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TOSSランドNo: 1114124 更新:2013年01月01日

4年光村「はばたき」の授業記録 2001,1,30


「はばたき」 4年 光村 下 巻頭詩  授業記録  

1 教材  「はばたき」四年 巻頭詩 光村 下  

 2 授業の実際   3時間完了 

 (1) 聴写指導  (10分ぐらい)

指示1:

今から先生が詩を読みますので、ノートにうつしなさい。
    題は「はばたき」です。作者名はこのページには、ありません。1行目「白鳥の~」とゆっくり読む

指示2:

教科書を出しなさい。(扉を示し)ここに今の詩があります。赤鉛筆を持って、
    正しいかどうかチェックします。まちがったところがあれば、きちんとなおして 
   おきなさい。早く終わった子はこの詩を覚えていなさい。

 正確かどうか確認する。(隣同士ノートの交換でもよい)
   この一文詩では、次のことに留意させたい。
    ・句読点の数、(特に4行目の句点なし)
    ・「きた」と「くる」の書き分け
    ・最後の行の「の」があるか、ないか 。
    ・聴写の場合は、漢字とひらがなの表記の正確さもチェック

指示3:

全員起立
    前を向いて一回、教科書を見ていいので南側(窓側)で一回、後ろを向いて
    一回、廊下側で一回、計4回声に出して読んだら座って、この詩を覚えてい
    なさい。

指示4:

みんなで読みます。さんはい (全員の斉読)

指示5:

では、黒板の詩を少しずつ消すので、暗唱しましょう。

黒板をけしながら、暗唱させる。

指示6:

隣同士で覚えたかどうか確認します。
    一分間待ちますから、お互いにチャレンジしなさい。
    ふたりともできたところは、立っていきます。立った後も、練習していなさい。

 だいたいの子が立ったら(90%)次の指示を出す。

指示7:

暗唱の確認です。目をつむって。とちゅうで間違えた人は、
     すわっていきましょう。さんはい

11:50に聴写を始めて、12:10に14人の子が暗唱できていた。(28人中)

発問1:

白鳥のやってきた空は、東西南北のうちどの方角ですか。

  北が半分、南が半分に分かれた。「つばめ」が南から来るから、という意見が
     でたものの、白鳥は寒いときにくるから、北だ、とか、本に書いてあるとかの
     意見が出て、北におちついた。私からも、理科の教科書の渡り鳥の写真を知ら
     せたり、地球の絵を書いて説明したりした。実際に見たことがないので、知識
     の上での理解であった。

発問2:

話者が見ている方向は、次のうちどれですか。
                 A 地面の下向きですか。
                 B 地平線のある水平方向ですか。
                 C 空のある天を向く上向きですか。

     話者が戸外にいることを確認したあと、棒人間を板書して、視線の方向をやじ
     るしで書き入れ、ABCの記号をつけて考えさせた。
 
    Aは0人、Bが5人、Cが残り全員だった。「どうぞ」で、意見の発表に移る。
 
Bへの反論
  まっすぐだと、空の白鳥が見えない。
  舞い下りてくるのが見えない。
  上を見ていないと、羽ねがおりてくるのが見えないから。
  「来た」ではなく「来る」だから。
  まっすぐ見ていると「来た」であって、もう来てるから、「来る」とは、いえない。
  上を向いていないと、飛び散ってくる様子がみえない。
 
 ここまでで゛40分。
  最後まで残った子は、まっすぐ見ていても、空の向こうは見えると言い張るので、
 放課に呼んで、「空から飛び散ってくるものをみてごらん。」といったら、ぱっと顔を
 上げてしまい、自分で「あーあ」と苦笑いしていた。
 

第二時  15分

発問3:

ふわりふわりとまい下りてくるものは、何ですか。

  A 小さな羽
 B 雪
 C 両方
 
 28人中27人がAであった。
 
  理由 「ふわりふわり」は、雪の下り方ではない。羽の様子だ。
     「あれは雪ではなくて」と書いてあるから
     「小さな羽ではないのでしょうか」と書いてあるから
     両方だと区別がつかないから、ちがう 
 
   これらの理由を聞いていくうちにたったひとりの「雪」が「羽」に転向した。
   私の意見の予想は、半々だったので、作戦をたてるため全員が「羽」になったとこ
  ろでこの授業を続けず、漢字指導に変えた。
  また、挿し絵を根拠にして理由を書いていた子に、あくまでも「文」で、と言い添えた。
 
  「羽」のイメージがすっかりできてしまっていた。こどもが全員「羽」というとは、
  思っていなかったので、困惑した。
 

第三時 翌日の漢字指導の後の15分

 子ども達の意見から、「白鳥が今飛んでいる」と思っている子と、そうでない子がい
  ることがわかったので、発問の方向を変えた。先生は「雪」だと思っていると告げ、
  反論してごらんとたきつけたのが、以下の発問である。

