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TOSSランドNo: 1145128 更新:2012年12月01日

折れ線グラフでは《変化》を読み取らせる


1.折れ線グラフでは《変化》を読み取らせる

授業で折れ線グラフを扱う場合、私は「ミニ定規を使って、さっと斜め線を引きなさい」と指示をする。
生徒は左手にミニ定規、右手に赤鉛筆を持つ。
だいたいの傾向をつかむのだから、思い切ってグラフに太い赤線を引く。

Image2

資料Aのように、右上がりだったら「増えている」と読みとることができる。
資料Bのように、右下がりだったら「減っている」と読みとることができる。
資料Eのように、水平な線だったら「変わらない」と読みとることができる。
グラフの読みとりに慣れていないとき、資料CやDのようなグラフを目にすると、生徒は「増えたり減ったりしている」と答える。
しかし、折れ線グラフはある程度まとまったスパンで読みとる必要がある。
多少の増減は無視して全体として「増えている」のか、「減っている」のかを判断することを繰り返し指導する。

これに慣れてくると、急激に減っている部分、急激に増加している部分に着目させ、その原因や理由を追究する授業を仕組む。
資料活用能力は、こうした授業の中で鍛えられていく。

以下、授業例を紹介する。
この授業は、2003年12月に東京で開かれた第2回向山型社会科セミナーで発表した7分間にまとめ模擬授業として発表したものである。

2.授業では《急激な変化》を取り上げる

教科書169ページ(教育出版)の『日本の米の生産量・作付面積・在庫量』のグラフ(資料4)を提示する。
「資料のタイトル」「出典」「年度」「右の縦軸」「左の縦軸」「横軸」「赤い折れ線の意味」「青い折れ線の意味」「緑の折れ線の意味」を確認した後、次のように指示した。

指示1:

生産量の傾向を調べます。ミニ定規を使って、さっと斜め線を引きなさい。

4月から繰り返している指示なので、作業には30秒もかからない。
右のようになる。
私が指示をしなくても、線を引き終わった生徒から隣同士で確認していた。

発問1:

1965年以降、米の生産量は増えていますか、減っていますか、変わっていませんか。

「右下がりなので、減っています」という声。
「AなのでBです」と端的に答えられるようにしたい。
これも、授業を効率よく進める上で重要なポイントである。

指示2:

生産量が減った理由が教科書169ページに4つ書かれています。その部分にアンダーラインを引きなさい。

普通、教科書にはグラフに対応した文が掲載されている。
そこを本文から見つけさせる。常に、本文とグラフを対比させる習慣をつけさせるのである。
      1.一人当たりの米の消費量が減少
      2.政府が減反政策
      3.輸入米が増える
      4.産地間の競争が激しくなっている

指示3:

生産量が急激にさがっている部分が3か所あります。その部分に赤鉛筆で○をつけなさい。

これも、1年生から繰り返している指示なので、30秒もかからずに作業ができる。
「1970年」「1980年」「1993年」の3か所である。
急激な変化には、明確な理由が存在する。
折れ線グラフの読みとりでは、ここを予想させ、答えを導き出す授業を組みたい。
ここに、社会科の持つ教科の楽しさが存在する。

発問2:

「1970年」「1980年」「1993年」の年のうち、1つだけ明らかに傾向が違うものがあります。それは何年か。理由もノートに書きなさい。

傾向が違うものを発見させるための発問である。
この問いに答えるためには、資料をよく見なければならない。それだけに、5分以上の時間を生徒に与えたい。
資料活用能力を鍛えるには《資料をとことん見る》という場を、授業の中に用意することである。

授業では、在庫量との関連に注目する生徒が多かった。
1970年と1980年は《在庫量激増・生産量激減》ということから、減反政策が原因であることが読みとれる。
さらに、一人当たりの米の消費量が1965年から30年間で5分の3に減少していること、政府の減反政策は1970年から、米の部分自由化は1995年から始まったことを補足した。

しかし、1993年は《在庫量激減・生産量激減》である。
前者とは違う傾向を示している。別の理由があることに、生徒は気がつく。

指示4:

1993年に生産量が急激に下がった理由は何ですか。次の時間までに調べてきなさい。

正解は冷害である。
1993年は日本において近来にない大冷害となった。
特に、東北太平洋側および北海道で、収穫皆無を含む大きな被害となった。前年の1992年も冷害であったため、日本の米が底を尽き、タイなどの東南アジアから米を緊急輸入した。
インターネットを使って検索すれば、容易に答えを導き出すことができる。


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