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TOSSランドNo: 5619178 更新:2012年12月31日

「机間指導」の機能と時間的制約を自覚せよ


1 机間巡視と机間指導

自分のその行為は,「机間巡視」なのか「机間指導」なのか。

この二つを自覚して授業をおこなう教師は少ないと思われます。
教育書の中には,二つを一緒のものとしているものもあります。
二つの違いについて,以下の文章があります。

しかし,本書では「机間指導」を以下のように定義する。

授業中,授業後を問わず,子ども達や子ども達の机の間をまわっておこなう指導機能全て。

《 中 略 》

これと似た用語「机間巡視」を本書では以下のように定義する。

授業中,授業後を問わず,子ども達や子ども達の机の間を歩いて見てまわること。

             教育技術文庫『机間指導の技術』迫田一弘 著(明治図書)

つまり,「指導が入るか入らないか」という部分に違いがあるのです。
その後,「机間支援」「机間援助」などという言葉が一時流行しました。
実に曖昧な言葉です。
よく考えてみれば,「教師が指導に深く関わるのは間違いである」という主張はピント外れです。
単元によって,もしくは教材によって,そして時期によって指導が大部分を占めることだってあるはずです。
それを「教師は見守るべきである」という意味のない「べき論」を持ち出すから現在のような「指導すべきことはする」という状況になっているのです。
理念や理想を追い求める結果,そのようなことになるのです。
向山洋一氏は,「子どもの事実」と「教師の腹の底からの手応え」という尺度で優れた実践なのかどうかを判断するのがよいと話されています。

2 机間指導の重要ポイント

ポイント①  有限な時間の中で使い分けをせよ。
         「個別指導は」「少し詳しく見る子は」「ヒントを与えるのは」

机間指導といっても,有限な時間の中でおこなわれます。
したがって,個別指導で入る人数は限られてきます。
私の場合は,5人~6人とみています。もっと優れた教師であれば7人,8人と増えていくのでしょう。
個別指導まではいかなくても,少し詳しく見たい子もいます。
また,ヒントをそっと話しさえすればできる子もいます。
それらを使い分けながら授業を進めていけばよいのです。つまり,次のことが言えるわけです。

ポイント②  全体は見るが,軽重をつけて見る。全員をきっちり見ようとしてはいけない。

机間指導では,全員のノートを見ることは大切ですが,軽重をつけます。
全体としての傾向を見ながら授業を進めていくときには,全員を詳しく見なくともよいわけです。
また,「180秒÷30人=1人あたり6秒」という単純計算で机間指導をおおこなうのでもありません。
ノートをサッと見るだけなら,1秒でも十分です。
向山洋一氏も,自分の机間指導を分析したレポートについて,全員に同じ時間を使っているのではないという内容の言葉を話されています。

ポイント③  見る観点を絞って見よ。

机間指導では,見る観点を絞ります。
例えば,「全員筆算を書いているか」「全員○×を書いているか」「全員理由を一行でも書いているか」などに限定して見るのです。
何でもかんでも見ようとしてはいけません。かえって,漠然としか見られなくなってしまいます。

ポイント④  自分の「机間指導レベル」があがってきたら,見る観点を増やしたり見る内容を高度なものに変えよ。

レベルが低いうちは,見る観点を限定します。そして確実に見ていくのです。
そうすることで,学級の傾向や一人ひとりの様子がわかります。
レベルがあがってきたら見る観点を殖やすことです。
また,見る観点の内容を高度なものにするのです。
例えば「いくつ書けているのか」「どんな内容を書く傾向にあるのか」などです。
机間指導は,少しずつレベルがあがります。決してあきらめないことです。

ポイント⑤  机間指導のだいたいのコースを決めておく。

限られた時間ですから,机間指導のコースも決めておく必要があります。
最初から個別指導に入るのではなく,周りを見てチェックしながら個別指導をしたい子に向かっていきます。
よく適当に机間指導をしている方がいます。「とりあえず指導」「とりあえず巡視」と言われるものです。
机間指導は,効率よく進めることが大切です。

ポイント⑥  1時間に1回は机間指導をする。

作業指示を出したりノートに書かせたりするための指示を与えたのにも関わらず,机間指導をせずに授業を進めていく教師を拝見することがあります。
子どもの作業を評価評定しなければ,ただの「やらせっ放し」です。子どもに力がつくはずがありません。
授業では,必ず教科書に書き込みをさせたりノートに書かせたりする場面があります。
そのときに書かせながら自分は机間指導をおこない,評価評定をするのです。
指導と評価につながりができれば,子どもの学力は今以上にあがります。
もちろん評価の観点は,シンプルであることがよいのです。

ポイント⑦  赤鉛筆指導は,子どもの背中越しにおこなう。

机間指導で個別に教える他に「赤鉛筆指導」があります。そのポイントは,二つです。

ア  その子の背中越しにおこなう。
イ  薄く書く(その上を子どもがなぞったときに赤鉛筆で書いた線が消えてしまうほど)。

アは,子どもたちとのふれあいを大切にするためです。
よく,対面で赤鉛筆指導をおこなう方を見かけます。冷たい対応です。
イは,教師の教えた跡を消すためです。
特に,イは,練習しなければできません(数回練習しても絶対無理です)。
ぜひ練習してマスターしてください。

ポイント⑧  ノートを見せる指導を必ずおこなう。

机間指導で一番困るのは,子どもが自分の書いたノートを隠すようにする行為です。
机間指導が効率的に進みません。
そこで,もしそのような現象が起きているのであれば,4月の最初の段階に子どもたちに話します。
例えば,次のようにです。

人間は,だれでも間違えます。子どもも大人も間違えます。
間違えるからこそ,正しい答えを求めようとして人間は成長するのです。
間違えることを1回もしない人がもしいたら,気持ちが悪いです。
そして,間違えをしない人は,学校に来る必要がない。
間違えるということは,間違える人の気持ちを知ることができる。
つまり,相手の心を知ることになるのです。相手のことを知ることができるなんて素晴らしいことです。

でも,ノートに間違えが書いてあるかもしれないと恥ずかしがって見せない人がいます。
あなたの間違えのおかげで,同じ間違えをしていた人は助かります。
先生も「そうか,そうか。ここで間違っているんだな。よし,じゃあこうすればできるようになるな」とお医者さんのように診断できるのです。
いいじゃないですか。堂々と見せなさい。
私がそばに行ったら,私によく見えるようにしましょう。

ポイント⑨  指名の順序を考える場合には,貴重な情報源にせよ。

授業の組み立てで,指名の順序を確定させなければならない場合があります。
そのときの貴重な情報源となるのが,机間指導です。
例えば,教師がまわりながら頭をなでていきます。
そして「頭をなでられた人は立ちなさい」と話し,発言の順番を指定することも可能です。
例えば,やんちゃ君や普段目立たない子,勉強が苦手な子を主役に据えることも可能です。

ポイント⑩  かすかな変化を見逃さずほめよ。

子どもは日々成長しています。教師の授業に応えようと,ノートに一生懸命書きます。
ですから教師は子どもたちのかすかな成長を見逃さずほめることです。
言葉でほめるだけがほめることではありません。
驚いた表情で,笑顔で,視線で,頭をなでて,背中をなでて,背中を軽く叩いて,肩を軽く叩いてなど,たくさんあります。


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