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TOSSランドNo: 1115166 更新:2012年12月31日

「文を長く書く」指導の追試


「文を長く書く」指導の原実践はもちろん、向山洋一氏であるが、数多くの追試がなされている。
「向山洋一全集22 子どもの知性を引き出す作文指導」や「向山型国語教え方教室 呼びかけ号」などに書かれている。
それらの中で、青坂信司氏は、次の3点を有効なポイントとして挙げている。

 1 具体的な場面の提示
 2 明確な評価
 3 良い作品の紹介

この点をしっかり意識し、さまざまな実践を参考にしながら、次の実践を行った。

1、 具体的な場面の提示

原稿用紙を配り、次の説明を行った。

説明1:

今から、先生がやる動作を作文に書いてもらいます。できるだけ長く書きます。しっかり見ておきなさい。それでは始めます。

次の動作を行った。

1 手をたたき、「始めます」と言う
2 廊下に出て、外をながめる
3 数秒して教室に入り、ドアを閉める
4 電気を消し、歩こうとして振り返り、電気をつける
5 教卓の前まで歩き、にっこりし、手をたたいて「終わります」と言う

時間にして30秒もない動作である。
子どもたちは、「えー」とどよめいていた。

指示1:

それでは作文を書きなさい。できるだけ長くです。

子どもたちは一斉に作文を書き始めた。
5分ぐらいして、「できました」と持ってくる子どもが出始めた。

2、 明確な評価

最初の子どもは、4行ほどであった。赤鉛筆で「D」と書いた。
次の子どもも、「D」である。「えっ」という顔で返っていく。
しばらくして、はじめて「C」をつけた。次の作文である。

田口先生は、最初に手をたたきました。そしてそのあと、とたとたゆっくりドアへ、歩いていきました。そしてドアをあけました。そして田口先生は、ドアをしめました。そして田口先生は、また、とたとたゆっくり歩いてきました。そのあと先生は、「終わり」と言って大きくたたいて、「ばちん」といって終わりました。

原稿用紙にして、半分弱。「とたとた」という表現はおもしろい。
3分の2ぐらいの子どもが持ってきたが、2,3行から半分ぐらいの量であった。評価は、「C」か「D」ばかりであった。

3、 良い作品の紹介

10分ぐらいして、ある子どもが1枚弱の作文を書いていた。次の作文である。

まず、先生はろうかに出ました。わたしは何でろうかに出たのかふしぎに思いました。先生はまどの外を少しながめていました。外には木のはっぱがゆれていました。木の横にこうしゃも見えました。先生はどこをみていたのか分かりませんでした。わたしは先生がまどからまっすぐ見ていたので木を見ていたのかなと思いました。まどの外を見て教室にもどってきて教室のドアを「ドン」としめました。わたしは先生がドアを「ドン」としめたのでとてもびっくりしました。ドアをしめたあとに電気を消しました。その次にもう一回電気をつけました。ちょっとおもしろかったです。みんなも先生が電気をつけたり消したりしているのを見てわらっていました。本当におもしろかったです。

私が読んで聞かせた。
子どもたちは、「これはすごい」と感心していた。

発問1:

この作文のどこがいいですか。

すかさず、「思ったことを書いている」「とっても詳しく書いている」と答えが返ってきた。

説明2:

思ったことをたくさん書くことが、長く書くコツです。それと、見たことや聞いたことを詳しく書くことがポイントです。

などと言っていると、子どもたちから「もう一度書きたい」と言う声が上がった。
さらに、「もう一度さっきのをやってください」という声も出てきた。
こうなると、しめたものである。
同じ動作を行った。笑いもこぼれる。
そして、もう一度原稿用紙に書かせた。
シーンとした空気が流れた。
2枚目の原稿用紙を取りに来る子どもも、数多くいた。
結局、ほとんどの子どもが、1回目の2~3倍ほどの量に増えた。

最初に紹介した子どもの、2回目の作文を紹介する。

田口先生は、はじめに「バン」とたたきました。
そして、
「それでは、始めます」と言って、とたとたゆっくり歩きました。そしてドアは、はじめからあいていました。田口先生はろうかに出ました。授業中なのに外に出ました。ぼくはこう思いました。
 「トイレにでも行くのかな。先生でも授業中なのに先生も行くのかな」と思いました。そして、外をながめはじめた先生は、ぼーっとしていました。外をながめてぼーっとしていた。ぼくは、思った。
 「いったい先生は、何がしたいのだろうか。」田口先生は、トイレには行かず、ろうかから教室へと、とたとたゆっくり歩いてきました。先生はいったい何したかったんだろう、と思いました。田口先生は、きゅうに電気を「バチボチブチ」と消しました。
 そして少し歩いてまたもどり電気を「バチボチブチ」とつけました。ぼくは思った。
 「田口先生は、たぶんまぶしかったから消したんですね。それとくらかったからきっとつけたんですね。」そしてそのあとじひびきはおこらないほどゆっくりとたとた歩きました。そして先生は
「終わります」
といって、手をたたく。

原稿用紙1枚半である。1回目の3倍にもなった。
最後の文や漢字、原稿用紙の使い方など、課題は多いが、ここでは、その指導はしない。
たくさん書けたこと、おもしろい表現をしっかりほめた。 

もう一人、紹介する。

まず先生は、ろうかに出ました。
そしてじっと外をながめました。わたしは、木を見ているのかなあ、と思いました。
そして、また少しすると先生は、教室に入ってきてドアをドンとしめました。そのとき、わたしは先生の方をじっと見ていて、まどがゴトゴトゆれているのに気がつきました。
わたしは、(わあ力がつよいなあ。大人だからかなあ)と思いました。
そのあと、田口先生は電気をけして(あれやっぱりくらいなあ)というかんじで電気をつけました。わたしは笑うのをがまんしていました。でも何人かの人は、笑っていました。
そのあとすたすたと何歩か、歩きました。そして、つくえの前で「ピタッ」ととまって、わたしたちの方を向いて「二カッ」と笑って、おわりの合図として「はい、おしましです」という感じでいって終わりました。すごくおもしろかったです。そしてそれを思い出しながらわたしは、作文を書きました。

普段は、作業が遅れがちになる子どもである。この作文も、時間内には終われなかったが、後で提出してきた。
思ったことをたくさん書き、また、「ニカッ」の表現はおもしろい。
こういう作文は、学級通信で紹介をした。


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