願いの挨拶へ行った希望さんと輝君。
歩き方も固く、普段とは明らかに違っていました。
「初めての経験、やっぱり緊張するんだな…」と見ていました。
その反対に、リラックスしていたのは直継君と未来さんです。
会場となる相談室の準備を終え、笑顔も見えていました。
いよいよ面接指導がスタートしました。
「大丈夫かな?」「しっかりと答えられるだろうか?」と心配していました。
それから15分ぐらい経過したでしょうか?
面接指導報告書を担当された先生方から戻ってくるのを待ちながら、
職員室の横を通る生徒の様子を見ていました。
先ほどまで緊張していた希望さんが笑顔で通って行きました。
すぐに廊下に出て、「緊張したかい?」と声をかけました。
希望さんは笑顔で、「はい」と答えました。
その表情からは「まずまず思い通りにできた」という満足感が伺えました。
中山先生から渡された報告書には「好印象を得ました」というコメントが書かれていました。
質問事項にも適切に答えていたようです。
きっと十分に準備をして、何度も頭の中で答えを整理してから臨んだのでしょう。
「備えあれば憂いなし」という言葉があります。
次回は15日(金)です。
集団面接のグループの指導がスタートします。
準備は十分ですか?

18 ああ、中学三年生

2年生の1学期、座席は私が決めていました。
それは、学級がまとまらないうちに座席を生徒に決められたら、
「あの人とじゃなきゃ座りたくない」「この人とは隣に座りたくない」
という要求ばかりが噴出します。
それを1度許してしまえば、生徒はそれを要求し続けます。
学級が望ましくない方向に進んでも、この状態を変えることは難しくなります。
まだ、お互いを知っていないうちにこれをやってしまえば、
新しい友達などできるはずがありません。
学級には小さなグループが乱立し、お互いの足を引っ張り始めることになります。
こうして学級がまとまらないうちに崩壊していくのです。
学級がまとまるまでは教師が座席を決めるのは、教師の世界では常識です。
学級がまとまった後は、ある程度、生徒に決定権を委ねても大丈夫です。
しかし、教師がしっかりと観察していなければ不正が横行します。
例えば、クジで座席を決めるとします。
影でクジを交換するという行為に出るのです。
この場合、力がある生徒が「悪しき特権」として不正を働きます。
これを許せば、学級内に序列が生じます。
支配する側と支配される側にわかれ、学級が1つにまとまることはありません。
これが卒業まで続きます。
逆に考えれば、誰も不正を行わず、
学級全員がクジの決定に従うことができる学級は力がある学級です。
お互いを認め、誰とでも公正に付き合うことができる力を持った学級と言えるでしょう。
卒業を前にした3年生の3学期は、この状態にまで高まります。
C組がそうです。
お陰様で、2年間、座席の決定に対する不平不満を1度も耳にすることはありませんでした。
これも、生徒の力であると感心しています。
今回、「お見合い方式」を採用しました。
男子が教室を出て廊下で待機します。
その間、女子が相談をして自分の席を決めます。
その際、私は「3分を目安に決めて下さい」と言いました。
3分で決まらなければ、何時間あっても決まらないと思うからです。
当然、全員の要望を満たすことができないのですから、
誰かが引かなければならない場面も出てきます。
最初ということもあり、1分延長して4分弱で女子の座席が決まりました。
ここで、女子と男子が交代しました。
今度は女子が廊下で待機する番です。
男子は、何と30秒で決まりました。
関口友治君が「すごく早い!」と驚いていました。
男子が決まったところで、女子が自分の席に座ってペアが決まりました。
「不満なし」を全員で確認をして席を移動しました。
3月、最後の席替えが待っています。
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