発問4:

「羽」に反論です。「やってきた空」だから、いま白鳥は飛んでいません。だか
     「羽」ではなく、雪です。という意見に対して、自分の考えを書きなさい。

  「ようし、反論しまくってやる。」との声が多数。さらさらとノートに書き出した。
   この討論を楽しんでいる。
 
   先生の意見に反論
 
  ・白鳥が今飛んでいなくても、羽がまい下りて来るまでに時間がかかっているから、
   大丈夫。
  ・ふわりふわりと下りてくる間に、白鳥は行っちゃったから。
  ・石みたいにすとんと落ちずに、ふわふわと時間がかかるから。
 
  同時に「今飛んでいる」とした考えの子も出たが、「やって来た」の「来た」は過去
  のことだから、今飛んでいたら「白鳥のやってきている空」になることを教えた。
 
  ここで「時間がかかるから大丈夫」をくずせず、また矛先を変えた。時間もなくなっていた。

発問5:

 「ないのでしょうか」の「か」があるから、羽とはいっていない、雪が羽みた
     いだといっているだけだと先生は思うのだけど、それについては、明日の国語
     に続きをやります。考えといてね。

のべ時間でそろそろオーバーである。短期決戦を意図し、次の時間はいきなり「か」
  を辞書でひかせることにした。

第4時 翌日20分

指示8:

ノートに「か」の意味をかきだしなさい。

    助詞を全員に引かせたことがなかったので、「家」や「歌」や「花」にとまどっ
    ていた子もいたが、教え合ってそのページを見つけることができた。
 
  ・ 「か」は聞いているから、雪か羽かどちらかのはず。
  ・ 「か」は疑問の「か」で、羽ではないかといっている「か」 (多数)
 
   辞書を引かせても、比喩表現と解釈した子はいなかった。
    指示の8は、思うような結果を得られず、子どもの意見に深まりがなくなったの
   で、
 
 「反駁」を教えた。

先生 「もし、「羽」なら、雪みたいにたくさん一度に舞い下りるとは、思えない。白鳥
    がたくさんでも、そんな雪みたいに下りてくるとは、考えられない。それより、 
   雪が、白鳥の羽みたいできれいだな、そう思わないかね。と聞いている文だと思
    ったほうが、自然でしょ。」

 「やられたー。」とは、発言力のある子のつぶやき。「でもさー。」との声もちら
     ほら。すかさず、続ける。

先生 「今みたいに、もし○○なら、こういう点でだめだ。」という反論のしかたを覚え
   ると、もっと話し合いがおもしろくなります。次のときは、使えたらつかってごら
   ん。先生は「雪」でなくちゃいけませんといっているわけではないのです。それぞ
   れの考えの根拠がきちんと言えるなら、りっぱなものです。今回の話し合いで、始
   めて挙手して意見をいえた子がいました。とてもえらかったですね。それに、「羽」
   の理由で、「題がはばたきだから。とノートに書いていたA君。先生は、とても良 
  い意見だと思いました。みんなが一生懸命考えて、発言できて、とてもよかったで
   す。この詩で自分から発言した子は立ってごらん。14人だね。勇気を出して初め
   て意見を言ったBさんCさん、がんばりましたね。ほかの子もしっかり自分の意見
   が言えて、えらかったね。

  ここで、終了である。

 感想

やはり挿し絵で、影響されたのだろうか。
 比喩表現をきちっとおさえるべきだっただろうか。
 学習指導書の「扉に寄せて」の作者の稿をよむと、「雪」を「羽」に喩えているのは、
 明白なのだが。
  「雪」がふわりふわりと落ちてくるところを「見たことがない」子たちであれば、「羽」
 としか考えられないのもしかたがないのであろうか。
「雪ではなくて、羽ではないのでしょうか」を正しく解釈させる方法をまちがえた気がし
 てならない。
 また、はじめから「雪」派が出るクラスを作りたい、と思った実践でした。

問題提起 この巻頭詩の挿し絵は、画家のイメージを表現したものであって、
     必ずしも詩文の正確な解釈の補助となるわけではない。
     授業記録に、挿し絵ありか、否かを明記すべきである。

☆☆ 「羽」は下りてくるのか、こないのか。「挿し絵」で変わる子どもの反応

  挿し絵を見た子ども達は、まちがいなく「羽」が落ちてくる、というだろう。
  では、見せずに、「詩文」だけを提示したら、「羽」は「雪」の比喩表現だと
  ほとんどの児童が納得するのではないか。
 


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