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TOSSランドNo: 2320555 更新:2012年12月01日

「誕生のエピソード」で命の大切さを伝える語り


昨日は息子の誕生日でした。
9年前の1月28日は、きれいな青空が広がる寒い朝でした。5時半ごろ、「陣痛が始まったようだ」という妻の声で起こされました。前日から「おなかが張り始めた」と聞いていました。出産予定日が1月29日だったので、「いよいよ父親だな!」という気持ちで、車のエンジンをかけました。当時、本別海に住んでいました。中標津の病院に通っていたので、「出産の日、吹雪になったらどうしよう」「道路が通行止めになったらどうしたらいいのだろう」という心配が、いつも頭の中にありました。
幸い、この日は快晴でした。厳しく冷え込んだ朝なので、道路は凍っていました。普段よりも慎重に運転して病院に着きました。すぐに診察をしてもらいました。「これなら、お昼までに生まれるでしょう。そのときは電話で連絡します」と言われ、学校の電話番号を看護婦さんに伝えて家に戻りました。

お昼になっても連絡は入りませんでした。授業が終わっても連絡は入りませんでした。この日、スケートリンクの散水当番でした。本別海のリンクは沼を凍らせてつくっていました。散水車のタンクに水を入れていると教頭先生が走ってきました。「生まれたのかな?」と思ったのですが、教頭先生の表情には笑顔がありませんでした。「病院から電話だよ!」という教頭先生の声から、歓迎できない事態になっていることが想像できました。走って職員室へ行き、電話を取りました。

「ドクターから大事なお話があります。大至急、教員に来てください」という看護士さんの声に、緊張感が一気に高まりました。着替える時間ももったいないので、作業着のまま病院に向かいました。朝は晴れていたにもかかわらず、この頃には細かな雪が降り始めました。中標津まで向かう時間が、とても長く感じられました。病院に着くと、すぐに診察室に通されました。私の向いに座ったお医者さんが真剣な顔で「結論から申し上げます」と言いました。こんな時は、どうしてもマイナス思考になってしまいます。運転しながら、ずっと悪いことばかり考えていたので、「いよいよだな」と覚悟を決めて聞く気持ちになりました。

お医者さんの口からは、「切りましょう!」という言葉が出てきました。
お医者さんはメモを使いながら、「胎児のへその緒が首にからまさっている状態です。このままでは危険な状態になります。帝王切開で生ませたいのですが、いかがでしょうか?」と丁寧に説明してくれました。人の命を預かるお仕事だけに、状況を丁寧に説明するのは当然かも知れません。でも、そうした1つ1つの言葉から「お医者さんを信頼しよう」という気持ちになりました。私はお医者さんに「妻は同意していますか?」と聞きました。お医者さんは「はい」と答え、「今、病室にいます。確認してください」と丁寧に対応してくれました。
手術は30分ほどで終わりました。手術室に入るお医者さんは「難しい手術ではありません。赤ちゃんは元気です。30分後にはお会いできますよ」と伝えてくれました。それまで不安いっぱいだった私の気持ちも、お医者さんの温かい一言で安心に変わりました。

我が家では、そんな会話が交わされました。誕生日は、「生きていること」に感謝する日だと思っています。1歳は1歳なりに、15歳は15歳なりに、30歳は30歳なりに、多くの方にお世話になって誕生日を迎えます。自分1人だけの力で大きくなった人はいません。だからこそ、「生きていること」を幸せに思い、「生きていること」に感謝する気持ちを持って欲しいのです。


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