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TOSSランドNo: 2215782 更新:2012年12月31日

五色百人一首 「今日の一首」の指導


1 荒れた子も、発達障がい児も熱中する五色百人一首
 五色百人一首を教室で行うと、子どもたちが熱中する。
 荒れていた子も、学力の低い子も、集中力に欠ける子も、熱中する。
 なぜか。主な要因を挙げる。

①短い時間で行うことができる。
 五色百人一首にかかる時間は一日5分。一年生でも5分でできる。
②ルールが簡単である。
 基本的にはかるたと同じで、子どもたちも経験があるのですぐに覚える。
③勝負の面白さがある。
 隣同士で行っても楽しいが、勝敗でランキングが入れ替わるシステムを取り入れるとさらに試合は白熱する。
④友だちとの交流がある。
 勝敗でランキングが入れ替わると、毎回違う友だちと試合をすることになり、楽しい上に教室内での交流が広がる。
⑤適度な緊張感がある。
 適度な緊張感は脳内物質アドレナリンの放出を助け、意欲を向上させる。

このように、五色百人一首は優れた教材であるが、ただやり続けていると「熱中」にたどり着く前に壁にぶつかる。
 
2 五色百人一首に「全員を巻き込み続ける」ための支援
 子どもたちが基本的なルールを覚え、試合がスムーズに進むようになると、五色百人一首に熱中する子どもたちが出てくる一方で、壁にぶつかる子どもたちもいる。「負けを受け入れられない子」や「なかなか勝てない子」である。その子たちは、試合を放棄して札をばらまいたり、試合中ぼんやりしていたり、「百人一首嫌だ。」と口に出して言ったりする。
 これをひとつひとつ乗り越えさせてやることで、「全員が熱中」という状態を作ることができる。

①札を覚えるシステムを浸透させる。
 五色百人一首には、試合中に札を覚えるシステムがある。しかし、試合中の子どもたちは意外と札をめくって覚えない。試合中に「Aさんが上の句で取りました!すごい!かっこいい!」「詠んでいる札を取った後は、札をめくって覚えていいんですよ。」
「今!今の時間に札をめくって覚えるんですよ。」と、繰り返し教える。下の句を二度詠んで札を覚える時間を確保する。そして上の句で取れた子を誉める。

②覚えた札が取れるように教師がサポートする。
 学力が低い子や発達障がいをもつ子は札を覚えることが難しい。試合中に覚えても、その札が詠まれる時には忘れてしまっている。だから、教師はその子が覚えた札をさりげなく見て、すぐに詠む。そのためにも、教師は札を覚えておかなくてはならない。
③お気に入りの札を作らせる。
 自分の名前の文字が入ったもの、語感が気に入っているもの、なんでもよいので自分のお気に入りの札を選ばせる。勝負に負けても、お気に入り札を取れば満足、という子もいる。
④励まし続け、誉め続ける。
「勝負は、勝つこともあれば負けることもあります。だから面白いのです。」
「勝っても負けても気もちよく終わるのがマナーです。」
と、常々話す。それでも、負けて泣く子も、かんしゃくを起こす子もいる。「次は勝てるよ。」と励まし、「昨日より枚数が増えたね。」と、進歩を誉め続けたい。

 上に挙げたような基本となる支援をした上で、覚えた札を増やすためのひとつの方法として、「今日の一首」を提案する。一日に一首だけ覚えさせる。一首だけだからこそ、子どもたちの集中力が向上する。
①情報を限定することで、どの子も覚えることができる。
②「今日の一首」はチャンス札になるので、詠まれるまで集中力を保つことができる。
 また、試合に負けても、お気に入りの札や「今日の一首」を取れたことで満足する子も多い。
 
35人の一年生と毎日五色百人一首を行った。1学期の後半、やはり壁があった。この学級では五色百人一首をやらない方がいいのかもしれないとも思った。しかし、いつか壁を乗り越えてくれることを祈って、支援を続けた。
 2学期後半、1学期負けを認められず机をひっくり返して教室を飛び出した子が、2学期は、負けても騒ぎ立てることなく、普通に授業に取り組んでいる。1学期、札が覚えられないので毎回試合で1枚も取れず、無気力状だった子が、試合中に札をめくって覚え、必ず3枚以上は取れるようになった。

3 授業指導案

試合前に、黒板に「今日の一首」を書いておく。

指示1:

今日の一首。先生について詠みます。

「ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる」

説明1:

ほととぎすが鳴いたのでそちらの方を見てみたら、もうほととぎすはおらず、ただ夜明け前の月しか残っていない。残念だなあ。という意味の歌です。

説明2:

覚え方は、「ほととぎすはただ」です。ほととぎすって有名な鳥ですけど、買うと安いんだねえ。
「ほととぎすはただ」ですよ。

試合を行う。
試合が終わったら、勝負に勝った人と、今日の一首を取った人を尋ねる。
試合になった子には「おめでとう。」今日の一首をとった子には「よかったね。」と声をかける。
たとえ負けても、今日の一首を取れたことで満足する子がいる。

【参考文献】
   「続・授業で使える『五色百人一首』小話集」 小宮孝之 監修 TOSS武蔵野 著(明治図書)


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